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Beyond of Cosmos =星巡りの物語=リゲル・ラナ編  作者: 詩紡まりん
『光と影の闘い』=オセロ作戦始動= リゲル歴4045年

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「パドリアヌスvs アラン」その幕開け

 

「ノア?何か心配ごとでもあるのかい?」

 うかない表情のノアにキースが声をかけた。


 ノアは、Holy(ホーリー) Mage( マギ )であるキースに心を読まれたのかと思ったが、今の自分の顔には憂鬱な表情が出てしまっているのだろうなと思い直し

「うん、ちょっと…」と、答えた。


 そんなノア気遣ったキースは、周囲に気づかれないようにノアを談話室へ誘った。

 キースは、寮長としてよく寮生の相談にのっているので、そこは卒のなくノアを呼び出した。


「なにかあったのかい?」

 キースは心配そうにノアに尋ねた。


 キースが本気で心配してくれていることはノアにも伝わっていた。

 年を越せば、キースもこの帝国神聖魔術士養成大学を卒業し、帝国軍のHoly Mage(ホーリー マギ)騎士となる。

 信頼するに値する人物である。

 トゥルリー先生が居ない今、ノアは相談できる人を求めている。

 マリア先生の弟であるセドリック先生も信頼できそうな人だし、きっと良い相談相手になってくれることだろう。

 だが、ノアにとってセドリック先生は出会ったばかりの人で、まだそこまでの関係性ではない。

 ここは、キースに相談してみようかと、ノアは思い切ってみることにした。


「実は、週末にレイマーシャロルの実家替わりの宿に戻って仕事を手伝っていたのですが…、以前、共に暮らしてた友人が偶然そこに泊っていたんです」


 キースは、以前からなんとなくノアを不思議な生徒だと思っていた。

 トゥルリー先生やオスカー卿、レッドリオン公爵までもが、彼のことを気遣っていることに気づいていた。

 だが、軍には軍の機密事項があることを知ってるキースは、自己の分を超えた詮索はしなかった。

 それは、いずれは帝国軍のHoly Mage騎士となるというキースの気概でもあった。

 しかし今は、ノアの相談にのるという建前がある。

 キースは、差し触りの無い程度に自分がノアに抱いていた疑問を問うことにした。


「ノア、君が以前住んでいた場所について聞いても良いかい?」


「はい、パドラルのジャンバラン村です」

 と、ノアは躊躇なく答えた。

 ノアとは逆に、キースの方がノアの意外な答えに戸惑いを感じていた。

 そんなキースの様子を見てノアは、全てを打ち明ける覚悟をして続けて言った。

「信じて貰えるかわかりませんが、パドラルの前は『地球』と言う別の星に住んでいました」

 と、キースが想像もしていなかったノアの過去が語られた。


 キースは、ノアが異星から転移してきた異星人と聞かされて驚きはしたが疑いはしなかった。

 そんなキースの反応を確認したノアが続けて、ネオという男と一緒に地球から飛ばされて転移して来たこと、そこがパドラルのジャンバラン村で、偶然通りかかった大黒主神教の神父の息子に助けられてしばら世話になっていたことを話した。


「そして、そこで過ごすうちに『大黒主神教』というその教会が怪しいとしか思えなくなって逃げ出して来て、このスチュアートリア帝国へ来ました」

 と、ノアは自分が『大黒主神教』に関わりがあったことを打ち明けた。


「パドラルの大黒主神教教会に居た者が、よくこの帝国神聖魔術士養成大学まで辿りついたものだな」

 キースはノアが『大黒主神教』に関係していた驚きよりも、ノアの奇跡的な巡り合いに感心しつつ、

「どうやって地球という星からリゲル・ラナへ転移して来たんだい?」

 と、その転移方法に興味を示した。


「先程お話したように、地球で悪い奴らに追われてネオくんと一緒に逃げているうちに、魔法陣を見つけて、その呪文の一部を読み上げていたら、いつの間にかこの星(リゲル・ラナ)に飛ばされていたのです」


 ノアの答えを聞いてキースは思った。

「魔法を使えない星に住んでいたのに、魔法陣の文字が読めたのかい?」


 ノアは、そうキースに聞かれて初めて気づいた。

 そう言われればそうだ。

 あの時の自分は、マジュ文字なんて読めなかったはずだ。

 なのに、なぜ読めたのか?

 マジュ文字が読めたとしても魔法が使えない自分が、なぜ魔法を発動できたのか?


「そういえば、そうですよね?なぜなのだろう?」

 ノアも改めて疑問に思っていた。


「それで、今の君の懸念はなんなのだい?これらの事は、トゥルリー先生やレッドリオン公爵には話してあるのだろう?」


 キースは、ここまでのノアの話を聞いてもノアの不安の原因について予想がつかなかった。


「はい。先生方や公爵様には全てお話しました。僕と一緒に地球から転移して来たネオ君は、パドラルに残っていたのですが、僕を連れ戻すように言われて帝都に来たんです。でも、それは脅されていかたらで…、でも、レッドリオン公爵が僕たちの代わりに動いてくれました。だから、それは大丈夫なんです」


「なのに、まだ心配が?」


 キースの質問にノアは答えて言った。

「はい。ネオ君は、まだ帝都に来たばかりなので、僕ほどレッドリオン公爵や他のHoly Mageの方たちを信頼して無いように思うのです。だから、パドラルで僕たちに親切にしてくれた村の人たちをBlack Mageたちが気づけたりしないか心配して、ひとりで勝手に動かないかと心配なんです」


 そして、ノアは、ネオが自分の親代わりになってくれている宿のアフィニティの主人であるティム・ランダーにネオを任せていること、ネオが宿に住み込みで働いていることをキースに話した。


「ネオ君も、最初は黒魔術を教わっていたそうなんです。そのうち魔術書や魔導書を読んで独学で学んでいるうちに黒魔術より白魔術を身に付けたいと思うようになったそうです。もちろん、彼も『大黒主神教』を嫌悪しています。先日、レッドリオン公爵に面会させて頂き、来年からネオも帝国神聖力術士養成大学の生徒になれるように先生たちに図らってくれました。だから、今はネオ君には大人しく待っていて欲しいのです」


「ノアは、その彼の気持ち疑ってるの?」

 キースは、ノアの心の奥を見透かすように言った。


「いえ、ネオ君を疑っているわけでは無いんです。僕と離れているうちに彼が不安になってしまわないかな?と…せめて、ネオ君と連絡がとれれば良いんですが…」

 と、ノアが言うとキースは笑顔で言った。

「なんだ、そんなことか!ノアがその彼を安心させてあげたいなら、手紙を書けば良いんじゃないか?」


 ノアもネオに手紙を書くことは考えた。

 だが、書いたとしてもどうやって届けるのか?

 帝都内の民間人へ(スパイン)(ドラゴン)便を出すわけにもいないし、誰かに頼むしかない。

 なら、いっそ自分でネオに直接会いに行くしか無いなと思っていた。


「僕も手紙を出す事も考えましたが、届けることを考えたら自分で会いに行った方が良いと思ってました。なので、夜分の外出許可をとるか、昼間授業を休んで外出するか悩んでいたんです」


 すると、そんなノアの悩みを理解したキースがノアに言った。

「手紙を書いたら、僕の使徒のルーシーに届けて貰うといいよ」

 そう言ってキースは、指をパチンと弾いた。


 ほどなく、どこからともなく羽ばたく音がしたかと思うと、真っ白な鳩が飛んで来てキースの肩に止まっ。

 そして、その鳩が可愛らしい小さな頭を傾げて、ノアに向かってお辞儀をしたように見えた。


「ルーシーは人間姿にもなれるから、お使い程度ならなんでも頼めるので遠慮なく言ってくれ」

 キースがそう言い終わると、鳩はキースの肩から飛び立った。

 と、その瞬間キースの横に可愛らしい女の子が立っていた。


「はじめまして、キース様の使徒(しと)のルーシーでございます」

 と、言ってスカートの裾を掴んでお辞儀をしながらノアに挨拶をした。


 ノアは、一瞬呆気にとられていたが我に返って言った。

「ありがとうございます。今、急いで手紙を書きますので、よろしくお願いします」


 これで、ひとつノアの心配ごとが減った。

 それと同時にノアには、キースという頼りになる相談ができる相手が増えた。


 その夜、ノアはすぐにネオに向けて手紙を書いてキースの使徒のルーシーに託した。

 すると、翌日の夕方にはルーシーが、ネオの返信をノアに届けてくれた。


 ネオは、可愛らしい女の子がノアの手紙を持って突然現れたことに驚いていたようだった。

 どうやら、ルーシーは鳩の姿ではなく、人間の女の子の姿になってアフィニティへ手紙を届けに行ってくれたらしい。

 ノアは、細やかな気遣いが出来るキースの使徒らしいなと思った。


 ネオの手紙には、ネオがノアの心配を感じ取ってくれている旨が記されていた。

 さらに、ネオ自身、自分ひとりではどうにも出来ないことを身に沁みて感じていること。

 そう思うようになった経緯。

 だから、今は全面的にノアのことを信じ、ノアのいう事を聞くつもりであることが綴られていた。

 ノアは、そのネオの手紙を読んで安心したと同時に責任も感じていた。

 なぜなら、ノア自身は自分の考えや判断が全て正しいとも思えなかったし、今も迷いしかなかったからだ。

 この手紙だってキースに相談してやっとネオに出せたし、ネオの本心を聞けたところなのだから。


 しかし、ネオの言う通り自分たちではどうにも出来ない問題であることは確かだった。

 今はただ、ひたすらレッドリオン公爵と帝国軍のHoly Mage騎士を信じるしか無かった。


 そして、もうひとつノアには迷うことがあった。

 それはあと二週間後に迫る長期休暇の過ごし方だ。


 ネオに会う前までは、ポリアンナ達とブルーフォレスト城へ行くことに浮かれていたノアだったが、今はそんな浮かれ気分は消え失せていた。

 帝都にネオだけ残して、自分だけブルーフォレスト城へ行くことにためらいがあった。


 ネオへの手紙にそのことも書いたが、ネオは快くレイマーシャロルの宿で働きながら待っているから気にせず楽しんで来いと言ってくれた。

 こんな時に、自分だけ楽しんでいて良いものなのか?と大いに悩んでいた。

 そして、再びキースに相談することにした。


 キース寮長は、ノアの悩みについて一緒に真剣に考えてくれた。

 様々なケースとみんなの気持ちを考えて結論を出して言った。

「結局のところ、ノアはどこに居ても同じなんじゃないかな?」


 キースの答えはノアにとっては意外だった。

「なぜですか?」


「ひとつは、僕には、君が何かの力に導かれてこの星に転移しているように思えから。もうひとつは、君の力が必要な時は、レッドリオン公爵から呼ばれるのではないか?と思うからなんだ」

 と、言うキースの顔をビックリ顔で見つめるノアを見てキースは笑った。


「そんなに驚くことを言ったかな?」


「いえ、なんだか目から鱗だったのと、キース先輩が僕の話を全面的に信じてくれているんだと思ったら感動してしまいました」

 ノアは、ある程度は信じて貰えていると思ってはいたが、ここまでキースに自分が信じて貰えていると思っていなかった。


「やだなぁ。僕もこれでもHoly Mageだよ?嘘くらい見抜く能力はあるさ。まぁ、ノアくんの話は全く疑ってなかったからHoly Powerは使ってないけれどね」

 と、キースはいつもの爽やかな笑顔でノアを見て言った。


「どうしてですか?異なる星から転移して来たなんて話、怪しくは思いませんでしたか?」

 ノアは、自分が逆の立場なら、きっと信じられなかったに違いないと思っていた。


「うーん。話の内容がどうこうよりも、僕は話してる相手を信じられる者かどうかの方が大切かな?僕は君を信じてるから」

 キースは、ノアのことを何も疑ってなかったという顔で平然と答えた。

 ノアは、そんなキースを凄いと思い同時に嬉しかった。

 そして、彼に相談して間違いなかったと思っていた。


「ありがとうござます。僕を信じてくれて」

 と、ノアはキースに礼を述べてから続けて言った。

「僕が何かの力に導かれてこの星に転移したっておっしゃいましたよね?レッドリオン公爵にも僕はkey Personかもしれないと言われました。本当にそうなのでしょうか?」


「僕には、そう思えるけれど、残念ながら僕には、そこまで見通せる力は持ち合わせていないよ。アレキサンダー先生ならわかるかもしれないね?先生も、君に何かを感じてこの大学に入学させてくれたのだと思うから」

 ノアは久しぶりアレキサンダー先生の名前を聞いて、あの日の先生の言葉を思い出していた。


 アレキサンダー先生は言っていた。

「お前さんから感じるものは、我々の知るそれとは違うのに近いものを感じる。私もそれが何か知りたい」


 ノアがそのことをキースに告げると、キースは言った。

「その時点では君の魂は磨かれておらず、能力も開花していなかったのだろうね。やはり、君は何事にも前向きに立ち向かって自分の魂を磨くべきだよ。試練こそ、己の魂が磨かれる時だからさ」


 ノアは、なんとなくキースが言っていることの意味を理解した。

 そして、自分の中にある多くの疑問のパズルのひとつのピースが、ぴたりと(はま)ったような感覚になった。


「先輩、凄いですね!僕なんかスッキリしました」

 ノアは迷いが吹っ切れたように言うと、キースも嬉しそうに言った。

「key Personの君の役に立てたとしたら、僕も嬉しいよ」


 これから、このふたりの友情がこの帝都を大きく動かし行くことになることを、ふたりはまだ知らなかった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 = シルバー・ベイリー伯爵領地内 =

 ルイスガードナー帝国軍基地


 スチュアートリア帝国からパドラルに派遣されているWhite (ホワイト)Mage( マギ )から、帝都のアレクサンドル皇帝、ルイスガードナー基地のアラン、帝国軍本部のシオン、それぞれの元に随時報告が上がって来ていた。

 距離的に一番早く報告が早く届くのは、ルイスガードナー基地に居るアランの元である。


 アランは、シオンが作成してくれたパドラル攻略のための地図を見ながら『オセロ作戦』を考えていた。


「どうやら、パドリアヌス達は、ジャンバラン村の『大黒主神教』教会から別の地域に本拠地を移すつもりらしい。今は、7番のゴザガント部族を攻略しつつあるということなので、おそらく彼らの次の拠点候補はここだ」

 アランは、パドラルからの報告を元パドリアヌス達の動きを分析していた。


「ゴザガント部族の周りの部族の抗戦レベルは、黄色で示されている。ということは、ゴザガント部族からの侵略さえなければ闘いを避けたいと考えている、比較的平和主義な部族と考えてよいだろう。よって、パドリアヌス達がゴザガントに拠点を移した後、手中に収めるつもりなのは、6、5、8、10だろう」


「確かに、パドラルを攻略するつもりなら、東のジャンバラヤ村を拠点とするよりは、ゴザガントの方が適していますね」

 ベイリー大佐はアランと共にパドラルの地図を覗き込み、腕組みをしながらアランの言葉に耳を傾けていた。


「東端のジャンバラヤ村を拠点にしていたのは、スチュアートリア帝国を狙うには一番近い場所だったからでしょう。狙いをパドラル国内に変えた今となっては、そこは拠点には向いてませんものね」

 マリアは、男たちと共に頭を突き合わせて地図を覗き込むことは避け、一歩下がったところで後ろ手に腕を組みながら言った。


「たしかにそうです、マリア少佐!」

 と、ベイリー大佐はマリアの方を振り向いて言った。


 すると、マリアは地図も見ずに分析をした意見を続けて述べた。

「ついでに言うなら、ジャンバラヤ村の周りの部族は好戦的ではないようですし、山を越えて行かないとゴザガントへは行けないから、彼らとしては最後にとっておくつもりなんじゃないかしら?」


「そして、問題はゴザガントから北へパドラルを東西に分断するように山脈が連なってることだな」

 と、トゥルリーも地図から目を話し窓の外を見ながら言った。


 アランだけは、その地図から目を離さずじっと何かを考えていた。

 そして、おもむろに三人に意見を求めた。

「君たちなら、好戦的な部族が多い山脈の東の地域からと、比較的温和な部族が多い西の地域とどちらから攻略していく?」


 トゥルリー、マリア、ベイリー大佐の三人はしばらく、それぞれ腕組みをしながら考えていた。

 すると、ベイリー大佐が一番先に口を開いた。

「やつらの手先である黒魔術師はそんな多くありませんから、比較的攻略しやすそうな西から攻めていくのではないでしょうか?」


「そうだな。その方が早くパドラルの半分を手にすることができるだろう」

 と、敬愛するアランが賛同してくれたので、若いベイリー大佐はちょっと嬉しかった。


 すると、トゥルリー大佐が言った。

「だが、彼らの戦力は『大黒主神教』という組織だ。洗脳により信者を増やして、自分たちではなく信者たちを戦わせるという卑怯な手を使う奴らだ。悲しいことに好戦的な国の領民たちほど、長年の争いに心がそうした宗教に騙されやすいということも考慮せねばだな」


「問題は、どこまで『大黒主神教』がその地域に食い込んでいるかだわ」

 と、マリアもトゥルリーの意見に賛同しつつさらなる情報の必要性を指摘した。


 三人の意見を聞いたアランが、最後に自分の意見を述べた。

「確かにマリア少佐の言う通りだ。私の予想はこうだ。比較的な平和主義な部族の地域にはBlack Mage自ら乗り込んで、まず部族長かそれに近いものを洗脳する。その間に好戦的な地域に『大黒主神教』を広めて信者を獲得していく。ある程度、洗脳された信者が増えところで一気に赤い番号の地域を攻略する」


「なるほど!」

 ベイリー大佐は感心したように頷いた。

「だが、それは現地の状況を確かめないとわからんことだ」

 と、アランは付け加えた。


「結論としては、もうしばらく奴らを泳がせておくと?」

 そうトゥルリーが言うと、アランはゆっくり首を振りながら言った。


「彼らは以前、お互いに連絡を取り合うのに魔鳥を使っていた。だが、魔鳥は我々が全て消滅させたので使えず、情報を得るのは遅いはずだ。だから、情報戦においては、こちらが圧倒的に有利と言える。それを利用して、彼らが山向こうに拠点を移したところで、ジャンバラン村を手始めとする1~4までの地域をこちら側につかせる」


「確かに、現地に居るWhite Mageは使い魔を送れる者ばかりですし、こちらからは使徒を送ることが出来ますからも圧倒的に有利です。情報戦では既に勝っていると言えましょう」

 と、ベイリー大佐が言った。


 その最後の言葉はシオンが言いそうなセリフだったので、なんだかシオンが乗り移って言ってるみたいだなと思いながら、トゥルリーが言った。

「ヤツらが山向こうに拠点を移した時が、我々の出陣の時ですね?」


「そうだ。その時を狙って我々もパドラルへ向かう。現地には各部落にWhite Mageが現地の人混じって生活している。現地で彼らと合流して一気に攻め込む。おそらく相手は、黒魔術で洗脳された現地の信者たちだろうから、致命傷を合えずに倒してから解呪し治療を行う。その後、部族長との話し合いをするという流れだ」

 アランはこの時、「魔の森」で遭遇した黒魔術で魔物に変えられていた獣たちを思い出してた。

 それの魔法を人間に対して使って、さらに利用し戦わせることに腹が立っていた。


「絶対に最小限の被害で、しかも短期で終わらせてやる!」

 そうアランは誓っていた。


 だが、この戦いから、アランの人生に於いて最長の戦いが始まることになろうとは誰も予想していなかった。

 ただ、予知能力のあるアレクサンドル皇帝とウィリアム皇太子だけが、その内容を知らずアランの波乱の未来だけを予知していた。


 そしてついに、Black(ブラック) Mage( マギ )パドリアヌスと、Holy(ホーリー) Mage( マギ )アランの直接対決の幕が開く。


挿絵(By みてみん)

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