オセロ作戦第二局目「どちらが先鋒?」
そろそろ、ゲル・ラナ編一章も終盤と思いつつ
なぜか?長くなってしまっております。
登場人物も増えるし、地名や部族名も出てきて
覚えなんて不可能ですよね?すみません。
(本当は部族名は細かく設定せず番号にしようと思っていまたが、
やはり、手抜きのように思えて設定しましたが、わかりにくでしょうか?)
後書きに、補足として、用語説明を記載しましたので
参考にして頂ければと思います。
「オセロ作戦」の手始めとして、ジャンバラン、アチト、ディカロン、クスシポの四部族をスチュアートリア帝国側に付くかせる事に成功したアラン達は、帝国内のルイスガードナー基地に戻った。
「レッドリオン公爵、イエローバレー大佐、グリーンフィールド少佐、無事ご帰還、お疲れさまでした。Black Mageの手下の者は、前回の「黒い害虫一掃作戦」の際に捉えた者たちと同様の処分するように手配しました」
と、ベイリー大佐が基地に帰還したアランたちを出迎えた。
帝国の各領地は自治権があり、罪人を収容する施設がある。
黒魔術師のように強い魔術を使う者は、帝国軍本部の魔力を遮蔽する牢に送られるが、魔力の弱い者や一般の者は、その罪に応じて各領地で刑が科せられる。
今回のように帝国民ではない者は事情聴取後本国に強制送還されることもある。
それ以外は、禁固刑または、労働つきの懲役刑に処される。
基本的に死刑はなく、重罪とみなされた者は領主の恩赦が無い限り幽閉される。
「ベイリー大佐、今回、捕縛した者たち多かれ少なかれ黒魔術で洗脳されている者だ。しっかり調べて適切に処置してやってくれ」
と、アランが言うとベイリー大佐も前回の経験があるので十分に心得ており
「かしこまりました。前回同様にきめ細かく取り調べて、それ相応の対応致します」
と、答えた。
ベイリー大佐の父であるシルバー・ベイリー伯爵は、アランの若い頃の教育係であった。
その自治に関しても信頼がある。
その息子であるベイリー大佐の言葉もまた、素直に受け入れることができた。
「よろしく頼む。それと、パドラルへの建築部隊のことたが…」
と、アランが言いかけたところで隣の部屋の人の気配に気づいたアランが口をつぐんだ。
すると、トゥルリーとマリアもその気配に気づいて振り向いた。
ベイリー大佐は、既に知っていたようである。
「お前なぁ。ここまで来たのか?」
と、トゥルリーが額に手を当ててあきれたように言った。
「来ちゃいました」
その人影の主が、姿を現して言った。
「アラン様、そのことでしたら私にお任せ下さい」
「シオン、本部の参謀室を留守にして、わざわざここまで来なくても…」
と、アランも呆れたように言った。
「まぁ、シオンたら、アランが隣国に乗り込んでいると思ったら、居ても立ってもいられなくなっちゃったのね?」
と、幼い頃からシオンの性格を知っているマリアが笑いながら言った。
「はい、私もパドラルの情報を聞きながら地図を作成し、資料をまとめさせ、その上で作戦を立てさせていただいものですから、現地までお供したい気持ちでいっぱいです。せめて、最前線基地にて作戦の後方支援をさせていただきたいかと…」
と、アランの役に立ちたい気持ちでいっぱいのシオンが言った。
アランは、相変わらずの幼馴染の気持ちを嬉しく思いながらも
「シオン参謀の気持ちは嬉しいが、君は帝国の頭脳だから現場に来ては駄目汰だ。私が安心して現地に乗り込めるのも、シオン達が帝国軍本部を守ってくれていると思うからだぞ?」
と、シオンを窘めた。
アランに窘められたシオンは、ちょっとシュンとしながらも、自分の提案についてアランに語った。
それは、パドラルでの作戦完遂までには、それなりの期間を要すると予想されるので、ジャンバラン村の『大黒主神教』教会だったところに、一時的なスチュアートリア帝国軍の城塞を建てるというものだった。
そのシオンの提案を聞いたアランが言った。
「さすがだな、シオン。実は私も、毎回ルイスガードナー基地に戻るわけにもいかないので、パドラル国内に城塞のような拠点基地を置きたいと考えていた。城塞と言っても、一時的な駐屯地なので強固な城を建てるのではなく、全てが落ち着いた後にはジャンバラン部族の者たちに役立つ施設として使えるようにしたい」
アランのご機嫌が悪くなっていないのを確認して、シオンは勇んで予め本部で制作して来た、設計図をアラン達に見せて詳しい建設計画を説明した。
「素晴らしいな。それなら、そんなに時間も掛けずに城塞が作れそうだな」
元大黒主神教教会には、牧場や農地もあるのでちょっとした村を作ることも可能だ。
トゥルリーとマリアもその設計図を覗き込んで、現地を見たことが無いシオンがなぜ?と思ったが、そこはシオンの諜報部の凄いところである。
そのことを彼らは良く知っていたので質問はせずに説明に聞き入っていた。
「強固な城壁で囲えば、立派な城塞になるが、今回は敵の数は多くは無いので簡易的なもので良い。魔力と神聖力の闘いになるだろうから、結界を広げられるものにしてくれるだけで十分だ。スチュアートリア帝国軍が侵略に来たと追われたくないので、あまり物々しいものにしたくないからな」
と、アランが注文をつけた。
「かしいこまりました。仰せの通りにいたします。建設部隊が現地に到着次第5日で作らせます」
シオンは、満足げに設計図を丸めた。
「建設部隊に急がせる必要は無いからな。現地のグライデン卿には話を通してあるので、彼と連絡を取り合って進めてくれ」
アランがそう言うと、シオンは胸に手を当てておじぎをしながら
「グライデン卿は、参謀室付き諜報部員ですから」
と、騎士の礼をしてみせた。
アランは、これは一本とられたなと笑いながら言った。
「通りで、優秀なWhite Mage騎士なはずだ」
「ところでシオン、せっかく君がここまで来てくれたのだから、『オセロ作戦』の次の段階のパドラル攻略について練りたい。是非、君の考えを聞かせてくれ」
アランは、パドラル南部から北に向かってどう登って行くかを考えていた。
パドリアヌス達は、ディカヤクト山脈を挟んでエードリア海に面したゴザガント族を征服し、そこに拠点を移している。
その北部にケアニスクス山脈が横たわっており、その東側には好戦的な五部族の領土となっている。
その反対の海に面した西側の地区には比較的な平和を好む三部族の領土である。
さらに最北部のマニ・トバールとの国境地域の部族は平和主義の部族が多い。
好戦的な部族は、一度パドリアヌスに占領させてから、こちらへ寝返らせるのが「オセロ作戦」なのであるが、パドリアヌス達がどちらへ進軍するかを予想しなければならない。
「はい。現在パドリアヌスは、ゴザガント部族の部族長ミードスを取り込んだ様子で、『大黒主神教』の教会を作らせています。それが、この10番のタナンバ族と8番のジャーナカンの中間地点と、12番のハバドとの境界です。パドリアヌスはハバド側の教会に居るとのことです」
シオンは、自分の配下の諜報部員から順次情報を得ているのである。
「ということは、パドリアヌスの次なる標的は、ハバド族ということか?」
と、トゥルリーがシオンに迫った。
「トゥルリー大佐、そう焦らないでください」
シオンは、アランに説明したいので、幼馴染ライバルのトゥルリーの質問を冷たくあしらった。
「ゴザガント部族にエイディオス卿というWhite Mage騎士を潜入させていたのですが、身の危険を感じたということで現在はジャーナカンに非難させております。パドリアヌスも敏感になっており、うっかり魔力を持つ者を接近させるのは危険と判断しました。今は、彼の配下の現地の村人から情報を得ています」
軍の参謀室にとって、いち早く正確な情報を得ることは最重要事項だが、命を賭して任務に当たっている部下の身の安全は、さらに最重要事項なのである。
「そうか、エイディオス卿には充分に注意して任務に当たってもらってくれ。それで、そちらのジャーナカンとタナンバの『大黒主神教』の影響はどうなんだ?」
アランは、大黒主神教が広がることにより、また黒魔術により洗脳された信者が増えることを懸念していた。
「まだ、それほどの広がりを見せていませんが、いずれは帝国内で起きたことと同様のことをするつもりでしょうが、オセロ作戦を進める上では、しばらく見逃すしかありません」
オセロ作戦遂行の上では、シオンの意見は作戦の一部として当然のことだった。
だが、アランは先の「黒い害虫一掃作戦」の時に、『大黒主神教』の名前で黒魔術により洗脳された信者たちの廃人のようになった姿を目の当たりにしている。
彼らのことを思うと、アランの心は痛む。
「そうか…彼らが洗脳されないうちに、速やかにオセロ作戦を終わらせないとな」
トゥルリーとマリアもアランと同じ気持ちだった。
「可能な限り、早く終わらせましょう」
と、マリアが言うと、トゥルリーが
「そもそも大黒主神教が怪しい宗教だと、彼らに知らせて警戒させればいいんじゃないか?」
と、言った。
トゥルリーの意見を聞いたシオンが資料を見ながら
「パドラルには元々、『ケチャ教』という宗教があるらしいのですが、北部から中部にかけて信者が多いらしいので、そちらと連携することも考えましょう」
と、提案した。
「宗教は、難しいぞ?我々Holy Mageや神聖力を秘密にしてるだけに、下手にライバル視されると面倒なことになるからな」
と、トゥルリーは帝国神聖大で歴史も教えている先生らしく言った。
シオンもその点は、しっかりと理解している。
「はい。あくまでも、我々は信教の自由には関わらず、対『大黒主神教』として協力して貰いましょう」
「では、我々は次に、どこから手を付ければ良いだろう?」
アランがシオンに尋ねると、シオンは自分で作成した地図とにらめっこしながら言った。
「北東部ネオホルス山の麓のホルスポ族から南下しましょう。今回のアラン様のお手並みでしたら、西部アードリア海岸地域の部族は難なく落とせると思われます。荒くれで、闘いを好む部族のほとんどが中東部の部族ですから。そこはパドリアヌスに任せましょう。おそらく彼は平和主義の部族よりも、そういう地域こそ取り込みやすいと考えているようですので」
シオンの情報は、現地に送られている諜報部員や、その配下の現地の村人から持たされている生の情報なので間違いは無かった。
現地の村人の協力者の多くは、シオンの部下のWhite Mageに助けられ恩義を感じている者が多く、かなり協力的だった。
パドラルの者は基本的には、情に厚く家族を大切にし、民族意識の強い国民性らしい。
国家間の紛争は、その後の相互の平和の為には、武力よりも交渉術の方が大切であることは歴史が証明している。
武力で無理やり配下に取り込んでも、いつか必ずそれが火種となり民族紛争となり、争いが繰り返されるのである。
魔術で洗脳することで、相手を人間として考える能力、反抗する能力を失わせることはできるが、それでは国として成り立たなくなってしまう。
国は、人で作られている。
人間の体が、ひとつひとつの細胞で作られているのと同じく、その細胞のひとつひとつが自分に与えられた役割を果たしていなければ、その体は屍となってしまう。
国も同じである。
国民ひとりひとりが、自分の意志を持ち、元気に自分の役割を果たしてこそ、健全で平和な国家になる。
アランは、そう信じている。
「わかった。まずは、南部の部族から交渉に行ってみよう」
最南部には平和を好むと言うホルスポ、ヒボス、ニードンに向かうことにした。
問題はその隣のジャーアスと、ケケドラの二部族である。
ここは、まるで兄弟喧嘩のように争いを繰り返しているのである。
この二部族をどう説得し、スチュアートリア帝国側につかせ、和平を結ばせるかが当面の課題である。
一方、スチュアートリア帝国が密かに、帝国の秘密兵器ともいえる当代きってのHoly Mageであるアラン、そして同じく優秀なWhite Mageであるトゥルリーとマリアをパドラルに送り込んだということを知らないBlack Mageパドリアヌス達は、ゴザガントを新たな拠点として策略を練っていた。
まずは、『大黒主神教』を使って邪魔なスチュアートリア帝国内の混乱を図ったが失敗し、数多くの手勢を失う痛手を負ってしまっていた。
そこで、スチュアートリア帝国のことは諦め、パドラル征服に目標を変え、勢力の強い部族を味方に付けていくことに方針転換していた。
「ゴザガント族は、族長ミードスの統治能力が高いので、部族としては一致団結しています。ミードスが命令すれば、いつでも戦闘態勢に入れます」
と、パトリシアの右腕あるガニバランが言った。
「ミードスの洗脳も完璧だ。やつは俺の意のままに動く。だが、このゴザガントより以北地域の部族は全て野蛮で民族意識の強い奴らばかりらしいからな。パドラルの拠点としてゴザガントは最後まで動かさすにおきたい」
パドリアヌスは、強力な黒魔術を使うBlack Mageであり、普通の人間を洗脳し、意のままに操る事などたやすかった。
だが、さすがに部族間の抗争となると、ひとりひとりを洗脳することは不可能であるので綿密な作戦が必要となる。
パドリアヌスは、常に戦争状態で田畑も荒れ果て、貧しい地域の民にこそ、大いなる力を見せればその力に引き寄せられることを知っていた。
そこで、彼は自ら教祖と名乗り黒魔術を使って長きに渡る部族間戦争で疲弊している民の心に入り込む作戦に出ることにした。
手始めにゴザガントの隣の部族ハバドから仕掛けてみた。
ゴザガントの族長ミードスを利用し、田畑に作物が実ったばかりのハバドの村を襲わせる。
そこに救世主としてパドリアヌスが登場しゴザガントを撃退。
村の再建のために黒魔術を使い、荒れた田畑の実りを復活させるという子芝居だ。
この作戦が功を奏し、教祖パドリアヌスと『大黒主神教』は一気に崇拝の対象となった。
ここを足掛かりにパドリアヌスとその一派は、ハバト全体を掌握。
脅威に感じたハバトの部族長が『大黒主神教』を弾圧にかかる前にガニバランが族長を捕えた。
捕えられた族長に『大黒主神教』への入信を迫ったが、断固拒否したのでパドリアヌスにより洗脳の黒魔術が施され彼の操り人形となった。
ハバトを味方に付けると、比較的平和を好むニンダラには、『大黒主神教』信者を送り込み、ジャンバラン村のように信者たち自ら布教活動をするように仕向けた。
そして、その間にジラクス、ゾマサソ、ダイザという闘い好きで野蛮とパラドル内では有名な三部族の攻略に挑むこととなった。
アモー・ロンド大陸の国々もこうした争いの絶えない地域も多く、パドリアヌスは、そうした人々を強く嫌悪していた。
できれば相打ちで全滅すれば良いとすら考えていた。
パドリアヌスも本来は、争いを好まぬ人間なのである。
しかし、彼の経験上、力を信じる者は力で征服しなければひれ伏さず、自分たちの正義を相手に押し付けることかでしか平和は無いと信じてる。
そんな者たちをまともな方法で支配下に置くことはではないとパドリアヌスは考えていた。
ゆえに、彼はこの部族たちを洗脳し戦わせ相打ちさせることを考えていた。
「そもそも、長年争って来たヤツラだから、そろそろ終止符を打ってやろうではないか」
と、全面戦争をけしかけようとしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その頃、パドラルがそんな事になっているとは知らない帝国神聖魔術士養成大学の生徒達は、来週に迫る新年祭の長期休暇に浮足立っていた。
リリアーナ、アイラ、ポリアンナの三人娘は、仲良し三人組で過ごすブルーフォレスト城で過ごす休暇が楽しみで仕方なかった。
金鱗竜に乗っての空での移動にも訓練のおかげで恐怖心を克服したので、馬車に揺られての移動よりも圧倒的に早く移動することができる。
その分、ブルーフォレスト城への滞在日数も増えるというものだ。
「ブルーフォレスト辺境伯領でも新年祭のお祭りが開催されるのよ」
と、ポリアンナが言うと、リリアーナとアイラは興味深げにポリアンナの言葉に耳を傾けた。
「露店とかも出るの?」
アイラがワクワクした声で聴いた。
「もちろん!でも、帝都内のマルシェみたいに華やかじゃないけれどね」
ポリアンナはちょっとトーンダウンした声で言った。
「それでも、お祭りの露店でしょ?楽しみだな」
リリアーナは、自分の住んでいたホワイトブランチ村と帝都しかしらないので、知らない領地へ行くのは楽しみでしかないのである。
「うん、三人で歩けばどこでも楽しいよね?」
と、アイラもリリアーナに同意した。
「ありがとう。自分の領地だから悪くは思いたくはないけれど、やっぱり帝国の辺境領のド田舎だから期待せずにいてね。ただ、領民の人たちにとっては、年に一度の楽しみなのは間違いないので、私達も楽しみましょう」
と、ポリアンナが言うとリリアーナもアイラも大きく頷いた。
さらに、キースにラングレー領にあるシュヴァーネンフリューゲル城へ招待されたアンナ、クリストファー、ノアの三人もそれなりにウキウキしていた。
ただ、彼らの場合は世話をしていた鋼竜の子供たちや、パドラルへ遠征に行っているトゥルリー先生やマリア先生のことが気になっていたので、三人娘のように手放しではしゃげなかった。
そんなノアの元にトゥルリー先生から手紙が届いた。
それは、レッドリオン公爵がノアとの約束通り、ジャンバラン村の『大黒主神教』から完全に開放し、元教会を帝国軍の砦として活用し、パドラル全体を攻略するまでの城塞に立て直す計画であることの報告だった。
もちろん、ジャンバラン族の部族長メドゥーを初めとするパドリアヌス達の黒魔術により洗脳されていた者たちは全て、レッドリオン公爵と先生たちにより解呪されたとのことだった。
また、レッドリオン公爵が直々に和平交渉に出向いたアチト、ディカロン、クスシポの三部族も帝国側に着くことに賛同したとのことだった。
「さすがレッドリオン公爵様だ、やる事が早い!これでネオも安心してくれることだろう」
ノアは、早速レイマーシャロル地区に居るネオに手紙を書いた。
スチュアートリア帝国に来て、間もなく帝国神聖魔術士養成大学の寮に入寮したノアは、帝国郵便システムについて知らなかったが、どうやら一般人が手紙を出す、地球でいうところの郵便システムがあるらしいのだった。
魔法大学であり貴族の子息子女がほとんどの帝国神聖魔術士養成大では、手紙の配達に棘竜を使っているが、一般の人は、それを仕事としている人に頼むのだという。
キースに後から説明を受けて恥ずかしくなったが、キースは笑って
「ノアは、異国人というだけでなく、異星人なんだから仕方ないよ」
と、言って教えてくれた。
そういえば、レイマーシャロル地区に宅配屋的な店があった気がする。
てっきり商品を配達する仕事かと思っていたが、手紙も届けてくれらしい。
ノア達は、寮のバトラーに手紙を託せば配達してくれるのだそうだ。
寮に専属の執事がいるのたから、相談すれば良かったのだがノアには思いつかなかった。
今回は、キースの世話にならずに執事のハミルトンにお願いすることにした。
これで、ノアも安心してラングレー領へ行くことができる。
まもなくリゲル歴4045年15末月後半、新年祭の休暇となる。
そして、帝国神聖魔術士養成大学の生徒達の大移動が始まのである。
◆ ◆ ◆ ◆
用 語 整 理
◆ ◆ ◆ ◆
リゲル・ラナ星は、魔法が生きている星である。
魔法とは、異なる神聖力(Holy Power)が存在する。
【神聖力】
神聖力は、宇宙全ても司る力で宇宙全体に存在する。
【Holy Mage】
神聖力を活用できる者をHoly Mageと呼ぶ。
神聖力は、その者の魂に宿る者で、能力差がある。
【White Mage】
白魔術を使う者を白魔術師と呼び、その力を極めた者をWhite Mageと呼ぶ。
白魔術は、魔法の中でもライトエナジーを活用するものメインである。
特に人を治癒したり、自己治癒力を高めたり、癒したりする力がある。
【Black Mage】
黒魔術を使える黒魔術師と呼び、その力を極めた者をBlack Mageと呼ぶ。
黒魔術は、魔法の中でもダークエナジーを活用するものメインで、攻撃性が高く、呪術と呼ばれる呪いを用いて人を殺めたり、魔物を強化させることが出来る。
【魔導士】
魔法を使える者の総称で、この中に白魔術師も黒魔術師も含まれる。
【Grate Mage】
神聖力を使いこなせるHoly Mageは、それほど数は多くなく、スチュアートリア帝国内にしかいない。
それゆえにHoly Mageの存在は、一般人には知らせておられず、優れた魔法使いという認識でGrate Mageと呼ばれている。
つまり、Grate Mage =Holy Mage として使われている。
【使 徒】
「使徒」は、主 人の神聖力と同期されているので、主人の力に応じて同様の力を使うことが可能であ。
【使い魔】
「使い魔」は、Holy Mageの使う「使徒」とは異なり、独立した存在なので神聖力は使えないが、魔法を使うことができる。
黒魔術師や白魔術師も「魔 鳥」という使い魔を連絡手段と使うが、扱いが大きく異なる。
★Black Mageと黒魔術師の「使い魔」
黒魔術のダークエナジーの魔力で生物を魔物化した存在で、命令主の手足のように働くが、個々の生物としての意思を持たず魔力に魂も支配されている存在である。
世界の狭間に亜空間を移動するので、一年もすれば消滅してしまう消耗品として扱われている。
☆White Mage・白魔術師の「使い魔」
リゲル・ラナ特有の魔鳥プラッタを訓練して使っている
プラッタは、大型の黒い鳥であるが、野生の鳥でも魔力を持っているので魔法を使う時は、青白い炎を発する。
「使い魔」として調教されているプラッタ鳥は、姿を消して移動可能なので密かに連絡を取り合うには適している。
他に、「使い魔」として、小動物を使う魔術師がいる。
【リゲル・ラナの一年】
リゲル・ラナ星は地球よりも大きく一年は、450日で、15ヶ月の月に分かれている。
一週間は、地球と同じく7日間で、曜日はなく、黄星・青星・赤星・緑星・紫星・銅星・銀星・金星と星の色で呼ばれている。
官僚や騎士等の軍事関係者以外の帝国民は、銀星、金星の日が休日となっている。




