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残響のプレリュード  作者: erg
第1部

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4/82

第1部 第3項

 翌日、学校の廊下は朝の光に包まれていた。  


 私はライブの疲れを少し残しながらも、カバンを肩に掛け、設計室へ向かう途中だった。  


「おはよう、結月」  


 背後から穏やかな声が聞こえる。

 振り返ると、拓海先輩がゆっくり歩み寄ってきている。

 制服姿の彼は、ライブのときとは違い、いつもの物静かな雰囲気そのままだ。

 でも、その穏やかな声に、自然と心が落ち着くのを感じる。  


「おはようございます、拓海先輩」  


 疲れてはいるが、少し声を張り気味に挨拶する。

 先輩はただ軽く頷くだけ。

 そのやり取りの中で、ライブでの距離感を思い出す。  


 私たちが通うのは工業高校だ。高卒で社会に出ることを前提とした職業訓練をする高校。

 拓海先輩は機械科。私は建築科。今日は一日実習なので、実習棟へ向かう。  

 二人は必要以上の会話をせずに並んで歩く。けれどその沈黙は気まずさではなく、自然で心地よいものだった。 拓海先輩は科も学年も違うので、朝の交流はここまでだ。  


「じゃ、放課後に部室で」  


 拓海先輩は軽く頷き、それぞれ機械科と建築科の廊下に分かれる。

 言葉は少ないけれど、互いに存在を認め合う、そんな静かな時間が流れた。

 昨日のライブの熱気と今日の静けさ。

 その間で、拓海先輩との距離が、少しだけ、確かに縮まったことを感じていた。

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