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シャドウ 〜影と共に〜  作者: 赤茶猿マン
影と傀儡師一族
8/20

思考、感情。

猿です。急に暑くなり、しばらく体調崩してダウンしていましたが、何とか立ち直りました。水分補給はこまめに行いましょう。



 コソ泥の話しは、今の世の中の常識では、到底信じられるレベルの内容では無かった。しかし、それを言うならばシャドウの事もそれに匹敵する存在だ。


「理解出来た?簡単に言うと、キミは影を自由に操れる『カゲクリ』で、オレは闇の中でのみ、影を傀儡として操る事が出来る『闇傀儡師(くぐつし)』の一族って事。まぁ、影って言ったけど、オレ達が操るのは少し違うんだけどね。」


食事を終えたコソ泥は、やっとボクでも理解出来る言葉で、そう話してくれた。話しの内容が理解出来る出来ないの問題ではなく、ただ単に、コイツが食べ物を口に入れたまま話すので、聞き取りにくかっただけなのだが、どうやらボクが小学生である事から、話しについていけてないと判断されたらしい。実に失礼な男だ。


「まぁ、最初からグギャグギャ言って無かったら理解出来てるよ。それと、さっき確かに妹の悲鳴が聞こえた気がしたんだけど…、助け起こした時、明らかにあれは寝てたよね?アンタ…妹に何かしたのか?」


これは、コイツが食事を終えるまでに色々考えてて思い出した事なのだが、よくよく考えてみると、寝ている人間は悲鳴を上げないし、もしそうだとしたら寝ている事がおかしい事になる。辻褄が合わない。


「い、いや、別に危害は加えていない…からな。あ、あれはオレ達特有の催眠術と言っておこう。下手に騒がれて、またあの警察に連れて行かれても困るからな。少し眠ってもらっただけだ。」


「なんか…、単純な答えでガッカリだよ…。」


「悪かったな!!どうせオレは単純な男だよ。あぁ、そうだ!だからこんな使いっパシリみたいな事…。」


「なんか失敗でもしたの?やらかしたってやつ?」


「してなーーい!!ち、違うぞ!あれは失敗なんかじゃない…、そうだオレは間違ってなんか…ブツブツ…。」


どうやらコソ泥は何かしでかして、この任務に飛ばされた様子だ。何やらテーブルに頭を打ち付けて、ブツブツ言い出したのでそっとしておこおう。


《し、シャドウ…、そいつの頭を撫でなくていいから…。戻りなさい。》


コソ泥可哀想じゃないから!とツッコミたくなる様なシャドウの行動に、このシャドウは、ちゃんと心があるのではないか?とさえ思ってしまう。


とりあえず、コイツは危険では無いと思うので、放っておいて寝よう。そう自分に言い聞かせて、酷く疲れた身体を休ませる事にした。


 〜 翌日 〜


 昨夜寝たのが遅かったせいか、まだ少し身体が重い。フラフラしながら、キッチンへと向かったボクが見たモノは、オデコを酷く腫れあがらせたコソ泥の寝顔だ。


《コイツ、あれからずっと頭打ち付けてたんじゃないだろうな?ププッ、見事なタンコブだ。》


それにしても、親が帰って来る日じゃなくて良かった。妹はいるのだろうが、まだ起きていないみたいでホッとする。


《あら?なんでボクホッとしてんだよ。いい加減コイツには帰ってもらわないと。》


そう思いコソ泥を揺すって起こそうと試みるが、訳の分からない寝言を言うだけで、中々起きようとしない。仕方がないので、強行手段をとらせてもらう事にする。


「ギャーーー!!!うはっ!チベて、チベて!!ちょ、ちょっとなんだよコレ、氷じゃんか…。普通に起こしてくれよ〜、オレこう見えても寝起きは良いんだぜ?まぁ一族の中でだけだけどな。」


「もう用事は済んだんだろ?帰れ。親とか妹に見られたら、アンタまた警察に追われる事になるぞ?まぁそれがいいならボクが通報してもいいけど。」


「はいはい…、帰るからそう怒んなよ。それと、オレが伝えた事…、一週間後にまた返事聞きに来るから。お前の様なヤツが他にも何人かいるから心配する事は無い。まぁ、良く考えてみてくれ。」


意外と素直に玄関から帰って行ったコソ泥。まだ名前も聞いてなかった事に気付いたが、あまりお近付きにはなりたく無いので、気にしない事にした。


 キッチンへ戻ると、妹は何事も無かったかの様に起きてきて、朝食の用意をしていた。


「おはよう、お兄ちゃん起きてたんだ。めずらし〜。直ぐに出来るから待ってて。」


「あ、うん、おはよう。あの、みぃちゃん、今日はいいよ。ボク気分が悪いから、学校休むから。」


「え、大丈夫なの?…、うん分かった。ご飯は一応作っておくから、気分が良くなったら食べるんだよ?あと、学校には私が連絡しておくから、お兄ちゃんは部屋で休んでて。」


今日の妹は、いつになく優しい気がしたが、冷たくされるよりは気分がいいので、言われた通りに部屋で休ませてもらう事にした。


《そういえば、あのコソ泥の一族って、かなり昔から存在してるって言ってたな。えと…、百万年の歴史とか言ってなかったか?ん?それって…、何とか原人とかの時代か?確か社会科の授業で…。ちゃんと勉強しておけば良かった。》


この時はまだ、そんなに深く考えて無かったのだが、これが後に、重大な事実を指していたとは思いもよらなかった。


 誰もいない自宅の自室。今日は妹も学校にちゃんと行ったので、本当にボク以外は誰もいないのだ。こんな素晴らしい時間が満喫出来るのなら、なぜもっと早くにこうやって時間を作らなかったのだろう。


自分で言うのもなんだが、案外ボクは真面目なのかもしれない。塾も嫌ならサボればいいのだけれど、毎回休まずに通ってきた。あの公園での事だけは、出来る事ならサボりたかったが。


《そういえば…、アイツ、コソ泥って名前じゃないだろうけど…、アイツが言っていた闇を操る?みたいな事って…、シャドウと変わらないモノなのかな?正直なところ、アイツの言っていたモノは、ボクには見えなかったんだけど…、でも、壁を抜けた時に妨害してきたのは…、きっとアイツが言う、闇から操ったソレに違いない。》


 また一週間後に来ると言っていたので、その辺りの疑問は、その時に答えてもらうとして、アイツの言う怪しげな一族の仲間になっても大丈夫なのだろうか?という事が問題なのだが、さすがマヌケなコソ泥だ。どういう事をしているのか説明も無かった。


分からない事は考えない。これはボクの性格である。そんな邪念を振り払うべく、シャドウを出現させ、イメージとの連動トレーニングを開始した。


 シャドウの事で凄く感心したのは、こう動かそうと思った事を、その考えと同時にシャドウが動いてくれるところだ。コントロールが難しいのは、思考よりも感情による行動の制限だ。


感情による動きは、シャドウを制御するというよりも、ボク自身の心のコントロールが必要だという事に気付いた。そうしないと、考えて指示していない時でも、シャドウが暴走気味で行動を起こしてしまう。


ただ、咄嗟の判断が出来兼ねる時は、ボクの危機的感情を読んで動いてくれるから、助かる時もあるのだが、それもたまたま何も問題にならなかっただけの事なので、今後は、そういう危機的状況での心の制御も意識していこうと思っている。


さすがに、危機的状況は気軽に訓練出来るものではないし、訓練したいからといって、そうそう起きるものでも無い。


 訓練も順調に進み、そろそろお昼ご飯にしようと思った時、自宅のチャイムの音が聞こえてきた。静かに孤独な時間を満喫したいのに、とんだ邪魔が入ったものだ。と何気なくそう感じてしまったのだ。


そう、お察しの通り、そのボクの感情によって、シャドウが玄関のドアの前にいるであろう人物めがけて飛んでいってしまったのだ。待て!というボクの思考を無視して、シャドウはグングン玄関へと向かっている。


そして、ドアをすり抜けた時に、一瞬だけその姿が確認出来た。その人物は、シャドウの突進によって、門の外まで弾き飛ばされ、慌てて脇に止めてあったトラックに乗り込み、急発進で去ってしまった。


《シャドウ戻れ…。宅配便の人になんて事を…。って、ボクが悪いんだけどね。》


 そして、これがまだ暴走の序の口であったと気付くのは、この日から何日か後になるのだ。



何か嫌な予感が…。この後、主人公はどんな事を巻き起こしてしまうのか!?

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