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Beyond of Cosmos =星巡りの物語=リゲル・ラナ編  作者: 詩紡まりん
『光と影の闘い』=聖なる白と闇の黒= リゲル歴4046年

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「オセロ作戦」第四局 = ケケドラ族村 =

 アランとトゥルリーは、パドラル北西部で最も手強いと予想された二部族のうちのひとつジャーアスを攻略し、残るひとつであるケケドラへ向っていた。


 今までの経験から、メメチャンバを全面的に生かして交渉することが一番早いと感じていたので、今回は、いきなり(ドラゴン)に乗って、ケケドラ部族村の真ん中に突入することにした。

 先にルークを偵察に行かせ、ケケドラの部族長が居る部落を確認しておいた。

 ケケドラは東にケアニスクス山脈がそびえており、南のアニゾンスとの間には深い森と谷があった。

 北に領土を接するヒボスは平和的な部族なので、警戒すべきは西隣りのジャーアスのみという地理的環境にあった。


 敵はジャーアスのみということで、ジャーアスとの領土境に柵を立て、ケケドラの要所要所に砦のような部落が作られていた。

 砦の周りには深い堀が彫られており、ジャーアスと同じく魔草が植えられていた。


「どこもやる事は同じだな」

 上からその様子を見ながらトゥルリーが言った。


「ジャーアスと同じく戦闘的な部族らしいから、用心しながらまずは偵察と行くか!」

 アランは、領土沿いに建てられた柵沿いに、ケケドラ村の上を飛んで見ることにした。

 砦のような村には、それぞれ物見櫓が立っており、監視をする者の姿が見えた。

 その砦の役割をしている部落から離れ、ケケドラ村の中央に向って飛んでみると、田畑が見えそこで働く村人の姿があった。

 だが、その田畑はあまり実っているようには見えなかった。


「あまり豊かな土地では無いのかな」

 と、トゥルリーが言うとアランも

「家畜の姿が見えないな」

 と、言った。

 彼らHoly Mageは、視力を強化することが出来るので、鷹のルーク並に地上の様子を観察することができた。

 ルークに先導され、族長が住む部落の上空へ行くと、村の男たちが戦闘訓練をしている様子が見えた。

 アラン達は、部落のはるか上空を竜で旋回しながら言った。


「こりゃまた、歓迎準備が整っているなぁ」

 アランとトゥルリーは、覚悟を決めるように顔を見合わせた。


 そして、

「トゥルリー行くぞ!」

「おう!」

 と、言って地上に向かって降下した。


 二匹の竜の接近に気づいた村人達が、一斉に空に向かった矢を放って来た。


「いっちょ、今回はメメチャンバ伝説をフルに活用するか?」

 と、言ってアランは、自分の竜の口から火を吐かせ、飛んで来た矢を燃やした。


「ちょっとやり過ぎじゃないか?」

 と、トゥルリーは言った。

 そして、自分たちが放った矢が燃えて落ちて来るのを見て、慌てて逃げ回っている村人を見ながら、水の魔法を使ってその火を消した。

 アランは「すまん、やりすぎた」と、言うようにトゥルリーに向かって片手を手を挙げた。


 村人は、その灰が降る空を見上げて口々に言った。

「あれはメメチャンバじゃないか?」

「メメチャンバだ!」


 外での騒ぎを聞きつけたケケドラの部落長と、その家族たちが家の外に出て来て空を見上げた。

「なんの騒ぎだ?」

 ケケドラの部族長ダッカが村人に向かって言うと、

「族長様、メメチャンバ様が来ました!」

 と、村人が口々に答えた。


「メメチャンバだと?」

 自分たちの頭上で旋回する二匹の竜を見上げ、ダッカ部族長が言った。


「みんなで矢を放ったのですが、竜の吐く火に燃やされて、ことごとく落とされました」

 人々は、地面に落ちた灰となった矢を指差して言った。


「メメチャンバ伝説の通り、火を吹く竜に乗ってお見えになったのね」

 ダッカ族長の妻が言った。


「メメチャンバ伝説を信じているのか?」

「もちろんよ、ケチャの伝説じゃない」

 ダッカは、今ひとつ信じ切れない様子だった。


 部落の真上で旋回していたアランとトゥルリーは、これ以上攻撃して来る気配が無いと判断し、部落の真ん中の広場に降り立った。

 村人たちは「わ~っ」と、竜が降りる場所を作るように広がったが、みな興味津々だった。

 ケケドラは、ジャーアスよりもケチャ教が信仰されていた。

 ケアニスクス山脈と深い森と谷に囲まれた土地のせいか、自然の驚異と恵みに対しての畏怖(いふ)の念が強い部族だった。


 信仰深い部族の老人たちが、竜から降り立ったアランとトゥルリーを見て手を合わせて拝みだした。


 子供たちが大人に「メメチャンバってなに?」と尋ねると

「ケチャの神様のお使いだよ。パドラルの救世主」と答えた。


 老人たちは、例の一説をつぶやいた。

「火吹くドラゴンに乗り飛来しメメチャンバ。パドラルに救う悪しき者を退き、国をひとつ成す。ひとりは、光る琥珀色の髪に深い海の色の瞳。他方は、亜麻色の髪に翡翠の瞳。彼らの力は、人を癒し、人をまとめ、人に幸をもたらす

 いずれの者、彼らを疑うことなかれ。さすれば、豊かさと安寧がこの国に満ちるであろう…・」


 ダッカ族長も、ふたりの容姿を見てメメチャンバ伝説と寸分の狂いも無いことに疑う余地が無かった。

 ケケドラの族長である男は、まだ若い男だった。


「あなたが、族長ですね?」

 アランは、鍛えられた浅黒い肌に刻み込まれたタトゥーが部族の長の証だと、すぐに見抜いて言った。


 ダッカは、自分が族長だと見抜いたアランに驚きながら言った。

「そうだ。あなたはメメチャンバなのですか?」


 ダッカのその質問にアランは少し照れながら言った。

「どうやら、そうらしい。他の部族でもそう言われるから、そうなのだろう」


 ダッカは、その中途半端なアランの答えに満足できずに言った。

「他の部族に言われる?」


「私は、このパドラルをひとつにし、平和で豊かにするためにスチュアートリア帝国から来た。自分がメメチャンバだとは思っていないが、私がやろうとしている事はメメチャンバと同じだ」

 と、アランが答えた。


「今、パドラルに他の大陸からパドラルを征服しにBlack Mageが来ており、黒魔術で人々を洗脳しようとしているのだ。少し前に我々の帝国も同じように洗脳されかけた人々もいたが奴らから救出したのだ」

 と、トゥルリーも言った。


 アランとトゥルリーは、ふたりで丁寧に自分たちがこの村を訪れた目的と、自分たちに協力すると約束してくれた部族の話をした。


「ジャーアスのゾマもだと?それは嘘だろ?」

 と、ダッカはそれだけは信じられないというように言った。


「ゾマ族長を説得するのはちょっとだ手こずったかな。強い者の言葉しか聞かないというので、仕方なく戦って怪我をさせてしまったけれど、協力してくれると言って貰った」


「ゾマと闘ったと?怪我をさせた?あのゾマに勝ったのか?」

 ダッカは驚いて言った。


「ああ、怪我は治療してやったけれどね。ケケドラと仲良くは出来ないとは言っていたが、協力するとは言ってくれたよ。それにしても、ジャーアスとの(いさか)いの原因は何なのだ?」

 アランは、ジャーアスとケケドラの争いの原因を知り、できればそれを取り除きたいと思って尋ねた。


「ジャーアスとは長年闘っているから、原因がなんだったかなんて覚えちゃいないが、いつも闘いになるのは水場争いが多いかもしれないな。それと、奴らの犬が家畜を襲うことだ」


「家畜を襲う犬がいるのか?それは、ジャーアスの者が飼っている犬なのか?」

 ダッカの説明を聞いてアランとトゥルリーは疑問に思っていた。


 そういえば、ジャーアスにも家畜の姿をあまり見なかったような気がする。

 ジャーアスは海に面しているので、海の幸も獲れるだろうが、山に囲まれているケケドラは山の幸に頼らざるを得ない。

 だが常夏に近いこの地の森の山の幸の収穫には、限りがあるのだろう。

 そんな村で家畜は、大切な食糧資源のはずだ。

 その家畜を荒らされては怒るのも無理はない。

 もし、その犬がふたつの部族が争う要因のひとつになっているのなら、なんとかせねばならない。


「その犬が現れるのは、南部の森の方からでは無いのか?」

 アランとトゥルリーは、シオン達参謀室が作成したパドラルの地図が頭に入っていたので、その獣が潜みそうな場所の検討をつけて尋ねた。


「そうです。南部にある森はジャーアス地域にも広がっているので、そちらに潜んでいるようです」

 と、ダッカが答えた。


「家畜が襲われるということは、村にとっての大きな損失だし死活問題だ。それが、ジャーアスとの揉める原因とのひとつになってるなら排除せねばならんな」

 アランとトゥルリーはお互いにその問題の解決の必要性を頭の中(テレパシー)で確認した。


「恐らく、それは単なるや犬ではなく、魔力を強化された魔獣だろうと思う。俺たちが退治するので、パドラル統一に協力してくれないか?」

 と、ダッカ族長にアランが提案した。


 ダッカは、家畜を襲うのを退治してくれるというメメチャンバの提案を快く受け入れた。

 ダッカの妻や、その母親はアランとトゥルリー手を合わせて感謝した。


「少し中で休んで下さい」

 老いた部族長の母が、ふたりを家に招き入れた。


 アランとトゥルリーは、すぐにでも魔物の居る森へ行こうと思い断ろうとしたところに、部族長の家の中から、誰の咳込み音が聞こえて来た。


「どなたか病んだ方がおられるのですか?」

 と、トゥルリーが尋ねると老女が

「はい、私の主人、前ケケドラ部族長が長らく床に臥せっております」

 と、答えた。

 なるほど、部族長が病で退いたので、まだ若いダッカに族長の座を譲ったのだなと、ふたりは思った。


「少しだけ、お邪魔して前族長にもご挨拶させて頂こうか」

 アランは、そう言ってケケドラ前部族長の妻の後に着いて家の中に入って行った。


 そこには、だいぶやつれた男が苦しそうに咳き込みながらベッドに横たわっていた。

 アランは、空気の入れ替えをするように家人に伝えると、前部族長のベッドの横で床に両膝をついて病人の様子を伺った。


 胸のあたりに手を当てると

「肺が炎症をおこしている」

 と、後ろから着いて来たトゥルリーに言った。

「肺炎か」

「だいぶ長らく患ってるようだな。体力をかなり消耗しておられる」


「食事はとれてますか?」

 アランは、後ろを振り返って、病人の妻に尋ねた。


「いえ、ここ数日は、ほぼ水しか…、口に入れても吐き出してしまいます」

 妻の言葉にアランは「それはまずいな」

 と、つぶやいて人の胸に手を置いた。

 すると、アランの掌から赤いオーブの光が現れ病人の上半身を包みこんだ。

 その様子を後ろで、それを見ていた族長の家族が、あまりの光の強さに目が開けられないと思った瞬間、その光が病人の胸に吸い込まれるようにして消えた。

 そして、数秒後に病人の口から赤い光に包まれた黒い霧が現れ、赤い光に引き出されるようにして窓の外に消えて行った。


「これで食事が喉を通るようになります。おもゆからで良いので食べさせてあげて下さい。後の回復は本人の体力次第です。こまめに室内の喚起をして、徐々に栄養のあるものを食べさせてあげて下さい」


 アランのヒーリングの魔法に驚いてフリーズしていた者たちは、アランの言葉に我に返って歓喜の声をあげた。

「メメチャンバ様ありがとうござます!!」


 アランとトゥルリーは、

「やっぱり、メメチャンバなんだなぁ」

「俺たち自分の名前を名乗る必要ないのか?」

 と、テレパシーで話ながら顔を見合わせてていた。


「では、早速、魔の獣を退治に行きたいと思います。その前にダッカ族長。我々とスチュアートリア帝国に協力すると約束してくれますか?」


 アランの一連の技に呆気にとられ、一言も発せずにいたダッカだったがアラン問われ我に返った。

「ありがとうござます!!長らく患っていた父の顔色がこんなに良くなって、咳き込まなくなるなんて…驚きです。有難うございました。もちろん、ケケドラはケチャの神に誓って、あなた達とスチュアートリア帝国に協力することを誓います」

 と、言ってアランとトゥルリーの手を交互に握って感謝した。


「ありがとう!お礼に、家畜を襲うという犬の正体を確認して退治してくる。パドラルが統一された暁には、帝国から、ケケドラの地に合った作物の苗や種、家畜を提供しよう。それまで、頑張っていてくれ」


 アランとトゥルリーは、そう言い残して竜に乗って南の森へ飛び去って行った。

 南の森は、ケケドラとジャーアス、ナナサリン、アニソスの領地に跨る広大な森だった。

 アランとトゥルリーは、ジャーアス側に湖があるので、おそらくその周辺に潜んでいるに違いないと思い、その上空を目指して飛んで行った。


「なんだか、ここは魔力が強くないか?まるで『魔の森』のようだ」

「そうだな。場所によって魔力が滞る場所があるのかもしれない」

「それがライトエナジーなら良いが、ここはダークエナジーが集まっている」


 ふたりは、その魔力が滞っているらしき湖に降りた。

「竜達が怯えて無いか?」

「ああ、そうだな」

 (ゴールド)(スケール)(ドラゴン)は、訓練が入っているとはいえ、オスカーの使徒のクレイブとは異なるり、普通の竜である。

 ふたりは、竜達が強い魔力に反応して怯えているので、自分たちの使徒に命じて竜達を湖の対岸に移動させた。

 そして、そのままふたりで森の奥深くに進んで行った。

 奥に進めば進むほど、ダークエナジーが強くなる。


「やはり、ブルーフォレスト領の森の『魔の森』と同じ感じがする。こんな場所があたらこちらにあるのだろうか?」

 アランは、『魔の森』の洗脳された狼達のことを思い出していた。


 トゥルリーがアランの言葉に返事をする間もなく、彼らは自分たちが何か多くの生き物に囲まれたことを察した。

 それは、人間では無く、四つ足の生き物だった。


「来たか?」

 ふたりは、腰の聖剣に手をかけた。


 ガルルルっっという唸り声と共に、大きな黒い影が彼らの頭上から飛びかかって来た。

 狼のようなイヌ科の動物でもトラやライオンのような猫科動物でも無い四つ足の大きな生き物の牙を、ふたりは聖剣で受け止めた。


「黒魔術で魔物化された生き物では無さそうだな」


「この場所の魔力の影響で凶暴化したのかもしれないな」


 トゥルリーとアランは、その獣の牙を振り払いながら言った。


「どうする?殺すか?」

 と、トゥルリー襲い掛かって来た魔物に自分の剣を食いつかれながら言った。

 そして、食いつかれた剣を大きく振り、獣を地面に叩きつけながら言った。


 ふたりとも、剣に自分たちの神聖力(Holy Power)を注ぎ込まずに闘っていた。

 魔術で魔獣化された獣であるなら、解呪の魔法で元の穏やかな獣に戻すことができるが、自然に凶暴化した魔獣は解呪することは出来ない。

 トゥルリーとアランとも殺生は好まないが、ケケドラ部族の家畜を守るには、この魔獣を駆除するしか無い。

 ふたりは魔獣たちの攻撃を受け、そのするどい牙と爪の攻撃を交わしながら考えていた。

 魔獣たちの吐く息からはダークエナジーを感じる。

 恐らく、このダークエナジーを吸収し浄化すれば凶暴化した性質を元の状態に戻すことはできるだろう。

 だが、魔力の強いこの地に住む限り、また徐々に凶暴化するに違いなかった。


「とりあえず、今日の所は俺たちで、ここに居るやつらを浄化できるだけ浄化しよう」

 アランは、そう言うと聖剣にHoly Powerを注ぎんだ。


 Holy Powerが注ぎ込まれた剣は赤いオーブを発し、魔獣たちがまとっているダークエナジーを切り裂いて行った。

 トゥルリーも同じくHoly Powerを注ぎ込んだ聖剣で魔獣たちに挑んだ。

 エネルギーを奪われた魔獣たちは、次々に地面に倒れ込んだ。

 獣たちは息はあるが、しばらく動けなくなっていた。


 その様子を見たアランは、自分の聖剣を地面に突き刺して、剣の柄を両手に持ち、目を閉じて自分の神聖力(Holy Power)を剣に注ぎ込んだ。

 すると、その聖剣の周りに赤い光の魔法陣が現れて剣の周りに広がって行った。

 魔法陣の光は周囲の森を包み込み、地面から黒い霧のように影を引き出した。

 それまで、暗い闇に包まれたようだった森に光が注ぎ込み、森の中に光が差し込んだ。

 黒い霧が晴れ、魔法陣が消えた。


 そして、アランは、ふっとため息をつきながら言った。

「この森全体を浄化することは出来ないが、このあたり一帯のダークエナジーは浄化出来たはずだ」


「お前いつ、そんな魔法を身につけたんだ?」

 と、トゥルリーが驚いたように言った。


「前回ブルーフォレスト辺境伯領の「魔の森」へ行った時に、同じようにダークエナジーの滞りを感じたんだ。あのままにしておくとBlack Mageに利用されやすいから、なんとか出来ないかと考えていて、古い文献や魔術書、魔導書を読んで研究してたんだよ。実際に使ってみたのは今が初めてだ」

 と、自分の聖剣を地面から引き抜いて腰の鞘に剣を収めて言った。


「そうか、流石アランだ。俺にも教えてくれ。地理的にダークエナジーが滞る場所は数多くあるはずだからな。いずれ生徒と達にも教えたい」

 と、言うトゥルリーの言葉にアランは頷いた。

「ああ、トゥルリー先生、頼む。俺一人で全ての地の浄化は、無理だからな」


 この森の浄化も一部しかできなかったが、当面は両部族の被害も減ると思われた。

 近々、Holy Mage騎士達を連れて森全体を浄化しようと思いながら、ふたりはこの地を後にした。


 こうして、アラン達がケケドラ族村を攻略した頃、オスカーとキースはエイディオス卿と共にゴザガントに向かっていた。


 ゴザガントは、元々はとても勇敢な部族であり、部族長ミードスは人格者で部族の者たちから尊敬されていた。

 そのゴザンカントの勇敢さに狙いをつけたパドリアヌスが、ミードス族長の人の好さを逆手に取り、『大黒主神教』の教祖としてゴザンガントを洗脳して言った。

 ミードス族長は、いち早く『大黒主神教』を怪しいと思い教祖のパドリアヌスと話し合おうとしたが、パドリアヌスの黒魔術に洗脳されてしまっていた。

 ほぼ、パドリアヌスの操り人形状態であった。

 ミードスと交流があった若きエイディオス卿は、「娘の婿に」と言われるほど信頼されていた。

 だが、今やミードス族長の娘も含む族長家族全て『大黒主神教』教徒として洗脳されていた。


 パドリアヌスは、ミードスに命じて近隣のササン、タナンバ、ジャーナカン、ヤクトルに『大黒主神教』を広めさせて、パドリアヌスの支配下に置くように指示していた。

 パドリアヌス自身は、拠点をゴザガントからハバトへ移していたが、ミードス達を監視するためにパドリアヌスの手下がゴザガントに残っている可能性が高い。

 その者からパドリアヌスの耳に情報が届いてしまうと「オセロ作戦」遂行の障害になり得るので、オスカー達三人は緊張していた。


「オセロ作戦」第四局中盤。

 次の一手を担うのは、若きHoly Mage騎士たちであった。


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