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シャドウ 〜影と共に〜  作者: 赤茶猿マン
影と傀儡師一族
4/20

分析。

シャドウにしてやられた主人公。色々と分析にかかるのだが…。



 こうして自分の影を見ていると、これが現実に起きている事だとハッキリ分かる。つい先程までは、昨夜の事は見間違いか嫌いな勉強のし過ぎで、幻覚でも見たのだろうと思っていた。


 あのハプニングの後、妹からは散々説教をされたが、今はお昼ご飯を作ってくれている。その間に、この黒いモノがどういう仕組みになっているのか調べていると言う訳だ。


その結果、理解出来た事は少ないが、一歩前進というところだ。先ず、この黒いモノは自分の影だという事。その証拠に、ちゃんとボクの足元からにゅ〜っと伸びている。


そして、黒いモノって呼ぶのも味気ないので、『シャドウ』と名付けた。ちゃんと勉強してれば、もう少しマシな名前を付けられたのだろうが、あいにくボクは英語などが特に苦手だ。


それから、シャドウはボクの思考や感情を読み取り、即座にそれを行動に移す事が可能だ。しかも、シャドウの姿は誰にも見えていないらしい。しかし、昨夜アイツらには見えていたのではないのか?という疑問が浮かんだ。確かに「バケモノー」って叫んでいたからだ。


あともう一つ、シャドウはボクが影に入ると消えてしまう。シャドウ自体が影に入っても問題はないのだが、ボク自身が影に入ると、光が当たらない故に消えてしまう様なのだ。


とまぁ、これらがこれまでに分かった事だ。それにしても、お昼ご飯がまだ来ないので、ちょっと様子を見に行こうと思う。まだ少しフラつくが、朝よりはマシだ。


しかし、ボクが部屋から出るよりも先に、シャドウがキッチンへと飛び出してしまう。そして、ボクの頭が一瞬ズキっと痛み、思わず目を閉じてしまったが、その時に、驚くべき事が更に分かる。


なんと、シャドウの移動している様子がボクにも見えたのだ。これもシャドウのなせる技なのだろうか?とそんな事を考えている内に、シャドウはドンドン進み、とうとうキッチンへと辿り着いた様子だ。


《あれ?ご飯作ってくれているはずなんだけど、ここにはいないのかな?》


そう思った時、シャドウにその思考が伝わった様で、キョロキョロと辺りの様子が頭の中に送られてくる。いや、見えてくると言った方が分かり易いかもしれない。


そのシャドウの働きにより、キッチンには誰もいない事が分かった。結構操るのは難しいが、慣れるまでは時間をかけさえすれば、目的の事がキチンと出来るみたいだ。お次は妹の部屋へとシャドウに行ってもらう事にする。


《お、ここだここだ…、お、おわっ!止まれ止まれ!!……、あ、あれ?》


妹の部屋の前で、ドアを開けさせるつもりだったのだが、シャドウはドアの前で止まる事なく、そのままスルッと通り抜けてしまった。どうやら障害物をすり抜ける事も可能らしい。


《おおぉ、壁抜けの術〜、なんちゃって〜……って!ひょえええええ!!!!!!》


シャドウの能力に驚いて、妹の部屋に不法侵入したも同前だと言う事を忘れていた。なんと、お着替え中だったとは。


《あわわ…、シャドウ、シャドウ…戻りなさい…。というか出なさいそこから…。》


と、ボクがどう命令しようが、妹の着替え姿から決して目を離さないシャドウ。まぁ、目なんてモノは無いのだが。


《それにしても、我が妹ながら、成長の早い事だと感心して…、じゃないだろ!!》


慌ててボクは部屋の影になっている部分に飛び込む。と同時に、シャドウからの映像も途切れる。少々残念な気もしたが、とそう頭で考えた時、何故シャドウが動かなかったか理由が分かった。ボクが変態だからだ。


妹の事を想うあまり、ダメだと思いつつも、つい見てしまう、いや見たいというボクの変態的なこの気持ちが、シャドウを動けなくしていたのだろう。血の繋がりが無いとはいえ、みぃちゃんは妹だぞ!と自分に言い聞かせる。まぁ、効果は期待出来ないだろうが。


《あぁぁ、ボクは最低だ…。…、ぬハハ…、イチゴだったな…。ハッ!いかんいかん!!》


「ちょっとお兄ちゃん?おとなしく寝てなさいって言ったのに何してるの?」


「だはっ!な、な、何も。あ、アハ、アハハ…。そ、それよりご飯は…。」


ノックも無しにいきなり声をかけてくる妹に、心臓が飛び出す程驚いてしまった。大丈夫、バレてない!そう自分に言い聞かせながら平静を装う。しかし、女の勘は鋭いというから油断は出来ない。


「ふぅ〜ん…、なんか怪しいけど、いいわ。ご飯、持ってきてあげるから、ちょっと待っててね。」


《ホッ…、助かった…。これからは注意しなくては…。》


まだ小学六年生のボクには刺激が強過ぎた。いや、大きくなれば覗いてもイイという事ではないのだ。そう、ないのだ。


 お昼ご飯も美味しく頂き、何とか色々なハプニングと共に、午前を乗り切った。妹はこの後ピアノのレッスンがあるらしく、それまで少し休んでおくと言い、自分の部屋へと戻って行った。


ボクはというと、まだ少しドキドキしていたので、シャドウを出すのは危険だと感じ、病人らしく寝る事にした。まだ熱はある様だ。そう感じながら、深い眠りに落ちていった。



 目が覚めると、既に部屋は真っ暗になっていた。夢の中でなのか、現実なのか、物音が聞こえて気が付いた様な、そんな感覚が残っている。部屋を見回すが、この部屋には何も変わった事は無い。


何事も無ければ、それに越した事は無いのだが、他の部屋に何かがいたらどうする?という、不安からか、音を立てない様に気を付けながら、ベッドを抜けて、ドアに耳を着けて廊下の様子を伺う。


《…、確かに、何か物音がしているが、妹は…、いや、この時間はまだピアノ教室だ。親も今週は夜勤だから違う…。どうする…。》


もしかすると家族かもしれないが、正体を確認しないと、何とも言えない。しかし、真っ暗ではシャドウも出せないので、自分で何とかするしか無いが、やっぱりボクは何も変わっていない。ヘタレだ。


シャドウを出して、いじめっ子を撃退したが、ボクが勇気を持って立ち向かった訳では無いのだ。強くなれそうな気がしていたが、勘違いだと思い知った。


 ボクがビビリまくって動けないでいると、物音は足音に変わり、どうやら廊下をこちらに進んで来ている様子だ。ミシッ、ギィッ、といった感じで、段々と音がハッキリ聞こえてきている。


そして、ボクの部屋の前で音が止んだ。ドア一枚隔てて何者かがそこにいる。そう考えただけで、心臓が痛いと錯覚を起こす程に激しく打ち、指一本動かせない程、恐怖に襲われる。


 ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ!!!


《ひぃっ!……、し、しんだ…。》


ドアノブを操作する突然の音に、胸の辺りからお尻にかけて、ズーンとした感覚に襲われ、額からは一気に汗が噴き出した。同時に軽い呼吸困難に見舞われ、次第に苦しくなりうずくまってしまう。そして、息を吸い込もうと必死に頑張るが、カッ、カッ、と音が吐き出されるのみで、呼吸するまでに至らない。


やがて、意識が遠くなり、ドサリという音を最後に、ボクの意識は刈り取られてしまった。



 再び目を覚ました時、部屋の灯りがついていた。身体を起こそうとしたが、ヤケに疲労感があり、頭もズキズキと疼いていた。ベッドの脇には、勉強机とセットでついていた椅子が、こちらを向いていた。そこに誰かが座り、ボクの様子を伺っていた事が安易に想像出来た。


あれから誰かがボクを助けてくれて、ベッドに運んで看病してくれたと考える方が普通だろう。妹にボクをベッドまで運ぶ力は無いはず。だとすると、両親しか思い当たらないのだが、こんなに優しくされた覚えが無い事から、信じ難い気持ちが先に立つ。


そんな詮索をしているところに、ガチャ!と短い音がして、ドアが勢いよく開いた。また心臓が飛び出すのではないか?と思える程驚いてしまったが、そこに見知らぬ顔があった事の方が、音より更に驚かせてくれる。


「あ、目覚めたな。ハラ減って死にそうだったからさ、色々拝借させてもらったぞ。で、お前…、何で倒れてたんだ?」


繋がったままのウィンナーを貪りながら、その男はボクに話しかけてきたが、ボクの恐怖の感情が溢れ出た為か、部屋の灯りでシャドウが出現した。そして、そのまま謎の男目掛けて飛び出してしまった。



自宅の中でさえヘタレな主人公だが、不法侵入者であれば仕方ない。そして目の前に現れた謎の男。主人公の恐怖の感情によりシャドウが出現し、いきなり男に飛びかかるが、攻撃開始なのか!?

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