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残響のプレリュード  作者: erg
前日譚

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45/82

前日譚8.5

 あの夜のセッションと、拓海の音楽室がすべての始まりだった。

 拓海と、モモと、結月。

 この三人を軸に、少しずつ、音が集まっていく。

 拓海は、急がなかった。

 完成形を急ぐこともしなかった。

「合う音」を、待った。


 やがて、リードギターにマサが加わる。

  無駄に前に出ないが、ここぞという瞬間に、旋律を射抜く男だった。


 続いて、ベースのコウ。

 低音で全体を支えながら、拓海のドラムと呼吸を合わせられる稀有な存在。


 音を合わせた瞬間、拓海は確信した。


 ――これだ。


  誰かが欠けても、誰かが主張しすぎても、成立しない。

 五人で初めて、音が立ち上がる。


「名前、どうする?」


 何気ない問いに、少しの沈黙。


「……プラチナムーン」


 モモが、ぽつりと言った。


 夜の光。

 完全じゃないからこそ、輝くもの。


 誰も、異論はなかった。


 こうして、拓海、モモ、結月、マサ、コウ。

 五人のバンド―― プラチナムーンが、静かに生まれた。

 それはまだ、小さな始まりだった。

 だが後に、この月の光が、「ハルトゲシュタイン」と交差し、ライブハウスの夜を塗り替えていくことを、このとき誰も知らなかった。

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