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シャドウ 〜影と共に〜  作者: 赤茶猿マン
影と傀儡師一族
17/20

因縁の種族。

夢の中でシャドウと名乗った声。それを確かめるべく、主人公が取った行動は…?



 どうも胡散臭くて信じ難いのだが、何度尋ねてみても自分は『シャドウ』だと言い張るので、夢から抜け出して、現実の世界で話す事を提案した。意外と素直に応じてくれるところをみると、嘘をついているようには見えないが、色々聞きたい事、言いたい事もあるので、実行に移す事にする。


「ーーしゅじんさま…、ご主人様!」


 遠いところから、そう呼ぶ声がしているような気がしていたが、だんだんとその声がハッキリと聞こえてきた。何かモヤッとした影?のようなものが、ボクのすぐ目の前にあった。


「あ、ご主人様!やっと起きたのですね?オイラ待ちくたびれましたよ…。」


「うわわわわ!?なななな、なんだ!?」


ハッキリしない黒いモヤッとした影?が突然喋った事に驚き、思わずベッドから転げ落ちてしまった。


「あれ?ビックリさせたならごめんなさい…。そんなつもりは…。」


聞き覚えのある声は、申し訳なさそうな口調でそう告げる。段々とハッキリしてくる自分の記憶で、今の状況が何となく分かり始めてきた。が、何かおかしい。違和感がある。


「ま、まって。あー、夢に出てきたシャドウか?」


「ええ!?ご主人様が現実で話そうと申されたからお待ちしてたのに…もしかして…さっきの反応からして、忘れていたのですか!?」


「ち、違うよ。思い出すのに少し時間が必要だっただけさ。」


なかなか鋭いツッコミをしてくるシャドウにそう返したのだが、ヤレヤレといった感じのポーズを取っている。少しイラっとするがここは我慢だ。


「さっきから変に思うところがあるんだけど…。シャドウは影だよね?」


「はい、それが何か?」


「光が無いこの部屋で、何故実体化出来るの?というか…本物なのか?」


そう、何かがおかしいと思い、あれこれ考えた末に、シャドウの出現時の事を思い出したのだ。光無き所に影は出来ないからね。


「あらら、ご主人様?それは人の目から見える影の事ですね。オイラは元々黒いから、こんな暗闇だと見えにくいだけなのです。暗闇でもちゃんと影は存在していますから。人の目に見えていないだけです。」


「そ、そうなんだ。あ〜、ということは、暗闇でもシャドウを呼び出せるって事?」


「はい、呼び出すと言いますか、元々ご主人様の足元にいますから、ずっと存在してます。あ、でも、オイラが何かに触れたりする事は出来ません。光が無いところでは、物理的な事が行えないのです。」


ボクの質問にそう答えながら、机の上の物を触ろうと実演してくれるシャドウ。確かにシャドウの言うように、伸ばされた影が机の上の小物はおろか、机さえもすり抜けてしまっていた。


「なるほどね。じゃ次…、暴走したのは何故?」


「それは暴走ではありませんが、ご主人様達は暴走と呼んでましたね。確かに過剰に反応したと反省はしてますが、ご主人様の思考を感じ取っただけなのです。ですが…、焦りすぎていたオイラにも責任はあるから、そこは反省しております。」


意外と素直に謝罪してくれるシャドウだが、何を焦っていたのか気になるところだ。


「あ、ですよね…。焦っていたというのは、いざという時に、ご主人様をお守り出来なかった事を考えての事です。つまり、力の解放ですね。夢の中でも申しましたように、ご主人様の妹君が鍵になってるのです。突き止めるのに時間がかかり過ぎ、焦ってしまったのです。オイラと鍵は、いつの時代、世界でも、常に近くに存在しているモノなので、今回も近くにある事は分かっていたのです。ただ、相手に触れないといけませんので、少々時間がかかったという事です。」


「な、なるほど。あー、だからあの時みぃちゃんを襲うような事を?」


「いえ、それはご主人様の思考で動いただけです。」


《ええ!?…って、どれ?いつの事だっけ?》


とんだ最低男だと自分を責めていると、横でシャドウがまたしてもヤレヤレととれる仕草を見せていた。そりゃボクは最低野郎だけど、実行犯はシャドウなのだから、こいつも同罪だと思うのだが。


「ま、まぁそれは今、置いておく事にして…、美雪を助けに行こうにも、今のシャドウでは無理があるって事だよね?その…、力の解放とやらは、どうやるの?」


「そんなに難しい事ではありません。鍵となるモノは、妹君の体内に流れる『気』ですから、それをご主人様が取り込めばいいのです。」


「へ、へぇ〜…、どうやって?」


「妹君の口から吸い上げるだけですが?」


「おい!どこが簡単なんだよ!めっちゃハードル高いじゃないか!そんな変態兄貴の烙印を押されてしまうような事出来ないよ!」


「はい、冗談です…。」


「な、なんだコノヤロウ…、人がおとなしく聞いてりゃ…」


「あぅ…、ご、ごめんなさい…」



 その後も、緊張感が全く感じられないシャドウのお気楽な冗談に付き合いつつも、何とか『鍵』なるモノの事を聞き出せたのだが、妹にどう説明して『鍵』を出してもらうかが問題だ。


シャドウの話によると、小物である事は間違いないらしいのだが、それが何なのかは見当がついていないらしい。よって、漠然と「『鍵』を出して」と妹に訴えても通じないだろう。


ここは同じ女同士の、美影先生に協力をお願いしようと提案したところ、シャドウから必死に止め立てされた。理由を聞いてみると、にわか信じ難い言葉がボクの耳に飛び込んできた。


「あの設楽美影とかいう女は、もしかしたら敵かもしれないという可能性があるのです。オイラの前のご主人様も、あの女に倒されてしまったのですから。それだけではありません。あの女は、以前からオイラの存在を()す為に尽力していたのですから。ご主人様も、あの女を簡単に信じてはいけません。」


「ちょっと待ってくれ、美影先生はそんな人じゃないよ。これまでにもボクの事を助けてくれてるんだよ?シャドウだって知ってるだろ?」


「そ、それは…。ですが、以前のご主人様も、あの女の一族の者を信じてしまったが故に…。あの女もきっと…。オイラはあの女を二十万年前から知ってるんです。間違いありません。今は手元に無いようですが、あの女の持つ傀儡の放つ気配には覚えがありました。思い出すのにそう長い時間をかける必要も無い程に、オイラはあの女の事を覚えています。間違う筈がありません。」


そう話してくれるシャドウの言葉には、憎悪が混じっているようにも感じられた。前のご主人様とやらを殺されたのだから、当然といば当然なのだろうが、ボクにはどうしても美影先生が騙しているようには思えない。いや、そんな事よりも。


「シャドウ、その二十万年前って…、それは美影先生のご先祖様で、先生本人ではないだろ?前のご主人様ってのを殺したのも、美影先生じゃないと思うんだけど?」


「これは失礼しましたご主人様。まだご存知無いという事を忘れていました。あの女の一族は、この星の生物ではありません。勿論、オイラもですが。奴らがいつからこの星にいるのかはオイラにも分かりませんが、オイラがこの地に来たのは、これより一億年前の事です。あの女を見たのは、先程も申しましたが、二十万年前になります。そうですね、あまり容姿は変わっていませんね。当時のままと言っても過言では無いでしょう。」


美影先生の二十万年前の事も疑問だらけだが、シャドウが『一億年前にこの地に来た』というのも驚いた。その頃の地球っていったいどんな感じだったのだろうか?そう思い、歴史で習った事をアレコレ思い出そうとしてみるが、いかんせんまじめに授業を聞いていなかったので、思考を凝らすにしても知識が乏しいので、想像すら出来ない。


「ヤレヤレですね…ご主人様。もう少し勉学も精進なさいませ。といっても、ご主人様の通われる学校はおろか、この星の学者達も、当時の詳しい様子までは分かっていないみたいですがね。こればっかりは、実際に見ないと分からない事かもしれません。まぁオイラも環境とやらには興味がなかったので、この星の生態についての詳しい事については皆無ですが。」


シャドウがまたもボクをバカにしているかのような仕草で、今度は『ヤレヤレ』とわざわざ言葉にしてイラっとさせてくれる。いちいちそんな事で怒っても仕方が無いし大人げ無いので(子供だけど)そのままシャドウが続ける話しに耳を傾ける。


「まぁ、この星で言われる『白亜紀』という時期にこの星に来た。という事ですね。当時はトカゲのばかデカイ種族が地上にのさばっていました。あ〜、ご主人様も知っている『恐竜』ってやつです。実に退屈な日々を過ごしましたが、オイラを害する存在がいない日々は、平和で心地良いと感じたものです。が…、奴らがオイラの住んでいた森を焼き払ったあの日から、オイラは奴らとの戦いに明け暮れる日々を過ごしてきました。」

まさかシャドウが話すという事が!?と内心そう思っているであろう主人公。それだけでも頭がパンク寸前なのに、更なる驚きの言葉を繰り出すシャドウ。果たして、これ以上主人公の頭が耐え切れるだろうか?

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