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198_お礼

「また転移の魔法陣なんかにひっかかるといけないので、他の魔法陣を探す前に、もう一度身代わりの形代を作らせてください。」


 風音さんはそう言って、肩から斜め掛けにしているポシェットから形代を一枚取り出した。そして、その形代をテーブルに置くと、両手でフニフニッといくつかの手印を結びながら祝詞を唱えた。以前見た時よりも手印を結ぶ速度も速くなったようだ。


「มันเป็นคาถาทดแทน」


 風音さんの手から噴き出した霊気が形代に流れ込み青白く光る。


「さっきまで持ち歩いてたのよりも強い霊気を込めてあるので、おそらくこれである程度は大丈夫だと思います。そうだ、琥太郎先輩のも作っておきましょうか。」

「う~ん、どうしよう…、俺は持たない方がいいかなぁ。今、物凄く薄い「気」とか魔素みたいのを辿ろうとしてるんだけど、あまり強い霊気を纏った形代を身に着けちゃうと、そういうのが判りにくくなっちゃいそうなんだよね。」

「そっか…、まあ琥太郎先輩なら、別に身代わりの形代なんて無くても全く問題無さそうですから、全然大丈夫ですね。」


 琥太郎は風音さんが今作った身代わりの形代を首から下げているお札入れのような袋に入れるのを見届けてから、施術室の扉を開けた。


「この部屋にもあるね…」


 そう言って琥太郎がゆっくりと施術用のベッドの周りを調べていく。その後ろをついて歩く風音さんも、ベッドの周囲をキョロキョロと見回して、おかしな場所や違和感を感じる物などがないかを確認している。


「ぱっと見た感じだと、特に荒らされてたりとか、特別変わったところは無いですよね。以前に祟さんの呪いを防いでたお守りの石も棚に置かれたままだし。」

「うん、だけど……、あった、ここだね。ここからほんの少し漏れ出てる邪悪な感じの「気」みたいなのが、そっちの棚に置いてある石に流れていってる。漏れ出てる「気」の感じはさっきの待合室の魔法陣の場所と同じようなやつだから、恐らくここにも魔法陣が仕掛けられてるね。」

「うわっ、全然見えない上に、何をしたら魔法陣が発動するかがわからないから怖いですね…」


 風音さんはそう言いながら、先ほどよりも大きく離れた場所から琥太郎が指した魔法陣があるらしき場所を見ている。ついさっき魔法陣が発動して吸い込まれそうになっているので、今回はかなり警戒しているようだ。


「結局滝井さんも帰ってこないし、やっぱり滝井さんも魔法陣に吸い込まれてどこかに転移させられたと思って間違い無いよね。早く美澪と滝井さんを探し出さないと…。風音さんはこうして仕掛けられた魔法陣から、美澪と滝井さんを探し出す方法って何か知らない?」

「ごめんなさい。ちょっとすぐには思いつかないです。日本で古来から使われてる呪いとか陰陽術だったら何か出来る事があるかもしれないんですけど、これってそういうのとは違う、いわゆる魔術ですよね。魔術関連の知識は何も持ってないので、私もどうしたら良いかが今は全くわからないです。」

「そうだよね…、魔術かぁ…。祟りさんに相談してみようか。」

「えっ、祟さんですか? もともと滝井さんを呪ってた、あの祟さんですよね。」

「うん、あの人、日本の呪術的な事だけじゃなくて、魔術にもかなり詳しそうなんだよね。」

「だけど、仕事で呪いを請け負っていた滝井さんの事なのに、協力してくれますかね。」

「確かにあの人ってビジネスライクなところがあるから、本来はこういうのは仕事としてしか請け負ってくれないと思うんだけど、一応他にもお礼の方法はありそうなんだよね。」

「えっ、また力でねじ伏せて脅迫するんですか?!」

「違うってば。そういうのじゃなくて、本当に本来の意味でのお礼だよ。」


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