めんどくさい勇者
久しぶりの投稿、、、、、。
気を取りなおしていきます!
「ではこのような内容でよろしいでしょうか?」
そう言ってジーロズ卿が渡してきた紙は先ほどの話合いでまとめられた勇者の仮 雇用契約書だ。
召喚したときに勇者が必要以上に契約に関してうるさかったので緊急会議として国王をはじめとする高官達が招集された。
会議の内容は割愛させてもらう。
ただ6時間を超える会議だったと聞けばその内容はわかるだろう。
「ふむ、いささか内容に拡大解釈の余地があることが気になるな。」
そう言って渋い顔を国王に向けるのはもちろん勇者、真戸部誠一である。
彼本来のきっちりとした性格のためか契約の内容もきっちりとしておきたいらしい。
「しかし、勇者様。その件に関してはもう十二分に話し合いました。故に勘弁していただきたい。」
疲れた様子の国王がもう勘弁してくれとばかりに誠一に言う。
そんな国王の様子など意に返さない誠一はどこまでも冷静だ。
「国王、忍耐が足りんぞ。この程度の事で音を上げるな。こういう契約は初めにきちんと決めておかないと後あとめんどうだ。契約内容があいまいだった為に利益をかすめ取られたり充分な補償が得られなかったりしたら目も当てられん。」
確かに誠一のいう事は最もかもしれないが地球よりもはるかに文明の劣るこの世界の住人にそこまでを求めるのは酷というものだろう。
その証拠にすでに会議に参加した者の半数以上が生きる屍状態になっている。
「まあまあ、勇者様。ここはどうかお引きください。皆さまもうお疲れですし、もしこの内容に不満があるのでしたら明日、また会議をいたしましょう。こんな頭の働かない状態で話合ってもいい案は浮かびますまい。」
そう言って会議の中断を進言してきたのは国王の右腕とも言われる人物だで名前を”ヒルデ・レガディス”と言うらしい。
頭が切れるのを国王に認められ相談役として仕えている。
おそらくこの会議の中では一番話の分かる人物だろう。
「そうだな。確かにこれ以上は実のないものとなりそうだ。とりあえずその書類は今夜中に目を通しておこう。ついでにこの国の歴史書のような物があれば部屋まで運んでくれ。過去の魔王についても有益な書物があれば同じように頼む。何冊あっても構わない。」
「かしこまりました。そのように手配させていただきましょう。この後は晩餐会を予定しておりますので勇者様にはそちらに参加していただきます。こちらでお召し物を用意させせていますので部屋まで案内させていたきます。」
どうやら勇者召喚を祝ってパーティのような物を開くらしい。
ちなみに本来予定されていた開始時間はとうに過ぎている。
だが勇者の顔見せをしなければならないらしく時間を遅らせてでも今日開催する必要があるらしい。
そこらへんは他国との政治関係とかが原因だろう。
「はぁ、全くお前らはわかってない。」
嫌な予感がする。
それはきっとこの場にいた全員が感じたことだろう。
「えっと、勇者様?どうかなさいましたか?」
恐る恐る尋ねる。
「どうしたじゃないだろう?俺はまだお前らと契約したわけじゃない。それなのになんでお前らの部下みたいに扱われないといけないんだ?そんなあいさつなど契約が終わってからだ。簡単に言えば俺はまだ勇者になるとも魔王を倒すとも言っていない、それなのにお前たちは俺を勇者だと紹介するのか?そんなの詐欺もいいとこだ。」
「し、しかし、あなたを勇者として召喚したのは事実です!そして勇者として召喚されたからには魔王を倒すのは勇者の義務でしょう。」
若い貴族らしき男が言う。
止めようとしたヒルデが頭をかく。
確かにそうかもしれないがそれはこちらの言い分だ。
「お前ばかか?それはお前らの都合だろう。勇者として召喚したのは召喚されたからと言って勇者である必要はない。そっちの勝手で呼びつけておいて責任を押し付けてくるのは都合がよすぎないか?だいいちこちらの世界が滅びようともともと俺には関係ない。」
「で、ではあなたは人々が苦しんでいてもそれを静観するというのですか⁉」
どうもこの貴族の青年は正義感が強いらしい。
故に勇者なのに積極的に動こうとしない誠一に痺れを切らしたのだろう。
「だからおまえはバカだと言ってる。自分の命をかけなければならないような仕事なんだぞ?それをお前は勇者だから喜んで死地に赴けだと?自分たちの事も救えない、だから他に頼ったんだろ?それなのに従えと上からくるのか?」
「で、でも!」
「もうよい。そこらへんにしておけ。勇者様には無礼をお詫びします。ですが今晩の宴には参加していただけるとありがたい。勇者ではなく勇者候補の客人として招待させていただきますので。仕事を含めた公的な場ではなく我々との親睦を深めるためのものととらえてください。むろん客人として紹介が終われば客室に戻っていただいて構いません。」
なおも言い返そうとした青年の言葉を遮りヒルデが客としての参加を頼んできた。
今晩の宴には勇者を招くと前触れしていたのでほとんどの人は彼が勇者だと気づくだろう。
それよりもさっき勇者が言ったように我々は勇者に頼るしかないのだ。
機嫌を損ねるわけにはいかない。
「ふむ、いいだろう。客人として招かれるとしよう。」
「ありがとうございます。では侍女に案内させますので。」
そうして勇者は会議室を後にしたとさ。
一方、勇者が出ていった会議室では、
「「「「「「めんっどくせーーー!!!!!」」」」」」
高官たちの叫び声が飛び交っていた。
読んでいただきありがとうございます!
どうも長くなる、、、、、。
そろそろいい子登場させたい。




