「動き出したパドリアヌス」と「大学の新任の先生」
アランことアラン・クレオ・ハイデルベルト・スチュアートリア・レッドリオン公爵は、帝国軍の総司令官という立場では無く、一Holy Mage騎士として、ルイスガードナー基地へ向った。
今回の任務は、表向きにスチュアートリア帝国は、直接関与することの出来ない任務だったからである。
彼に随行するのは、アランの腹心の家臣でもあり、幼馴染で心の友でもあるトゥルリー・アンソニー・イエローバレー大佐と、マリア・エバー・グリーンフィールド少佐。
今回のふたりの任務も極秘任務であり、Holy Mage騎士としてアランに従っている。
ルイスガードナー基地の司令官のフレデリック・コンティ・シルバー・ベイリー大佐は三人を快く迎えてくれた。
三人より年下の大佐は、アランとウィリアム皇太子の教育係であったシルバー・ベイリー伯爵の息子で、アランとウィリアムを兄のように慕っていた。
「レッドリオン総司令官…、あ、今回はレッドリオン公爵…でしたね?ようこそルイスガードナーへ」
ベイリー大佐は、人好きのする笑顔でアラン達を出迎えてくれた。
「毎度、毎度、面倒なことがある時にばかり顔を合わせることになるな、フレディ」
アランがベイリー大佐に握手を求めると、彼も両手でその手を握って嬉しそうに言った。
「それでも、アラン兄さんに会えるのは嬉しいですよ」
「そう言って貰えて私も嬉しいよ、フレディ」
アランは、残る方手でベイリー大佐の背中を軽くポンポンと叩いた。
ベイリー大佐は、続いてマリアとトゥルーとも握手をして言った。
「今回の作戦は秘密理に、しかも、個人的に遂行しなければならないとのこと。かなり、厳しい任務になりそうですね?おふたりも素晴らしいHoly Mage騎士だと父から伺っております。私も可能な限り協力させて頂きますので、なんなりと遠慮なくお申し付け下さい」
「ありがとうございます。こちらの基地が我々にとって、帝国内の前線基地になりますので、何かとお世話になると思います」
「頼りにしていますので、よろしくお願いいたします」
トゥルリーと、マリアは、シルバー・ベイリー伯爵とは若い頃に親交があったが、息子のベイリー大佐とは面識があるだけで、共に任務を遂行するのは今回が初めてである。
しかし、ふたりともアランを兄と慕うベイリー大佐の歓待と、協力的な姿勢に心強さを感じていた。
そして、四人は早速、パドラルの状況と「オセロ作戦」について話し合った。
アランは、シオン参謀が作成してくれたパドラルの地図を広げ、ベイリー大佐に説明した。
シルバー・ベイリー伯爵領地は、シルバーコルティナール山脈を挟んでパドラルとマニ・トバールと国境を接している辺境地である。
その領地治める領主でありルイスガードナー基地を任されているベイリー大佐としても、パドラル情報は最高重要事項であった。
「この番号はなんですか?」
ベイリー大佐がアランに尋ねた。
「これは、うちの優秀な参謀室が調べてくれたものなんだが、パドラルの27ある部族が治める領地を1~27の番号で示している。番号の色は、その部族の抗戦意欲を現わしているらしい。赤色の番号の部族は、常に領地拡大を狙っており、周囲の部族への敵対心が強い部族長が治めているらしい」
「では、黄色と白の番号にも意味が?」
「そうだ。白色の番号の地域は隣国の辺境地であったり、山や森に囲まれていたりして、比較的平和に暮らせる環境であることがわかるだろ?だから、自分たちから闘いを望まない部族らしい。黄色は、部族的には闘いを好まないらしいが、位置的に好戦的な部族と隣接しているせいで、闘いに巻き込まれてしまう地域だとのことだ」
アランが、地図を示しながら説明すると、その明瞭で詳細な地図に三人とも感心していた。
「なるほど~、さすがシオンね。わかりやすい地図だわ」
と、マリアが言うと、トゥルリーもベイリー大佐も深く頷いていた。
「そして、こちらにその番号の地域名と部族名、部族長とだいたいの部族の人数が書かれている」
アランは続けて、シオン達帝国参謀室の者たちが苦心して集めてくれた情を書き込まれた資料を三人に見せた。
「これはまた凄いな。我がルイスガードナー基地と、シルバー・ベイリー領でも情報を共有させて欲しい」
国境を隣接するシルバー・ベイリー領でも、ルイスガードナー基地にもここまで詳しいパドラル国内の情報を持ち合わせていなかった。
「もちろんだ。今回、こんな事でもなかったら、ここまでの情報を集めることはなかっただろう」
アランも、シオン達の仕事ぶりに心から感心し、大いに感謝していた。
「こうして表示してくれているから、『オセロ作戦』も、やりやすそうだな」
シオンの前では、なかなか彼を褒めないトゥルリーもシオンの有能さは認めていた。
そんな幼馴染のふたりを良く知るマリアは、きっと今頃シオンも、軍本部の参謀室で大きなくしゃみをしているに違いないなと思っていた。
その頃、パドラルのジャンバラヤ村の大黒主神教教会では、ガニバランとパドリアヌスが話し合っていた。
ガニバランは、ネオとデイブスがシルクガードの海外に辿り着いたのを確認し、一旦パドラルに戻って居た。
デイブスには沖で待っていると言ったが、彼らがいつ戻るかもわからぬまま、チスチュアトリア海の沖合に停泊しているのは非常に危険なので、連絡係を数人に雇って報告させていた。
「パドリアヌス様、やはり、連絡係に雇っていた者の話では、デイブスまで帝国の者に捕まってしまったようです」
ガニバランは、パドリアヌスの機嫌が悪くをなることを見越してしふじふ報告した。
「もう、普通の人間は役に立たんな。やはり、黒魔術師で洗脳した奴らを使うのが一番確実だ。奴らは使い捨てでもかまわんからな。ノアとネオにある程度魔術を習得させてから洗脳して利用しようと思っていたが、それを待っている時間もなさそうだから、古の魔術書に従って、魔王を呼び出そうとしたが失敗続きだ」
パドリアヌスは、いつになく冷静さも失っているようだった。
ガニバランは、なんとかパドリアヌスに落ち着きを取り戻して貰おうと思ったが、何を言えば良いかわからず困惑していた。
「ブロッサン国の方が手中に収めるは容易そうだが、あそこは北国で冬は動きがとれないし国としての魅力を感じない。マニ・トバールとパドラルは森と山か多く、熱帯だが海洋資源しかない。やはり、西側で魅力的な国はエド・ロアだ。俺はエド・ロアをなんとしても手に入れたい」
パドリアヌスが、本当に手に入れたい土地はエド・ロア王国だった。
「だが、それにはスチュアートリア帝国の動きを封じないとならん。だから、『大黒主神教』を使って帝国内を混乱させて、その間にエド・ロアを狙うつもりだったが、失敗に終わってしまったからには、作戦を変更するしかないだろう」
スチュアートリア帝国内を『大黒主神教』を使って混乱させ、魔術で洗脳した信者にそれぞれの帝国内の教会を任せて、手先の黒魔術師達をパドラルに引き戻させる予定だったが、その前に作戦が帝国側に判明し全て逮捕されてしまったのだ。
パドリアヌスの部下の黒魔術師の数が減ってしまい、もう失敗出来ないところへ追い詰められていた。
「こちらに拠点を移してからわかったが、この国は山と森が多いから貧しいのではなく、年がら年中争いが絶えないかららしい。まるで俺たちの故郷みたいだな?」
と、少し落ち着きを取り戻したパドリアヌスが言った。
そして彼は、少し悔しそうであったが決意したように続けて言った。
「俺は、お前とふたりで、強力なBlack Mageの居ないこの地で、俺たちの理想の国を作りたかったが、やはり俺ひとりでは無理だと悟った。だから、アモー・ロンドから仲間のBlack Mageを呼ぶことにした」
ガニバランは、驚いたように言った。
「えっ?それは…」
「そうだ。Black Mageって者は、俺が一番の自己中心的な利己主義な物ヤツがほとんどだ。例え、共に国を作ったとしても、いずれ権力争いに発展し、アモー・ロンドと同じことになる」
パドリアヌスは、自分たちの故国を思い出して言った。
やれは、ガニバランも身に染みて感じていた。
「だが、ひとりだけ俺が信じられるBlack Mageが居る。そいつは心根が優しいから故国で心が折れてしまったヤツなので巻き込みたくはなかった。だが、あいつにとっても、アモロー・ロンドに居るよりこちらに来る方がマシのような気がするから来るように使い魔を送ってみている」
「ああ。なんとなく俺にも心当たりがあります。あの方が来て下さると良いのですが…」
と、ガニバランもその者を知っているようだった。
「だが、奴が来る前に、パドラルを手中に収めるぞ!スチュアートリア帝国を混乱させる為に作った『大黒主神教』だが、これを利用してパドラルの者を洗脳して、パドラル人同士を戦わせる。この国は部族間抗争が絶えないようだから、利用しやすそうな方に俺が手を貸す。そうして少しずつ手中に収めていく」
実は、スチュアートリア帝国内に『大黒主神教』教会を広げ、洗脳した信者を増やすことを優先したが、ガニバランは密かにパドラルにも『大黒主神教』の信者を増やしていたのだ。
パドリアヌスは、帝国内の作戦の失敗を頭から振り払うようにして言った。
「ジャンバラヤの部族長は既に洗脳済みだから俺の思うままだ。この『大黒主神教』教会は洗脳した信者に任せて、我々は拠点を移そう。他にも、いくつかの部族の族長は洗脳済みだ」
そういえば、デイブスの幼馴染のスティービーの姿が見当たらなかった。
「パドリアヌス様、スティービーは?どこかに派遣されたんですか?」
ガニバランは、デイブスとスティービーを可愛がっていたので気になっていた。
「ああ、やつは新たな拠点候補の地域に行かせている」
ガニバランは、パドリアヌスの返答を聞いて少し安心していた。
自分の腹心の部下であったダボシムやデイブスを失い、さすがに彼も気が沈んでいたのだ。
そんなガニバランの気持ちを察したかのようにパドリアヌスが言った。
「俺たちの志は、どんな犠牲を払ってでも実現せねばならん。その暁には、我々の一族と村ごとこちらに呼び寄せようではないか」
パドリアヌスは己の悲願の為に突き進む覚悟だった。
その悲願に付き従うと決めたガニバランの決意も固かった。
それぞれに大義名分と己の正義があるのである。
さて、場所はスチュアートリア帝国の帝都トロアに戻ろう。
ノアは、ネオをレイマーシャル地区の宿アフィニティに残し、帝国神聖魔術士養成大学の寮「ミラ・ローズ」に戻っていた。
ネオとのことを皆にどう話そうかと思ったり、ネオを残して自分だけブルーフォレスト城へ行くことは出来ないなと思ったり…ネオについて、どう説明しようかと悩んでいた。
ネオと自分が、パドラルの『大黒主神教』教会に居たことを話しとしても、その前はどこに居たのかを話さねばならない。
自分たちが、地球という別の星から来たということを話すべきなのだろうか?
その話をして皆は信じてくれるのだろうか?
そして、今、一番身近でなんでも相談できるトゥルリー先生もマリア先生もいない。
先生たちが居ない理由はおそらく他の先生たち、アグネス先生か、ガブリエラ先生が説明するだろう。
本当に、俺とネオはパドラルに戻らなくて良かったのだろうか?
レッドリオン公爵に任せておけば大丈夫なことはわかっている。
でも、何か胸騒ぎがして仕方なかった。
そんなザワザワした気持ちで、White Mageクラスに登校すると、やはりアグネス・イザベラ・ブレッシング先生からお知らせがあった。
「本日より、トゥルリー先生とマリア先生は、本来の帝国軍騎士としてのお仕事に戻られました。先生方がお留守の間、おふたりに代わりこちらの方々が臨時供して来て下さます」
そう言って、アグネス先生はふたりの若い先生を紹介した。
若いと言っても見た目では年齢はわからないが、少なくともアグネス先生やガブリエラ先生よりも若く見えた。
まず、背の高い高い男の先生が、前に進み出て生徒たちに挨拶した。
「初めまして。今日からトゥルリー大佐の代わりに出向して参りました。セドリック・ダヴィド・エバー・グリーンフィールド大尉です。よろしくお願いします」
と、挨拶をして騎士の敬礼をした。
続いて、こちらもスラリとした女性騎士が挨拶をした。
「マリア少佐に代わりに出向して参りました。アメリア・クリスティン・ヴァイオレット・フィールドです。軍官位は少尉です。宜しくお願いいたします」
生徒達は、全員ふたりの名前を聞いて、あれ?と思っていた。
グリーンフィールド大尉?ヴァイオレット・フィールド少尉?
生徒達がザワザワしている様子を見て、アグネス先生が言った。
「はい、皆さんもお察しの通り、グリーンフィールド大尉はマリア先生の弟さんです。ヴァイオレット・フィールド少尉は、ヴァイオレット・フィールド校長先生の公爵令嬢です。おふたりとも当大学を優秀な成績でご卒業されたHoly Mageです。みなさんの先輩でもありますので、トゥルリー先生、マリア先生同様に教わって下さい」
生徒達は、全く知らない人ではなく、マリア先生の弟と、校長先生の娘ということですぐに親近感を抱いていた。
ふたりとも現役の帝国軍騎士でありHoly Mageなので、すぐに生徒たちに囲まれ室も攻めに合っていた。
新しい先生に興味津々だったリリアーナとアイラもその輪の中に加わっていた。
その様子を遠くで眺めながら、ノアもマリア先生の弟なら何かあったら相談できるかもしれないなと思っていた。
そんなノアの様子に気づいたリリアーナがノアに声をかけた。
「ノア君どうしたの?週末はレイマーシャロルの実家に戻っていたのでしょう?何かあった?」
女の勘は、地球でもリゲル・ラナでも強いようである。
「うん、ちょっとね」
ノアは、どう説明したものか考えあぐねていた。
リリアーナも家庭の事情は色々あるだろうと思っていたので、それ以上深くは聞かなかった。
ただ「何かあったら言ってね」とだけ言って、またみんなの輪に加わった。
帝国神聖魔術士養成大学の生徒達はみんな優しい。
地球に居た時のように不快な思いをすることが無い。
こんな環境をネオにも味あわせてあげたいと思った。
ネオは今頃どうしているだろうか?
アフィニティで親父さんと宿の仕事を頑張っているだろうが…俺と同じく、パドラルのことを気にしているに違いなかった。
「ネオとこまめに連絡がとれたらなぁ。自分にも使徒がいたら良かったのに」と思っていた。
ディアネ達ジャンバラン村の人たちのことを心配して、ネオが先走らないことを願うしかなかった。
午前中の授業を終えて、ノアは、いつものように鋼竜の飼育場に行き、エディの世話をしているとそこにセドリック・ダヴィド・エバー・グリーンフィールド大尉がやって来た。
「グリーンフィールド先生?」
ノアが驚いたように言うとグリーンフィールド大尉は
「セドリック先生と呼んでくれたまえ。その方が先生感出るだろ?」
と、きさくな笑顔でノアに言った。
「可愛い竜だな。図体はでかいが君に懐いているし、まだまだ子供だな」
「はい、可愛いです。僕がHoly Mageになれたらエディを使徒にしたいくらいです」
ノアは、本当に可愛くてたまらないという顔で、エディを撫でるとエディもノアに自分の顔を擦り付けた。
「エディと言うのだね。新年祭の休暇の間は、この子達を軍で預かって世話するようにレッドリオン総司令官から言われている。この子は私が担当するから安心して休暇を楽しんでおいで」
セドリック先生は、そう言いながらエディの長い首を優しく撫でた。
するとエディも気持ち良さそうに首を振った。
ノアにするようにすり寄ることは無かったが、セドリック先生にも心を開いている様子だった。
「先生、先生は僕のことをマリア先生から聞いているのですか?」
ノアは、誰か相談に乗ってくれる人が欲しかった。
それは、生徒では無く大人の、信頼できる人であって欲しかった。
トゥルリー先生同様にマリア先生のことも信頼していたので、マリア先生の弟のHoly Mageの先生なら頼れるのでは?と期待していた。
「ああ、君がノア君だろ?地球という異星から来たという」
やっぱり、知ってるんだ!
ノアは、驚くと共に少しホッと安堵した気持ちもあった。
トゥルリー先生と、マリア先生は、全て引き継ぎをして出発したのだ。
ノアは、安心すると同時に別の不安も過っていた。
先生たちは、戻らない覚悟で出かけたのではなのか?という不安だ。
「そうです。あの…マリア先生とトゥルリー先生は戻って来られるんですよね?」
ノアは、その不安をマリア先生の実の弟であるセドリック先生に聞いてみた。
「どうだろうね?我々の本職は帝国軍騎士だからね。Holy Mageの育成は帝国軍にとっての重要な仕事のひとつだが、あくまでも我々はHoly Mage騎士だ。状況によっての部署替え、配置換えは充分にあり得るから、こればかりはわからないな」
「そうですか…」
ノアは、がっかりする気持ちを抑えきれなかった。
そして自分でも気づかぬほど、トゥルリー先生を信頼し頼りにしていたことを改めて気づかされていた。
「これからは、トゥルリー先生とマリアの分も、俺とアメリア先生を頼ってくれないか?俺たちは全力でサポートする覚悟だからさ」
セドリック先生は、親指を上に立てながら、物静かで落ち着いたマリアとは正反対の陽気な笑顔で笑った。
ノアは、ちょっと心が軽くなる気がした。
「よろしくお願いします」
「おお、よろしくな」
セドリック先生はノアとハイタッチをして、金鱗竜騎竜部隊のパイロット練習場へ向かって行った。
その日のミラ・ローズ宮の学生食堂では、新しいふたりの先生の話題でもちきりだった。
寮長であるキースと副寮長であるプリシラは、それぞれ寮の担当であったトゥルリーとマリアの両先生が急に居なくなって不安になっていたが、すぐにその代わりの先生が来てくれたことで安心していた。
しかも、ふたりの先生は完璧な引継ぎ作業してくれていた。
「おふたりの先生ともに完璧だよ。何を聞いてもテキパキ答えてくれて、先生たちのやるべきことも心得ている。さすが帝国軍の現役Holy Mage騎士だね」
とキースが感心していると、
「アメリア・クリスティン・ヴァイオレット・フィールド公爵令嬢のお噂は耳にしていたけれど、帝国軍のHoly Mage騎士としてしっかり働かれているなんて憧れますわ」
と、いつも辛口評価気味なプリシラのアメリア先生に対する評価も上々であった。
「今日、おふたりの先生が金鱗竜に騎乗してお手本を見せて下さったの」
「オスカー卿と同じくらいのお手並みで驚いたよ。お二人とも空軍の創設の為に、軍の竜達の世話や訓練をされていたそうだよ」
クリストファーとアンナも同様にふたりの先生を気に入った様子だった。
ふたりが先生たちから聞いた話によると、空軍にもレッドリオン公国から持ち帰った鋼竜の卵を孵化させて、育て訓練を開始しているらしいとのことだった。
ノアは、だからセドリック先生は鋼竜にも慣れておられたんだなと思った。
そして、再びネオのことを考えていた。
新年祭の新学期になれば、ネオもここに居るはず。
だから、今はネオには無理をしないで欲しい。
ネオは、ノアほどレッドリオン公爵やこの帝国、帝国軍の特にHoly Mageのことを知らない。
彼らがどんなに頼りになり、信頼できる人たちかを知らない。
だから、勝手に自分だけで動いてしまわないか心配で仕方なかった。




