2 絶対の勝利さん
「お前ええええええええええええええ!!!!」
瓦礫の山から這い出てきたアフィリアが煙が立ち込める中心で佇むカナンに向かって怒鳴る。
「どした?」
「どうしたじゃねぇだろぉがッ!」
持っていた短剣をカナンに投げるも平気な顔で投擲で防がれる。
「殺す気かてめぇ!回復術師が転移させてなかったら今頃消し炭どころか蒸発してたんだが!」
「お前だったら防げるだろ」
「あの悪天候の中どうやってお前の魔法まで防ぐんだよ!手一杯なんだよ!」
くそったれ!と言って怒鳴り散らかすアフィリア。ふつふつと湧き上がる殺意をどこに向けたものかと頭を抱えて屈んでいると目の前を通った黒い魔力に気が逸れる。
「......え?」
黒い......魔力......。
「ははっ」
良いサンドバックじゃねぇか。
「あれ食らってまだ倒れねぇバケモンとか......」
「おうおうおうおうお前マジで......」
二人の言葉が揃う。
「「最高じゃねぇか」」
土煙が徐々に晴れていき純粋魔力の姿を捉えた。が、見える影は蜘蛛のそれではなく初期の人型のように俺は見えた。まぁ形なんてこの際どうでもいい。
「ちょうど良い、いや本当に。危うく身内間で流血沙汰になるところだった。代わりがいてくれて助かる」
「良いね良いぜぇ!最近ずっと不完全燃焼気味でよぉ。全部てめぇにぶつけてやる!」
『飛び火というか完全にとばっちりですね。可哀想に』
純粋魔力はゆっくりとカナンたちの方へ歩き出し、おもむろに両手を上げ腕の形を変えた。それだけなら別に驚くような事ではないが両手の剣の形状を見てカナンの表情が変わった。
「へぇー」
「お前の剣に、俺の短剣か......」
純粋魔力の上げた右手にカナンの使っていた直剣、そして左手にアフィリアが使っていた短剣へと形を変えた。
よく見ると全体のシルエットも最初の人型に比べてスリムになったように思える。
「つまり何か?こいつは状況によって形を変える......いや、最適化するようになるってか?」
「分からんけどだとするなら洒落にならねぇな。まぁ......取り敢えずぶっ飛ばす」
アフィリア、そしてカナンの口角がつり上がる。
『喜んでるところ悪いのですが来ますよ』
「「分かってる」」
黒いシルエットが一瞬ブレたかと思った直後、背後から微かに風を感じた。
―――刹那、カナンの直剣と純粋魔力の短剣が交じり合う。
周囲に激しく鳴り響いた衝突音が俺たちの心を躍らせる。
「ヒヒッ」
おっと気持ち悪い笑い声が。
「俺の剣を似せてるところ悪いんだがもう使わねぇぞ」
短剣が手から滑り落ち無手となったアフィリアの拳が黒いシルエットへ向く。
「こっちの方がストレスをぶつけやすいんでねぇ!」
嫌らしく歪ませた顔で拳を突き出したアフィリアが叫ぶ。
「吹っ飛べええええええ!」
そのまま拳を振り抜き、胴体に大穴を開けた純粋魔力が派手に吹き飛ぶ。
「それがオレに向けられてたってマジ?」
「二次被害で殺されそうになった恨みだ。せめて狙いが俺であれ」
空耳か何か知らないが『馬鹿ですか?』という言葉を聞き流す。
純粋魔力は直剣になった腕を地面に突き刺し吹き飛ぶ体の勢いを抑え減速させる。
完全に停止した体には開けたはずの大穴はもう塞がっていたのを遠目で確認し「ふざけた際能力だ」と愚痴を零す。
「ん?」
何か違和感を感じたアフィリアの視線が自らの手に落ちる。何故だかくすぐったいと思っていた掌を見ってみれば、こびり付いた黒い魔力がミミズのようにくねくねと気持ち悪い動きをしてアフィリアの手を這いずり回っていた。
「うわきも!?」
魔力が物体化するとかどんな質量だよ!てかきもッ!
腕を振って払い感触の残る手を擦って誤魔化す。
「普通に萎えた」
「ミミズみたいだったな」
「いちいち言うな」
減らない口で次は「短剣落としたの割と馬鹿だった」と嘆くアフィリアに「その虫嫌いから何とかしろ」と煽るカナンに睨みを利かせる。
「お?」
睨まれても笑って一蹴していたカナンの目の前に突然現れた黒剣で場の空気が凍った。
「おわッ!?」
振り抜かれた黒剣が空を斬る。剣に向けられた刃を屈んで避けるカナンが短く声を上げその場からいち早く退く。
純粋魔力の正面にいたカナンへの攻撃だったかと理解し隙だらけの背中にもう一発叩き込むかと思た矢先、空ぶった剣が真後ろに立っていた俺の方へ近づいているのに今更気付く。
関節って何ですか?と言ってるかのように腰をぐにゃりと回して俺の首を黒剣が捉える。
「え!?いや流石にむ―――」
焦燥が滲み出る声色とは別に冷静な目が純粋魔力を見詰め......。
「りだろおおおおお!!」
咄嗟に地面を蹴り純粋魔力の胴も壁代わりに蹴り飛ばし自らの体を後ろへ投げるように回避してみせた。
「首の皮一枚繋がるってそういうことか?」
「っぶねぇー.......」
フォローに来たカナンの軽口も返せないくらい焦りが表に出るアフィリアが無意識に首に手をあてがう。
「この双剣使いの元がお前のおかげで手口が分かる分かる」
「こいつ煽りよる」
モデルが俺?純粋魔力に双剣とかいうまだ習得途中のものを見せるほど死にたがりじゃないぞ?......でも動きは本当に練習中の俺そのものだ。不思議なもんだな......。
剣技の応酬の中で見えた情報がふと思考する脳内に潜り込む。
「......状況に適合ねぇ」
魔力その物の突然変異で魔力回路が構築されている事にも少々疑問を覚えるがそれでも思考回路、考える力まで持つとは思えない。元はただの魔力なのだ。元素だぞ。普通におかしい。
「ましてや相手を真似るなんて芸当......。おいおいお前の我流も真似られてんじゃん。簡単な動きらしいぞ」
「うるせぇ!口動かしてねぇで黙って考えてろ!」
「馬鹿言え。お前に向けるはずの恨みならここ数年でずいぶんと溜め込んでんだ。終わるどころかギア上げてくぞ」
顎を擦りながら頭を回すのも今は一旦終わりだ。
アフィリアは落とした短剣を拾いカナンと対峙している純粋魔力の背後に向かって地面を踏み締め距離を詰める。
瞬く間に黒いシルエットから伸びる影を踏み付けがら空きの背中に剣先を向ける。
背中に目でも付けているのか、純粋魔力はアフィリアの刺突を屈んで避け仕返しとばかりに右手の直剣でアフィリアの胴を狙う。
ザン、と小さく空の斬れる音が鳴る。
アフィリアの上半身は宙を舞うことはなく純粋魔力の真横へ跳び避けていた。屈んだままの純粋魔力に向かってもう一度短剣を突き立てるようと着地と同時に純粋魔力へ迫る。
「がら空き!」
「オレのことも忘れんなよ!」
「・・・」
アフィリアの方へ向けられた体が次は殺気交じりの魔力を撒き散らすカナンの方へ向けられる。
黒剣が描く黒い軌道と相対する紅い光剣がぶつかり合い、鍔迫り合いになると思いきやすぐに紅い光で影を払う。
体勢を崩した純粋魔力に反撃の余地すら見せない速さでカナンは純粋魔力の頭に蹴りを入れる。よろめいていた状態で蹴りを防ぐことも出来なかった純粋魔力は身体が地面へ思い切り打ち付けられる。
「・・・」
「っしゃあああああ!!!」
すかさず追い打ちをかけようとしたカナンを余所にアフィリアが倒れた純粋魔力の脳天に短剣を突き立てた。
「うお危ッ!?てめぇ!オレも狙いやがったな!」
「刺される方が悪い」
急に出てきた俺に悪態を吐くカナンをあしらいながら刺した短剣を掴み取る。
「良い所で邪魔しやがって......!」
「想定だとお前の頭ごと行ってたんだどな......くそ」
「何がクソだ―――」
少し視線を外して話している俺たちの隙を見逃すわけもなく、純粋魔力の短剣が俺の背中に向けられた。
「・・・」
「動く時はあんま力は入れない事だ、な!」
またも衝撃音が響く。
悦に浸り深い笑みを浮かべるアフィリアは振り返りながら背後から突き出された短剣を受け止める。こなまま鍔迫り合いに持ち込むほど暇を持て余してないのですぐに刃の角度ずらした。短剣の角度が変わり乗せた力や体重の行き場を無くした純粋魔力の体がグラッと傾く。
「早計だったな」
隙はブラフだ。隙を突く瞬間、直後というのは実に単純な動きになる。道具のない現状奇襲なんて刺すか斬るだけなんだから当たり前の事だが、絶対食らうという思い込みが今回は重要なだけだ。
さて仕上げだ。
バランスを失った純粋魔力の胴に足が食い込む。
アフィリアの足が黒いシルエットをひしゃげ、更に力を込めて蹴り飛ばした。
「おらぁ!」
吹っ飛ばされた純粋魔力の行く先は勿論のこと、魔剣を肩に乗せ殺意の籠った笑みを浮かべるカナンだ。
カナンの魔力を感知した純粋魔力が吹き飛ぶ体を無理矢理動かし、振り向きざまに黒剣を振るった。
「相変わらずキモい動きしてんねぇ!」
カナンの魔剣が黒剣の軌道と交わる。
―――ガァン!
重なり合う剣から魔力の粒子が散る。
「っと」
すっかり忘れていた短剣へ変化した片腕が下から振り上げられ咄嗟に身体をのけ反らせる。
「......」
さっきの蹴りで幾分か恨みが晴れたアフィリア。澄み渡った思考で双方の剣戟の応酬を見て少しばかり考えに耽る。
今のアレのフィジカルはカナン未満と見た、魔力は考えるまでもなく底なし、スピードはやはり対処可能な範疇。剣技も今のところ素直そのもの。素手だった時のようなフェイクを織り交ぜた攻防と比べれば『攻撃にさえ当たらなけりゃ良い』を念頭に置けば反撃も容易。
ただ、純粋魔力が今も倒れない一番の要因が不死身性の生態だ。今まではゴリ押しで補えているものの一つ懸念が生まれる。あいつの学習能力の有無だ。
カナンの剣技も俺の取得途中である双剣術も何でか知らないが純粋魔力は使えていた。もし今もカナンの技術を盗んでいるのだとしたら。このまま継続させるのはあまりに危険だ。
「終わらせるか」
アフィリアはそう告げて奇襲を試みる。
短剣を適当に純粋魔力目掛けて投げてみると、短剣だった腕を人間の手の形に変え投擲された短剣を掴んだ純粋魔力は振り向きざまにアフィリアへ投げ返そうとする。
狙われたアフィリアの表情には笑みが浮かばれており反撃しようとした純粋魔力にアフィリアが一言告げた。
「俺に構って大丈夫なのか?」
その場から消えたかのような速度で投げられた短剣を回避するアフィリア。ザン......っと空気の揺れる音が際立って聞こえる空間に光の帯びた魔力の粒子が流れた。
異変を察知した純粋魔力は魔力の流れてきた方へ体を向けると、表情を歪ませたカナンが魔剣を天に掲げ詠唱を唱えていた。
「【 戦火を駆けるは勇気 死地へ飛び込むは蛮勇 乖離する言葉は二つで一つ―――」
魔剣の剣身から溢れるように火が吹く。
「―――命知らずの進む道に......」
カナンの言葉が止まり笑みで歪んだ顔がより獰猛になり、理性を感じさせない獣の目が純粋魔力を突き刺す。
「命知らずの進む道に差す影を照らせ 英雄が振るう一振りの刃は―――」
詠唱の途中でアフィリアがもう一度後退する。今度こそ二次被害で殺されそうな魔力の膨張率に冷や汗を掻きつつカナンの本気を見届ける。
―――天をも穿つ】
膨張した魔力が解放され掲げられた魔剣の先から金色の火柱が天まで登る。
「オオオオォォラアアアアアアアアッッ!!!」
まさに詠唱のとおり、振り下ろされた巨大な柱は曲線を描き純粋魔力の頭上を照らした。
燦然と輝く炎の中、微かに見えたカナンの姿にアフィリアと回復術師が顔を引き攣らせる。
「あいつよく笑ってられるな......」
『使用者の体すら焼き焦がす火力とは......』
そして何と言っても派手だ。金色に光る火とか勇者か何か?
「あれ?元の文章って神話の英雄から取ったんだったか?」
『えぇ。......貴方も同じ文献からですよね?忘れていたんですか?』
「神話って武器の名前とかキャラの名前しか覚えられないんだよ」
しばらく眺めることしかする事のなくなったアフィリアと回復術師を置いてカナンは「あひゃひゃひゃ!」と狂人じみた笑いを上げて魔剣に魔力を注ぎ続ける。
「あいつ一人で良かった気がする」
呆れた態度でそう吐き捨てその場に座り込む。
「私もそう思います。と言いますか最初はその予定だったんですよ」
「ん?」
いつの間にか隣にいた回復術師に疑問の声が漏れる。が、今は回復術師の言っていた事の方を聞いた方が良いと思ったアフィリアが今回の依頼について問う。
「?上の連中はアレの事を知ってて俺たちで派遣させたんじゃないのか?」
「それは協議し合った結果であって最初の依頼の形は少し違います」
その最初の依頼内容がカナン単独でのご指名だったと。
「腐りかけてた内政のゴミどもが完全に腐敗したか?流石に本気モードでもないカナンが勝てるような敵じゃない」
「テンションどうこうで戦力が変わるカナンもですが同じ性質の貴方も大概ですよ」
「首チョンパされた数秒だけだったら問題ないっていうお前はどうした?」
「この依頼は話が来た時からきな臭いとは思っていたんですよ」
話を聞け?まぁ脱線しすぎたか。
「きな臭い......。例えばの話だ、この討伐任務が仕組まれたものでカナンを殺したい誰かがこの話を持ち掛けたとかだと?」
「もし本当にそうならお粗末以外の何物でもないのですが、詳細についてはまだ分かっていません。確実な裏どりも取りたいので部下からの知らせはあと二日以上は掛かるでしょう」
「そうだったか」
二日以上って......。そこまで本気で調査するくらい厄介な奴からの依頼だったのか。
「......マジで遠回しな暗殺だとすりゃまぁ妥当な相手だな。だけどまとめて三人ってのが引っ掛かる。擦り合わせた結果だったとしてもあっちは押し通せたはずだ。それにやっぱお前が居ちゃ成り立たんだろ、その暗殺」
誰かが死んでも死なせない奴だぞ。なんで―――
「私、貴方に名前も礼儀も教えましたよね?」
俺が何でこいつの同行を許したのか考えようとした時、隣からかなり不満気な声が俺を責める。
「絶対の勝利だろ」
ヴィクトリアが出てくる戦場は必ず勝利に終わる事からいつの間にか言われるようになった通称というか、もうここまでくると伝説みたいなもんだ
それはそれとしてそう睨むな。ちょっと怖いやん。
「おらあああああああ!!火の耐性が付いた程度で勝ち誇ってじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
どんがらがっしゃん。
「んー......。あ」
「どうしました?」
アフィリアが首を捻りながら過去の記憶を辿っていくと、一人心当たりのある......五割、いや六、九割くらいこじ付けの人を話題に上げた。
「**さー、みたいな奴がなんかすげぇ目でカナンを見てたような気がして」
「ハンザー閣下の事ですか?」
「多分」
そんな名前だったか?
「何か『剣皇殿であれば可能かと思ったのですが』とかなんとか言ってたような......。あんとき廊下でばったり会った俺に向かって何で言ったのかマジ分かんなかったんだよ。すげぇ厭味ったらしかった」
「あの人ゲスの世界代表らしいですから。厭味ったらしいのが通常なんですよ」
「マジ?」
「自分より優れた方を叩きのめす(毒殺)のがご趣味だとか」
「......俺たちのしてる事だぞ?」
「私たちのは弱い者いじめです」
「あそう」
この絶対の勝利さん怖い。
「のわあああああああああああ!!!」
「【 癒せ 】」
「サンッキュウウウウウウウウウウ!」
まーた行ったよ。吹っ飛ばされるわすぐ走り出して行くわ忙しいな。
嬉々として死にに行くカナンを見送った二人が改めて今回の依頼内容を振り返る。
「依頼書は?」
「こちらに」
ローブの内ポケットから丸められた紙を取り出したヴィクトリアから紙を預かる。
紐を解いて丸められた紙を伸ばし内容を見ると初期状態の純粋魔力の姿、討伐理由、討伐した後の国益、俺たちに支払われる報酬が記されているだけだった。国益とかまじ書かなくていい。
「......?あれ、マジであいつの情報載ってねぇじゃん」
依頼書には通常、討伐対象の詳細な生態系が書かれていることが多いのだがクソどうでもいい文の中に純粋魔力についての詳細な言及はどこにもなかった。
「貴方がたはそもそも見ないで引き受けるでしょう」
え、あぁまぁ。
「そりゃそうだろ。ネタバレとか面白ねぇ事やるわけがない」
「はぁー......」
呆れたため息は俺の精神に少々のダメージがあるからやめてくれ。
「問題文も式も見ないで答えだけ書く方なんていませんよ」
「......?」
何の話だ?
学び舎など通った事のないアフィリアには縁遠い例え話であったかと、今日何度目かのため息を吐きながら思ったヴィクトリアの様子を見上げるアフィリア。
頭に?を浮かべるアフィリアに手に持っていた錫杖で小突いたヴィクトリアは「だから行きなさいとあれほど」と説教じみた声色で指摘する。
「え?......あ、学校の話か?」
「......」
「待て、そう呆れた目を向けられると困る」
「困らせているのは貴方です。あの時から勉強もしないで戦いに行く貴方を追いかけていた時の私の苦労を知っていますか?」
いや知らん。
「挙句の果て体に何度も穴を空けてるわ、首は飛ばされるわ......はぁー......。少しは私の心遣いに応えてもらいたいものです」
「.............................................................................................」
正当性しかない怒涛の不平不満に凄まじい敗北感を味わう俺の口からは反論ではなく漏れ出るように笑いが出た。
「ははははは.......」
空笑いが......。
「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「はい再生」
「よっしゃあああああああああああああ!!!!」
これでも公務員やってけるんだぜ?力って最高だな。
「でも自分の事は自分で決めて来た結果に後悔なんて思った事はない.......ぞ?」
尤もらしい事を言って煙に巻こうとするアフィリアを一瞥するヴィクトリアが再び深いため息を吐く。
「貴方がたが同僚で私本当に恥ずかしいです」
黒いシルエットのバケモノ 今のところの識別名:純粋魔力・・・カナンの放った魔力を取り込んだ現状、ヴィクトリアの推測ではカナンやアフィリアと同じで環境に適合する事に特化した魔物と仮定した。
ただの魔力でしか構成されていない純粋魔力が何故そのように進化し続けるのかまるで見当が付かない。できる事ならサンプルになりえる物でも回収できないか悩み出すヴィクトリアへ「絶対前出るなよ」と釘を刺したアフィリア。
結論: 何も分かんない。
フェナーデル皇国所属聖皇:ヴィクトリア
平民から成り上がってこの地位を獲得した彼女の執着心は一体どこから来るものなのか。何に執着して成り上がったかは隣で見てきたカナンたちも分からない。
カナンたちとは冒険者時代からのパーティーメンバーである。カナンとアフィリア以外にもあと一人メンバーがいるが彼女の事はかなり嫌っている様子。
見た目は長髪の白髪で新品みたいに綺麗な白いローブ着てて、よくファンタジー系で見るあの錫杖持ってる感じ。




