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Beyond of Cosmos =星巡りの物語=リゲル・ラナ編  作者: 詩紡まりん
『光と影の闘い』=聖なる白と闇の黒= リゲル歴4046年

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99/101

「オセロ作戦」第四局 = ジャーアス族村=


 強固な防壁に囲まれたジャーアス部族の部落を前に、アランとトゥルリーは、たった二人でそこへ飛び込もうとしていた。

 一見強固に見える防壁だったが、木と漆喰を組合わせた素材のため、大きな力が加われば突破されてしまうため、その周りには深い堀が彫られていた。

 その下には、樹液で生物の神経を麻痺させるという魔草が植え込まれていた。

 その魔草はツタのように縦横上下に伸びる性質があるので、普通の人間がこの堀に落ちて這い上がろうとすれば、この魔草を握ってしまうことになり、たちまち痺れて落ちることになる。


「たのもう!」

 と、トゥルリーが門に向かって叫ぶと、塀に沿って内側にいくつも建てられたやぐらから、一斉に矢が飛んで来た。


「やれやれ」と、言いながらトゥルリーは片手の掌を櫓の方へ向けた。

 すると、疾風のような風が巻き起こり、各櫓に居た者たちを押し倒し、持っていた矢を全て吹き飛ばした。

 そのまま門の前で待っていると、中からガヤガヤという声がして来て、それの声が近づいて来たと思うと、重々しい正面の門が開き、中から一斉に刀や斧、カマ、槍を持った兵士が、ふたりに襲い掛かって来た。


 アランとトゥルリーは顔を見合わせて頷くと、自らの聖剣で、彼らの武器を叩き折りながら前進した。

 今回は相手を気絶させることせず、あての武器を破壊した。

 それでも怯まず立ち向かって来る者は、聖剣の光の風で吹きとばしながら砦の中へ攻め込んだ。

 ふたりで、数百人以上の者の武器を破壊し、素手で歯向かう者達を何人地面に這いつくばらせただろうか?

 そうして、いつの間にかふたりは、部落のかなり奥まで進んでいた。

 部落の中央辺りまで来ると

「ここら辺りで良いんじゃないか?」

 と、言いながらふたりは立ち止まった。

 辺りを見回すふたりを手に手に武器を持った村人がふたりぐるりと囲んでいた。。


 その人垣の中から、一際体格の良い大男が彼らの前に進み出て言った。

「だれだ?お前らは!ケケドラにでも雇われたか?」


 どうやら、この男がジャーアス部族のリーダのようだった。

 普通の者なら、その勢いに圧倒されて後ずさりしてしまいそうな威圧感だったが、ふたりは怯むことはなかった。


「いや、違う。我々は、和平を求めて訪問しに来たのだが、いきなり襲われたので仕方なく立ち合った。村人を傷つけるつもりはない」

 と、アランが言った。


「和平だと?ケケドラの言うことなんぞ信じられるか!」

 と、大男は吐き捨てるように言った。


「我々は、ケケドラの者では無い。スチュアートリア帝国から来た」

「パドラルを統一して平和で豊かな国にするため、ジャーアスの部族長と話し合いがしたい」

 トゥルリーとアランは自分の剣を鞘に納めながら、交互に言った。


「はぁ?スチュアートリア帝国だと?ついにパドラルまで支配下に置こうというのか?」

 と、男は怒り狂ったように言いながら、大きな長刀のような刃物を振り回して言った。


 アランとトゥルリーはひらりとそれを交わして言った。

「支配などする気は無い。今、パドラルは邪悪なBlack Mageに狙われている」

「その者をこの国から追い出し、パドラルをひとつの統一国家として平和で豊かな国にしたいのだ」

「その上で、友好条約を結びたい。それだけだ!」


 その言葉に村人の何人かは、

「おお~!」と、反応したが大男はまるで聞く耳はなかった。


「武力こそ、力こそが全てだ!俺たちは、強い者にしか従わない」

 と、言うと、彼の太鼓持ちのような男たちが口裏を合わせたかのように

「そうだ!力こそすべてだ!」

「強い者が支配するのが当然だ!」

 と、口々に叫んだ。


 アランは、その様子を見て仕方なく言った。

「では、俺と勝負するか?お前が族長だろ?」


「そうだ、俺が族長のゾマだ。俺と勝負して勝ったら話を聞いてやろう」

 と、言い終わらないうちにゾマは、アランに襲い掛かって来た。


 アランは、再び腰の聖剣を抜いて、ゾマの大きな剣をかわして後ろに飛びのくと、その場で宙に飛んでゾマに切りかかった。

 ゾマは、寸でのところでアランの剣を自分の剣で受けると、その勢いで後ろに激しく押された。

 よろめいたゾマは、その後ろにあった建物に勢いよく当たり、建物の壁が崩れた。


 ゾマは片膝を地面に着いて、剣を杖に立ち上がりながら

「くそっ」と言って、アランに再び切りかかった。


 アランの後方には野次馬の群衆が居る。

 自分が避けると、勢いが余ったゾマが後ろの野次馬の中に突っ込み被害が及ぶとかもしれない。

 そう判断したアランは素早く聖剣を鞘に納め、ゾマが振り下ろした剣を両手で受けて止めた。

 そして、受け止めた剣を横に思い切り大きく(よじ)ったので、ゾマは剣ごと体が捻じれて地面に倒れ込んだ。

 巨体が地面に勢いよく倒れたものだから、地響きがして砦全体が揺れた。

 ゾマは、自分が倒れた場所に弓矢が一本落ちているのに気付き、立ち上がりながらその弓矢をアランに向けて投げつけた。

 アランは己の聖剣で、すかさずその矢を打ち除けた。

 すると、その矢が地面に埋もれていた石に当たって矢尻が折れた。

 、その弾みで近くに居た野次馬のひとりの男の足に矢尻が刺さり、悲鳴が響き渡った。


「ぎゃぁ~っっっ!!!」

 矢尻が太ももに刺さった男は、足を抱えてのたうち回った。


「まずいぞ、あれは毒矢だ!」

 周囲の者が慌てて叫んだ。


 群衆の騒めきを聞いたトゥルリーが、矢尻の刺さった男の元へ駆けつけた。

「待っていろ!今、抜いてやる」

 と、言いその矢尻を布で掴んで、引き抜いた。


「うわ~っっっっ、痛てぇぇぇ」

 矢尻が抜けた患部から血が噴き出し、男はさらなる悲鳴を上げた。

 トゥルリーは、続けて患部に手を当て、ヒーリングの魔法で出血を抑えて言った。

「毒も抜くから、もう少し辛抱しろ」

 と、続けて毒を抜いた。


「おお~!」

 その様子を見ていた者たちから歓声が上がった。

 矢尻が刺さっていた男は、傷口も綺麗にふさがり、痛みも無くなったキョトンとしてその場にへたり込んでいた。


 その様子を見てホッとしているアランの後ろから、黒い大きな影が襲い掛かって来た。

 アランは、後ろを振り返らず剣を後ろ手にし、その大きな影に突き刺した。


「ぅわぁ!ぐふっ!」

 ゾマは、再び地響きを立てて地面に倒れた。


 アランの剣が刺さった幹部からは赤い血がドクドクと流れていた。

 アランは、倒れたゾマの方を振り返って言った。

「勝ったぞ、族長。俺の話を聞いてくれるか?」


「うぬぬっっ」

 族長のゾマは、苦しそうにうめき声を上げた。


 アランは、腰を落として、ゾマの顔を覗き込んで言った。

「えっ?なんだって?それじゃ、約束が違うぞ?ちゃんと俺の話を聞いてくれなくちゃ」


 ゾマは、血が流れ出る傷口を抑え、息も絶え絶えになりながら言った。

「おまえ…の…勝ち…だ…」


 ゾマのその言葉を聞いたアランは、

「このままじゃ、話し合いにならないな。今、血を止めてやるから、ちゃんと話を聞いてくれよ?」

 と、言いながら、自分の掌をゾマの傷口に向けて、右手をかざした。


 アランの右掌から赤いオーブの光が現れてゾマの傷を覆うと、今までドクドクと流れていた血が完全に止まった。

「どうだ?止血はしたぞ?話を聞いてくれたら、傷口も塞いでやる」


「わかった」

 ゾマ族長は、横に倒れたまま答えた。


 アランは、ゾマを抱き起して壁に寄りかからせると言った。

「今、このパドラルを自分たちの国にしようとアモー・ロンド大陸から来たBlack Mage達が、黒魔術で人々を洗脳している。少し前には、我が帝国でも同じことが起こっており、我々で奴らの一味を一掃した。だが、隣国のパドラルがBlack Mage手に落ちれば帝国の脅威にもなる。だから、パドラルの部族が一致団した一つの国家として、強く豊かで平和な国になって欲しいのだ。我々はその手助けに来た。信じて貰えるか?」

 と、アランは、肩で呼吸しているゾマに向かって言った。


 ゾマ族長は、まだ痛む腹を抱えて言った。

「俺は、力が全てだと教わって育って来たし、力でこの部族を率いて来た。お前は確かに強い。お前に従うことは(やぶさか)ではない。だが、パドラル統一ということはケケドラとも仲良くしろということだろ?それだけは絶対に出来ない」


 このジャーアスとケケドラは長年争って来たと聞いている。

 その争いの積み重ねは、なかなか消えることの無い深い怨恨になっているに違いなかった。


「メメチャンバをお前はどう思っている?」

 と、アランの横に来ていたトゥルリーが言った。


「メメチャンバ?それがどうし…た…」

 と、ゾマは言いながら二人の姿を見て驚いていた。


 すると、村人たちからもどよめきが起こった。

「メメチャンバだ!メメチャンバ様だ!」

 人々は口々にメメチャンバの名を呼んで、アランとトゥルリーを拝んだ。


「恐らく、それは予知の出来る魔術師の予言だろうと思う」

 と、トゥルリーが言うとアランも

「俺たちは、その予言を実現したいのだ。協力してくれないか?」

 と、言った。


 ゾマ族長は、自分の目を疑うように目をこすり、そして小さく頷いた。


「ケケドラと仲良くは出来ないが、メメチャンバには協力するしかない」

 と、ゾマが言ったので、アランは約束通り彼の傷口を塞いで言った。

「すまないな。君を傷つけるつもりしなかったんだが…不意打ちは卑怯だぞ?」

 と、アランが笑いながら言うと、ゾマも済まなそうに頭を下げた。


「止血をして傷口は塞いだが、中の筋肉の損傷は自然治癒に任せるので、しばらくは動くと痛むと思う。痛みが治まるまでは安静にしておくように」

 と、言ってアランは立ち上がり、空を見上げた。


 すると、空高くアランの頭上に、鷹の姿のルークと二匹の竜が飛んでいた。

 アランが空に向かって手を挙げると、三匹が旋回しながら降下して来た。


 村人たちは、見たことも無い竜の飛来に驚いて、砦の隅に逃げ出したので、そこには、族長のゾマとアランとトゥルリーの三人だけが残っていた。

 先に舞い降りたルークがアランの肩に止まると、二匹の竜はアランとトゥルリーの前の地面に降り立ち、ふたりが乗りやすいように腰を下ろした。


「本当にお前たちは、メメチャンバなんだな」

 と、ゾマが言うと

「どうも、そういうことらしい」と、トゥルリーが言った。


 アランは、竜の背に乗りながら

「また来るので、その時までに傷を治せよ」

 と、アランが言った。

 ゾマ族長と、遠巻き見ていたジャーアス部族の人々に見送られ、ふたりは竜の背に乗って飛び去っていた。


 これで、ジャーアス白丸に転じた。

 次は、ケケドラだ。

 この二部族を抑えればパドラル北西部の部族は全部白となる。

「オセロ作戦」最終局序盤は順調であった。


 竜の背に乗り、ジャーアスの部族長ゾマとの闘いを振り返ってトゥルリーがテレパシーでアランに尋ねた。

「アラン、ゾマ族長に手加減しなかったろ?いくら後ろから襲われたとはいえ、お前ならもっと手加減できたはずだろ?」


「ああ、ゾマ族長はあの辺り病を抱えていたみたいなんで、悪い細胞を破壊し、悪い地を排出して、治療してやろうと思ってね」

 と、アランはなんてことは無さそうに言った。


「あの瞬間にそんな事がわかったのか?」

 と、さすがのトゥルリーも驚いて言った。


「いや、聖剣を刺した時に伝わって来たから幹部まで差し込んでみたんだ。元々、彼は、あの辺りに痛みを感じていたはず。完治できるかどうかは本人の治癒力次第だけどな。俺は、ちょっと手助けしただけだ」


 トゥルリーは幼い頃から知っている相手なのに、まだまだ底知れぬ力を秘めているアランの力に改めて感心していた。

「そうなのか、だとしたら彼自身焦りもあったのかもしれないな」


「ああ、自分に何かあったとしても、部族を守らねばと焦っていたのかもしれないな」


 アランは、あそこで全て完治させていては、彼の以前からの病まで完治させたことに気づかれてしまうと思い、敢えて痛みは残るようにした。

 ゾマ族長はいわゆる癌を患っていたのである。

 アランは、Holy Mageとして本人の治癒能力を超えるような手助けはしなかった。


 こうして、アランとトゥルリーがジャーアスを攻略している間に、キースとオスカーは、エイディオス卿に会いにシストーラへ向った。


 キースは、先輩でもあるオスカーと共に初任務に当たれることが嬉しかった。

 オスカーは、帝国神聖魔術士養成大学の教授であるブルーフォレスト先生の孫であり、優秀な成績で卒業したHoly Mage騎士である。

 しかも、この若さで帝国軍の近衛騎士団の団長でるのだから尊敬しかない。


「オスカー団長。足手まといにならぬよう頑張りますので、よろしくお願いします」

 キースは、オスカーから学べることは学びたいと思っていた。


 そんな真面目なキースをオスカーも快く思っていた。

 オスカーは、祖父や妹からも、キースが面倒見の良い頼れる大学の寮長であることも聞いていた。

 また、アランからも騎士になってからも騎竜パイロット訓練指導者として大学に残り、ゆくゆくは空軍所属騎士になることを期待されていることも聞いていたので、オスカーもこの後輩に期待していた。


「ああ、俺も君には期待している。良い騎士になれるようにて頑張ってくれ。俺に出来ることがあれば協力するから」

 と、言うオスカーの言葉がキースには嬉しかった。


 ふたりが、竜に乗って向かった先は、シストーラのエイディオス卿の家だった。

 事前に、彼らが行くことを聞いていたエイディオス卿は、空を見上げて家の前で待っていた。


 オスカーが使徒のクレイブに乗り、エイディオス卿の家の前に降り立つと、キースの(ゴールド)(スケール)(ドラゴン)もクレイブに続いて地上に舞い降りた。

 エイディオス卿は、自分と変わらぬ年齢のふたりが竜を乗りこなしていることに少し驚きながらふたりを出迎えた。


「出迎え感謝するエイディオス卿。私はスチュアートリア帝国軍近衛騎士団長オスカー・エンドリケ・ブルーフォレストです。今回は急遽、ヴァイオレット・フィールド参謀長に招集されてここに参りました。『オセロ作戦』成功の為に頑張りましょう」

 と、オスカーがエイディオス卿に手を差し出した。

 エイディオス卿は、オスカーの名前を聞いて驚いていた。

 なぜなら、アランからは、

「騎士をふたり行かせるので、一緒にゴザガントへ戻って部族長ミードス

 を救出するように。私は、ジャーアスとケケドラと和平を取り付け次第駆けつける」

 とだけ言われていたので、助っ人として帝国内のWhite Mage騎士が来る者と思っていたからだ。

 それなのに、ブルーフォレスト辺境伯家と言えば、Holy Mageの名門だ。

 とうぜんオスカー卿もHoly Mageに違いない。

 しかも、この若さで帝国軍近衛騎士団長というのだからその優秀さがわかる。

 近衛騎士団は、皇帝の主宮殿であるロス・トロア宮殿を守る帝国軍の中でも若きエリート集団であり、基本的には貴族の子息子女から選ばれる騎士団である。

 騎士団長は、第一小隊から第二十小隊まで有り、その全てを率いるのが近衛騎士団長なのだ。

 エイディオス卿は、少しだけ緊張気味にオスカーの手を握って言った。

「ブルーフォレスト卿、よろしくお願いします」


 続いてキースも自己紹介をした。

「キース・ウェスリー・インディゴ・ラングレーです。帝国神聖魔術士養成大学を卒業し、つい先ほどレッドリオン閣下に騎士として任命して頂きました。足手まといにならぬよう頑張りますので、よろしくご指導ください」

 と、キースは片膝を地面に着いて騎士の敬礼をした。


 エイディオス卿は、これまたビックネームだなと思っていた。

 インディゴ・ラングレー子爵と「インディゴ村事件」で活躍した優秀なWhite Mageとして、White Mage騎士の間では尊敬されている。

 ここへ派遣されるということは、レッドリオン閣下にも期待されているWhite Mage騎士のだろうなと思っていた。

 キースがHoly Mageだとは思っていなかった。

 なので、White Mage騎士の先輩として接すれば良いかと思って、少しホッとしていた。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 と、言って膝づくキースに手を差し伸べた。

 そて、キースがその手をとって握ると、エイディオス卿はキースの手を握って彼を立ち上がらせて

「インディゴ・ラングレー子爵は、我々White Mageの憧れの騎士です。我々も頑張りましょう」

 と、言った。

 キースは、父の功績を褒められて嬉しそうに言った。

「父を褒めて頂きありがとうございます。私も父に負けぬように一日も早く一人前のHoly Mage騎士になれるよう頑張ります」


 エイディオス卿はキースもWhite Mageだと思い込んでいたので、Holy Mageと知って心の中で驚いていた。

 そして、レッドリオン閣下が遣わすだけの人材だと思い、心強く思った。

 彼らとなら、きっとこの作戦も成功するに違いない。


「では、ゴザカントへ参りましょう。私は馬で向かえばよいですね」

 と、エイディオス卿が言うと

「私の竜に一緒に乗って参りましょう。この子は、私の使徒のクレイブです。何かあれば私同様に思って下さい」

 と、オスカーが言った。


「私の使徒はこの子です」

 と、キースが言うとどこからか飛んで来た白い鳩がキースの肩に止まって言った。

「キース様の使徒のルーシーです」

 と、言って女の子の姿に化身してお辞儀をした。


「連絡はルーシーに頼むこともあるので知っておいて下さい」

 と、キースが言うと、ルーシーは鳩の姿に戻ってキースの肩に止まった。


 エイディオス卿も

「私の連絡係は、使い魔はプラッタのスープラです」

 と、それぞれ自分たちの連絡係を紹介し、お互いのコミュニケーション手段の確認をした。

 パドラル国内で、情報伝達の早さこそが勝負の勝敗を左右する。


「では、エイディオス卿、私の後ろに乗って下さい」

 オスカーに言われるままエイディオス卿は、クレイブの背に乗った。


 White Mage騎士のエイディオス卿といえども、竜の背に乗るのは初めてである。

 緊張の面持ちでオスカーにしがみつき、空に舞い上がった。

 そんな緊張気味のエイディオス卿を乗せ、オスカーとキースはゴザガントに向かった。

 まずは、パドリアヌスの黒魔術で洗脳されたゴザガントの部族長ミードスの解呪をせねばならない。

 黒を白に変える「オセロ作戦」の重要任務である。

 若き騎士三人は、その重要任務に向かいパドラルの空を飛んでいた。


 リゲル歴4046年一月二週目緑星。

 間もなく、スチュアートリア帝国の新年祭も終わる頃だった。


 【解 説】


 リゲル・ラナ星は地球よりも大きく一年は、450日で、15ヶ月の月に分かれている。

 一週間は、地球と同じく7日間で、曜日はなく、黄星・青星・赤星・緑星・紫星・銅星・銀星・金星と星の色で呼ばれており、官僚や騎士等の軍事関係者以外は、銀、金の星の日は休日となっていた。


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