世界の歩き方
5/30まで、平日(土日祝は休み)に投稿していきます。
なお、4/18までは、1日3回投稿します。
◇
小一時間後。
アイダは周囲を見下ろせる丘の上にいた。先ほどのゴブリンは、ルルナの助言でその死体を聖霊魔法で土中に埋めてある。血の臭いを辿って、仲間が来ることはないはずだ。
丘から遠く見下ろす先には、村があった。
「千年後っていうから、宇宙開拓時代でも来てるかと思えば‥‥‥どう見ても中世そのものだな」
『はい。文明は亜獣や魔獣との生存競争で一進一退を繰り返しています。端的に申し上げますと―――この世界において人間は、支配者ではありません。喰われる側です』
「‥‥‥さっきのゴブリンみたいなのが優勢な世界だと?」
『そう御認識ください』
なるほど、随分と物騒な千年後だ。となれば、まずは情報。あの村と接触したいが、金もなければ身元の保証もない。さて、どう自分を売り込んだものか。
『問題ありません。私は聖霊ですよ? マスターを祝福して見せれば、村人はマスターを聖霊の使いと認識します。この地の民は聖霊を信仰していますから』
「権威を借りるってわけか。詐欺みたいで気が引けるが‥‥‥」
『詐欺ではありません。事実、マスターは聖霊が千年かけて呼び戻した御方です』
「‥‥‥そう言われると、そうか」
そのとき、だった。
ぼんっ―――と、くぐもった爆発音。
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