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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第五章 切望を 叶えた者と 挑む者

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第83話 ドラゴン変化

 転移した先はやっぱり、いつもおなじみホムラの土地だった。


 ホムラは丁度いいとか言ってたけど、椅子とかがある場所がよかったんじゃ……。

 なんて思っていると、


「では、いつものように準備します」


 と、龍人族(りゅうじんぞく)の彼女が収納魔法から天幕に椅子、机を取り出し、あっという間に設置した。


「おう、助かるぜ」


 そして机の上にクロスを引き、三人分のティーセットとお茶菓子を流れるような動きで配置した。


「おお……。これは、すごい技術だな」


「さっき、こいつがヒカリそばの手伝いをしていた、ってのを聞いただろ。あの、ヒカリを、だ。……その頃はまだこいつに会っていなかったが、多分そん時も色々と努力をしてたんだろうな」


 そうだよな。

 ヒカリは、何でも一人で器用にこなしてるイメージだ。

 そんなヒカリの手伝いをするために、彼女は色々な技術を身につけたんだろう。


「手先は器用な方でしたので、そこまで大変ではありませんでしたよ?」


 ……本当だろうか?

 今までの話から、彼女はすごい努力家だと感じたし、大変な修行とかでもしれっとこなしてそうな気がする。



「では、せっかく****さん、いえ、ホムラさんに頂いた機会ですし、ハクト様に色々と質問させていただきます」


 ……ホムラには”さん”なのに、俺には”様”っていうのが何かちょっと気になるな。

 いや、初対面ってことで丁寧に接しているだけなんだろうけどさ。


 彼女の質問は主に、俺が魔皇たちと何をしたか、その時に何を考えていたか、なんて質問だった。


 ……俺はともかく、皆と何をしたかを色々と喋ってもいいのかな? なんて考え、ホムラに確認したところ


「ん? 別にいいんじゃねえか? ハヤテなんて、あちこちでハクトについて喋ってるぜ」


 という答えが返って来た。


 ……俺の事を話すのはいいんだけど、内容が誇張されたり、話に尾ひれがついたりしてないかちょっと心配だ。

 まあそうなっていたら全部ハヤテのせいにしておこう。うん。


 そんなこんなで、彼女には色々な事を話していった。


 特に、ハヤテがユズに正体を明かしたことなど、魔皇と人間が仲良くしていた話については他よりも熱心に聞かれたと思う。

 それと、ヒカリに関することもだな。


「……ありがとうございました。それともう一つ、お願いがあります。私と手合わせ、いえ、ハクト様の力をみせていただきたく思います」


 ……俺の力?

 それって、魔法のことだろうか。


「あー、えっとな。俺は戦うのは苦手だし、魔法も戦うための練習とかはしてないんだ。だから力を見せてと言われても、そもそも戦う力はないというか……」


「前にオレと二人で出かけた時も、色々な魔法を試しただろ? あれを見せればいいと思うぜ。それと、全力で魔力を解放してみる、とかだな。ここなら、どんなに地面がボコボコになっても心配はいらねぇしな」


 もしかして、ホムラが丁度いいと言っていたのはこれを見越してなのか?

 ……まあ、魔法を見せるだけなら全く問題はないけど。


 それと、魔力を全力で解放するっていうのはやったことがなかったし、一度試すのもいいかも。

 ……すっからかんになって気絶する、とかはないよな?


 まあ、ホムラがいるし大丈夫だろう、多分。


「それじゃ、ホムラが言った通り魔法を使ってみるか」


 とりあえず、座っていた場所からある程度離れた場所で魔法を使ってみた。


 威力が強い魔法だけでなく、魔石を使って属性のゴーレムを生成したり、ふぉんふぉんなる光の剣を振ってみたりと、とりあえず思いついたものを色々と見せてみた。


 そして、


「それじゃあ、魔力を解放してみるよ! ホムラ! やばそうだったら止めて!」


 と、少し距離が離れていたので叫びながら伝えておいた。


 うーんと、前に魔力を抑え方を教わった時に、その逆をすればいいと教わったよな。


 ……うん、魔力を一気に解放するのは怖いし、少しづつ解放していくか。


 段々と量を増やしていき、これで半分くらいかな? と思ったところで


「お、おい、ハクト! それくらいでやめたほうがいいんじゃないか!?」


 と、珍しくホムラの心配そうな声が聞こえた。

 隣で龍人族の魔族もこくこくと頷いていたので、解放をやめて席に戻ることにした。



「ハクト。かなりの魔力を解放してたが、大丈夫か?」


「ああ、別に問題はないけど……。感覚的にはまだ半分いったかな、ってくらいだったし」


 それを聞いた二人は少しの間絶句(ぜっく)していた。


 ……魔力を解放するのに気を使ってたから、どの位出てたのか気にしてなかったけど、もしかしてそんなにやばい量だったのか?


「最近は試してねぇが、オレが全力で解放してもあの十分の一くらいだと思うぜ」


 ……あかん。

 ソフィアからチートだとは聞いていたけど、魔皇を遥かに上回っているのは想像以上のチートっぷりだ。


 魔力を全力で、いや、そもそも解放するのは封印だな、うん。


「……ハクト様の力を見せていただき、ありがとうございます。最後のは大変おどろかせていただきました」


「ああ。……この魔力は、この世界に来た影響で身についたものなんだ。だから俺も、自分の事なのにかなり驚いてるよ。それで、なぜ俺の力を見たかったんだ?」


「……そうですね。その前に、私が光魔皇様に助けられた経緯(けいい)について、聞いていただけますか?」


 俺がうなずくと、彼女がその経緯を話し始めた。


 話によると、彼女は元々、魔物のドラゴンだったみたいだ。

 ドラゴンは永く生きる魔物で、時を重ねるごとに知能が発達するそうだ。


 ホムラから補足として、魔族を襲うのはほとんどが知能の低い若いドラゴンだと説明された。

 ……それと、ある程度若い方が肉が柔らかくて美味い、なんて言っていた。


 横に当人がいるのにそんな話、と思ったけど、彼女は全く気にした様子はなさそうだった。

 気になったので質問したところ、そもそも魔物は弱肉強食の世界なので、と説明された。

 ……なるほど。


 話は逸れたが、彼女はある程度年を重ね、魔族と同等の知能を持ったドラゴンになっていたそうだ。

 ドラゴン側から魔族を襲うことはほぼないが、その逆は度々あったらしい。

 とはいえ、今は完全になくなったようだが。


 それで、彼女がまだ魔物だった時には、ドラゴンを討伐することで力を示す、なんてことが一部の魔族の間で流行っていたらしい。


 そして彼女も、その標的にされてしまったのだが、


「その時、偶然通りがかった光魔皇様に助けていただきました」


 と、ヒカリに助けられたみたいだ。


 ……なるほどな。

 ヒカリはいわば、命の恩人ってやつなのか。


 ホムラからの補足によると、その時のヒカリは迷子になっていて、偶然その場に居合わせたみたいだ。

 ……ヒカリの迷子、グッジョブ。


 その後、ヒカリに念話魔法(翻訳魔法に近いものらしい)で感謝を伝えると、ヒカリからかなり驚かれたみたいだ。

 それまでのドラゴンの認識としては、知性が高くこちらを襲わない個体がいる、くらいのもので、会話ができるとは思われていなかったらしい。


 その後は、ドラゴンの生態を知るために度々ヒカリが彼女の元を訪れたようだ。

 時には、アオイを(ともな)って来たこともあったらしい。


 ヒカリたちと度々接する内に、ヒカリに恩返しがしたい、そばで仕えたいといった思いが段々と高まっていってみたいだ。

 そんな願いが天界に届き、創造神から試練が与えらたらしい。


 結果として、試練を達成した彼女は龍人族という存在になったようだ。

 ちなみに、それが切っ掛けになったのかは(さだ)かではないが、魔界には度々龍人族が生まれるようになったらしい。

 ……あの神様と話した感じでは、それが切っ掛けだと思うな。


 その後、ヒカリに仕えたいとお願いしたが断られてしまったようだ。

 けど、恩返しがしたい、そばで手伝いがしたい、というお願いはなんとか認めてくれたらしい。


 ヒカリとしては、偶然助けただけだし、ドラゴンの生態について色々聞けたからそれでお相子(あいこ)としたかったみたいだが、試練まで達成した彼女の想いに根負けしてしまったみたいだった。


 その後の流れとしてはさっき聞いた通り、手伝う中でヒカリに憧れ、色々な努力をした、って感じだな。


「そういう経緯があったのか。……それに、魔物から魔族になったって人にも初めて会ったから、驚いたよ」


 神様から聞いていたけど、まさかその実例に会えるとは思ってなかったからな。

 ……それに、魔物から魔族になったってことで、何というかその、もっと脳筋な感じの存在だと思ってた。


「それで、ハクト様に話を(うかが)い、力を見せていただいた理由について、ですが、先にお願いからさせていただきます。……最初はお試しで構いませんので、ハクト様に仕えさせていただけませんか?」


 ……ほへ?

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