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【外伝】魔女エルサ・フェルム⑥

第六話



暑い。

おかしい。

季節が変わってる。

たぶん湖の結界から無理矢理脱出したせいかな。

ほんと無茶苦茶だよ。

リブルムンドの魔女は。


さあ、問題はこの魔法陣。

どこで開こうか。

全文は見れなかったから、成立させた瞬間に大爆発もあり得る。

そうなると軍施設か…?

いや、あの銀髪が私の特徴を知らせてると思った方がいい。

この車が普通に動いてるし、時間がズレていたとしてもせいぜい数ヶ月。


都市部でやってもただの破壊行為。

損害にはならない。

だとすれば、どこが一番…。



ーーやめた。

一旦休もう。

肉体転送で私の回路にも支障が出てる。


ーーー


トグル、か。

軍本部にもほどほど近く、関係者が多く住む街。

だから良い。

情報を得るには最適。

化粧道具さえ揃えられれば、特徴なんかいくらでも変えられる。


ーーー


人、多いな。

これなら一人でいても悪目立ちしないな。

ほんと運に恵まれてるよ。


「おたくのエレンちゃん、お休みは帰ってくるの?」


おやすみ?


「はい。明後日には迎えに行きますの。当日は学校も混雑しそうだけど、早く会いたくって」


学校…?


ーーー


役場、ここか。


「あのー『学校』の資料いただきたいんですけど」


「はぁーい。あら、ご兄弟用?まだお子さんがいるようには見えないけど」


「あ、はい!弟がそろそろで」


「まぁ素敵なお姉さん!ちょっと待ってね」


『リブルムンド国軍管轄初等員養成所案内』


「おまたせ。弟さん魔力適正出たのね。おめでとう。立派な兵隊さんになれますように」


「どうも!ありがとうございます!」


養成所…?


そうか、ブルーシアの研究生システムみたいなものか。


軍施設と繋がってないんだな。


ここで魔女や兵士が育つのか。


そうか。


じゃあ、ここだな。


ーーー


いちいち遠いんだよ。

リブルムンドは。


あれが、学校か。

ていうか城じゃん、どう見ても。


ーーいいね。壊しがいがある。


休暇に入るんだっけか。

やたらと車が出入りしてる。

ほんと運に恵まれてる。

幸せそうな顔しやがって。

お前らは私の全てを狂わせたんだ。

私の全てを奪ったんだ。

だから私には権利がある。

その証拠に魔法陣も手に入れた。

使ってやるよ。

壊してやるよ。

報いを受けろ愚民ども。


ーーー


おーおー。

ガキどもの多いこと。

死にたくなけりゃ早く出な。

将来私のために働くためにさ。


ーーあれは、教会?


ほんとうに運に恵まれてる。


……最高の舞台じゃん。




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