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第2部 間奏曲 第12.4項
帰り道。
ルナは、静かにうずくまった。
モモの言葉は、衝撃だった。
知らなかった。 本当に、何も。
でも――知らなかったで、済むのだろうか。
自分は、拓海の傷を、無邪気に、抉っていたのではないか。
胸の奥が、じわりと痛む。 穴が、広がる。
「……はは」
乾いた、自嘲の笑いが漏れた。
軽い言葉を投げたのは、自分だ。
重さを知らなかったのも、自分だ。
重ければ、警戒する。でも、軽いから、身構える前に刺さる。
知ってしまった今、 さっきまでの自分が、ひどく遠く感じた。




