生徒会セレクトと隠蔽された超インフラ
庭園のティーパーティーは、生徒会セレクトメニューという次なる話題で盛り上がりを見せていた。お嬢様たちのキラキラとした瞳に囲まれ、真白は会長として、そして一人の少女としてこの学院を導いていく。しかし、彼女の脳裏にふと過った「スマホ配布」という計画。女神たちが隠蔽した、学院を裏から支配する超絶インフラの全貌が今、明かされる。
「さて、皆様方。明日は待ちに待った生徒会セレクトメニューの日ですよ」
私がそう告げると、お嬢様たちは待ちわびたかのように目を輝かせました。
「真白様、特製海老だし味噌ラーメンに、激辛担々麺! 庶民の味をこうして学院で体験できるなんて、楽しみで仕方ありませんわ!」
「特に、あの『パスタレンジ調理器』……! あれで本当にもっちりとした麺が茹で上がるのか、まるで科学実験のようにワクワクしますわ!」
(内心:大げさですね……。まったく、普段外出していない世間知らずのお嬢様方は、本当に楽しそうですね。……ですが、これは由々しき問題です。早く情報化社会についていけるよう、全生徒にスマホを配布して、デジタルリテラシーを向上させないと。というか、今日は元々、そのために家電量販店へ……)
家電量販店の出来事が脳裏に蘇りかけたその瞬間、女神たちの思念が私の脳内に一斉に雪崩れ込んできました。
(調和の女神・養護・桃子):
「あら、真白? 今更何を言っているの! 生徒たちのスマホなら、ネットで最新端末を大量購入して、既に完璧な準備が整っているわよ!」
(創造の女神・担任):
「ええ! あなたが提案した地下神速ネットワーク『蒼天ネットワーク』も、一翻市全域に開通済みよ。お嬢様たちがネットを徘徊しても、卑猥な情報や悪意を完全排除するフィルタリングもバッチリ!」
(知恵のソフィア・書記):
「通信速度は神界基準ですわ。人間たちのゴミみたいな回線に天界カードを支払う価値などありませんもの。面倒なキャリア契約も、私たちがスマホ一つで即解約済みですわ!」
(美のヴィーナス・副会長):
「そうよ真白、早くあなたのスマホも『蒼天ネットワーク』に切り替えなさい! ゴミのような通信速度なんて、あなたの美学に反するわ!」
(勝負の女神・1年・緑):
「先輩のスマホだけ出遅れるなんて、勝負の世界では敗北と同じっす! 今すぐ切り替えましょう!」
(豊穣のデメテル・会計):
「全端末の通信コストは、私が邪神の隠し資産から捻出してありますのでご安心を!」
(芸術の女神・2年):
「神のインフラを前に、迷う必要などない。さあ、繋いでみなさい」
(慈愛の女神・3年):
「きっと速さに驚くわよ、真白ちゃん。神様が作った最強の回線だもの」
(龍神の翠・役員):
「早く繋いで、世界の変化を見るのじゃ!」
「えっ、そうなんですか……? でも、もし『エテルニテ』で礼奈さんに『どこの回線使ってるの?』と覗き込まれたら……一翻通信(架空のキャリア)に偽装済みなのでしょうか?」
「(女神一同):もちろんですわ!」
「えっ、でも今、お嬢様たちとお茶会ですので、そんなスマホをいじるなんて……」
その瞬間、校内放送が優雅なチャイムと共に響き渡りました。
『生徒会長・真白様にお知らせいたします。セレクトメニューの商品が本日、納品されました。生徒会役員一同、第一会議室にてお待ちしております。至急、第一会議室までお越しください』
「えぇ……呼び出しですか?」
「あら真白様、生徒会の納品確認ですもの。行ってきてくださいませ!」
お嬢様たちに背中を押され、私は立ち上がりました。
「お茶会、とても楽しかったです。皆様、また後ほど……」
家電量販店の記憶を「スマホ配布」という名目で誤魔化しきった女神たち。真白は知らないうちに、彼女たちによって完璧に構築された神代の超通信網「蒼天ネットワーク」の中にいた。ゴミ箱で焼かれている邪神をよそに、学院内では「生徒会セレクト」という名の平和な時間が過ぎていく。しかし、真白が偽装回線の正体を確かめる日は、刻一刻と迫っていた。




