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199_髪の毛

 先日琥太郎は祟さんから、鉱石が纏っている「気」の量での仕分けや、纏っている「気」を取り除いて欲しいといったお願いをされていた。その際の「気」というのはいわゆる魔素だったと思われる。先日は断ったのだが、そのお願いをある程度聞いてあげれば、それなりに協力してくれるのではないかと考えているのだ。しかし風音さんにとっては、琥太郎が祟さんの自宅に乗り込んで家の中を無茶苦茶にした挙句に言う事を聞かせていた印象が強いようで、今回もそうした力技をイメージしてしまっているようだ。

 琥太郎が携帯を取り出して祟さんに電話をかける。


「もしもし、琥太郎です。夜分に突然すみません。」

「あっ、琥太郎さん、こんばんは。ついさっき仕入れの打ち合わせが終わって、これから帰るところですので全然大丈夫ですよ。」

「実は今、以前に祟さんが呪ってた滝井さんのお店にいるんですけど、そこに魔法陣が仕掛けられてまして、同居人の美澪が転移させられちゃったんです。それと状況からして、滝井さんも転移させられたっぽいんですよね。それで、祟さんなら魔法陣で転移させられた先がわからないかなと思って連絡しました。」

「う~ん、それは依頼って事でよろしいんですか。」

「このあいだ鉱石から「気」というか魔素みたいなのを取り除いたじゃないですか。誰かへの呪いに使わないっていう条件で、あの協力をまた少しさせてもらうって事でお願い出来ないですか。」

「本当ですか?! やります! 行きます! 滝井さんのお店って事は初台ですよね。今は大久保にいますんで、20分もあれば行けると思います。」


 琥太郎も協力はしてもらえるだろうとは考えていたものの、今は時間との勝負なので、どの程度の時間で対応してもらえるかどうかを懸念していた。しかし、琥太郎が鉱石の件を伝えたところ、琥太郎が思っていた以上に早く対応してくれそうだ。


「祟さん、この魔法陣が残っていれば転移先を辿れるって思って大丈夫なんですか。」

「そこにある魔法陣を元にというのも出来なくはないかもしれませんが、それよりも直接探す方が手っ取り早いように思います。琥太郎さんの話からすると、滝井さんと美澪さんは同じ場所に転移させられてる可能性が高そうですよね。琥太郎さんは、滝井さんか美澪さんの髪の毛とか切った爪とか、何か体の一部だったような物は用意出来ますか。髪の毛であれば数本でかまいませんので。もしも難しければ、身に着けていた衣類でもいけるかもしれないです。」

「美澪の髪の毛であれば大丈夫なはずです。」

「では、私がそちらに向かっている間に、美澪さんの髪の毛を用意しておいてもらえますか。」

「わかりました。祟さん、突然にも関わらず本当にありがとうございます。」

「いえいえ、先日の琥太郎さんが魔素を取り除いてくださった鉱石をもっと手に入れたいって思ってたんで、私としても願ったりかなったりです。それに転移の魔法陣が残っているのであれば、それは興味深いので見ておきたいですしね。もちろん私もお店の場所は把握しているので、とにかく急いで向かいます。」


 電話を切った琥太郎は、風音さんに祟さんからもらった話を伝えながら、急いで滝井さんのお店を出た。タイミングよくお店の前をタクシーが通ったので、そのタクシーに風音さんと乗り込み、いったん琥太郎の自宅へと向かった。寝起きしているベッドであれば、間違いなく美澪の髪の毛や虎の姿に戻った際の体毛などが多少は残っているはずだ。

 自宅に戻った琥太郎がベッドを確認すると、案の定美澪の髪の毛が枕元に落ちていた。枕とベッドから丁寧に髪の毛を探して、全部で8本の髪の毛を集める事が出来た。琥太郎の髪の毛とは長さが全く違う上、色も少し違っているので間違える事はない。更に、美澪の髪の毛は完全なストレートで、流伽の髪の毛は軽くウェーブがかかっているので、流伽の髪の毛と間違える事もないだろう。そもそも霊である流伽の髪の毛が落ちて残っているとも思えない。


「お待たせ。急いで戻ろう。」


 琥太郎は表に停めたタクシーで待ってもらっていた風音さんとともに、再び滝井さんのお店へと戻ってきた。祟さんはまだ到着していないようだ。


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