一翻市の命名儀式、少女の名前は「真白」
役満の余波が残る境内の縁側で、記憶を失った少女に新しい「名」が授けられました。一姫の迷走するネーミングを退け、かぐや姫が授けた名は「真白」。何色にも染まらない無垢な輝きを持つ彼女に相応しいその名が、この街での新たな一歩を刻みます。名前が決まったお祝いに、一行は活気溢れる一翻市の街並みへと繰り出していくことになりました。
対局を終えた後、私たちは境内の縁側に並んで座った。
「お主、本当に自分の名前を一つも思い出せぬのかワン?」
ワン次郎の問いに、私は寂しく首を振った。
「名前がないのは不便ニャ! 一姫が最強の雀士、そして一翻市の新たな伝説にふさわしい名前をつけてやるニャ!」
一姫は立ち上がり、鼻息荒く宣言した。
「うーん……『役満・爆裂・肉まん』……いや、『ドラ・ドラ・リーチにゃ!』はどうニャ!?」
「却下だワン。お主のネーミングセンスは絶望的だワン」
呆れるワン次郎に代わり、かぐや姫が静かに私を見つめた。
「……その純粋無垢な瞳。そして、降臨した時に纏っていたあの清廉な輝き。妾には、お主が何色にも染まっていない、無垢な存在に見えるかや……」
彼女は扇子を畳み、私の額を軽く叩いた。
「『真白』というのはどうじゃ? 真実の白。お主にふさわしい響きだと思うが」
「真白……」
私はその名前を口の中で転がしてみた。不思議と、失われた記憶の断片がほんの少しだけ震えたような気がした。
「いい名前ですね。ありがとうございます」
「決まりニャ! 今日からお前は、魂天神社の居候、真白ニャ!」
琳琅はあなたの腕を掴んで早くも歩き出そうとしています。
琳琅:「真白の名前が決まったお祝いなのだ! 琳琅がとっておきの店に案内してあげるのだ!この先にある『龍の隠れ家飯店』の飲茶は絶品だよ! きみの勝利のお祝いに、一番高いメニューを頼んじゃおう!」
二階堂美樹:「ちょっと琳琅、奢ってもらう気満々じゃない! ……でも、これで少しはこの街のことが分かったんじゃないかしら? ここでは勝った者が『正義』。あなたの失われた記憶の手がかりも、案外、美味しい点心と一緒に見つかるかもしれないわね」
彼女は、勝った喜びよりも、次々と現れる不思議な住人たちのエネルギーに圧倒されつつも、少しだけこの「一翻市」での生活に希望を見出し始めました。
「真白」という名前を得たことで、少女は一翻市の一員としての産声を上げました。記憶の空白を埋めるのは、過去の追憶か、それともこれから積み重ねる新しい絆か。まずは腹ごしらえから。龍が案内する美食の先に、彼女の運命を動かす次なる出会いが待っているのかもしれません。




