表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
596/610

神の休息、偽りの罪悪感

大浴場を後にした真白は、神の衣装へとその身を包み、学院の仮部屋から女神塔の私室へと帰還した。そこは女神たちの監視の目が届かぬ、真白だけの聖域。和室の座椅子に座り、ソフィアから渡された書物を手に取った瞬間、彼女のスマートフォンが淡い光を放った。

文学少女の夜、誤解の果て


真白は礼奈からのメールを読み、少し困惑した表情で指を動かした。


真白からの返信:

「礼奈さん、お疲れ様です。そんなに心配しないでください。テストは一週間前からお休みをいただければ十分ですし、文化交流会も来月の話ですから……。でも、そこまで仰ってくださるなら、交流会が終わるまで長休を取らせていただきますね。本当にありがとうございます。」


数秒後、礼奈から震えるような返信が届いた。


礼奈からの返信:

「真白ちゃん……! 本当によかった! 実はね、お客さんたちがみんな『真白様をこき使いすぎだ』って冷たい目で私を見てくるのよ……。神様ブレンドを少ししか出せないのも、私が無理させてるって思われてるみたいで。だから、安心して休んで! 私が責任を持って説明しておくから!」


(……ええ? 私をこき使っているなんて、そんなはずはありませんのに。皆様、礼奈さんのことを誤解されているのでは……?)


真白は困惑しながらも、女神たちの工作によって歪められた「罪悪感」という名の物語を、そのまま受け入れるしかなかった。


天界で宴の準備を進める女神9人は、その光景を想像しながら、笑んでいる。


知恵のソフィア(会計):

「計画通りね。礼奈というノイズが勝手に罪悪感を抱き、真白を『完璧な休息』へと追い込んだわ」


調和の桃子(養護):

「ええ。これで真白は学院のバイトに縛られることなく、私たちとの宴に全力を注げるというものよ」


創造の女神(担任):

「それにしても、お客さんたちが礼奈に冷たい視線を送っているという誤解、最高に面白いわね」


美のヴィーナス(副会長):

「ええ、真白は『慈悲深いお嬢様』として、礼奈を許す側でいられる。完璧な構図ですわ」


豊穣のデメテル(会計):

「これで心置きなく、真白にあの子たちを遊ばせることができるわ」


勝負の女神(1年):

「あいつら、勘違いしたまま一生懸命働くっすね!」


芸術の女神(2年):

「礼奈の罪悪感、まさに最高の悲劇ドラマよ」


慈愛の女神(3年):

「真白ちゃん、ゆっくり休んでね。宴の準備は万端よ」


龍神の翠(役員):

「ふむ。これほど都合よく運ぶとはな。宴の準備も完璧じゃ」

真白は今日、一姫というノイズのせいで本来の友人である「滝守陽葵」——つまり、真白自身の人間モードとしての余暇を十分に過ごせなかった。女神たちはその埋め合わせを、真白に与えた長休という形で演出したのである。「しばらく休日なんだし、今日できなかった分、滝守陽葵ちゃんと遊び尽くしましょう」

そう語り合う女神たちの思念が天界に響く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ