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前世でハマった育成系エロゲのモブキャラに転生した ~主人公ハーレムを眺めたいので、自分を育てつつ主人公をサポートします~  作者: 秋之瀬まこと
第二章

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第42話 一人の休日も色々はかどる

 五十嵐ジムに行って数日経ったある日の午後。


(今日はチーズケーキを作ってみよう)


 陽介は市営図書館で借りてきたお菓子のレシピ本を読んで、型など持っていない調理器具を先日ネットで購入した。

 それが先程、届いたのだ。


(必要な材料は全部スーパーに売ってるのは確認してあるし、買いに行くか)


 念のため、レシピ本の材料欄をスマホで撮って、陽介はスーパーに向かう。


(うへっ……! あっつぃっ……!)


 アパートから出た瞬間、ムワッとした湿度の高い空気が肌にまとわりつく。

 ギラギラした太陽。アスファルトからの照り返し。

 少し歩いただけでも、陽介の額や首、背中に汗が滲み出した。


 炎天下の中、歩いて十分ちょっと。陽介はようやくスーパーにたどり着く。


(ふぅぅっ……夏は店の中に入るだけでホッとするなぁっ……)


 冷房の効いた店内に入り、息を漏らした。


 汗を手で拭いながらカゴを持つ。

 そしてチーズケーキを作るのに必要な材料をカゴに入れていく。


(普段買わないものを買うのって少し新鮮だな。でもサワークリームとかフレッシュクリームって確か料理にも使えたはずだよな? 今度、レシピ調べてみるか~)


 そんなことを考えながら、今晩の夕食用の食材もカゴに入れてレジへ向かう。


 その途中で馴染みの中年パート店員――竹内敦子に声を掛けられた。


「星崎くん、夕飯の買い物……にしてはちょっと早めね?」

「こんにちは、竹内さん。ですね、今日は夕飯に使う食材以外にも欲しいものがあったので」

「へぇ~……あら、珍しいものを買うのね? お菓子を作るのかしら?」


 チラッと陽介が持つカゴを見ると、竹内はこともなげに言った。


「え? 見ただけでわかるんですか?」

「まぁ、メジャーなものなら大体わかるわ。そうね……砂糖にチーズ、ビスケットもあるし、チーズケーキってところかしら?」

「おぉ、正解です。ちょっとお菓子作りにもチャレンジしてみようかと思って」

「いいわねぇ。お菓子作り、頑張ってね」

「はい、ありがとうございます」


 竹内と別れ、必要なものを買い終わった陽介はアパートに帰ってきた。


「はぁぁっ……暑かったぁ……」


 クーラーのついた部屋に戻り、思わず声が漏れる。


 買ってきた食材を冷蔵庫に入れ、替わりに冷えた麦茶を出して、コップに注ぐと一気に飲む。

 炎天下の中を歩いて汗をかいた身体に水分が染み渡った。


(よし、少し休んだらベイクドチーズケーキの試作にチャレンジだ)


 休憩を済ませた陽介は早速、チーズケーキ作りを始める。


(レンジのオーブン機能、初めて使うなぁ……。オーブンを使う料理も結構あるし、これを機にオーブン使う料理も作ってみようかな)


 予熱の設定をしながら、そんなことを考える。


 チーズケーキの土台になるビスケットを細かく砕いたり、生地をかき混ぜたりと、思っていた以上に重労働だった。

 そして出来上がった土台と生地が入った型をオーブンに入れる。


(ふぅ……あとは焼けるのを待つだけだ)


 待っている時間が手持ち無沙汰だったので、オーブンレンジの窓から中のチーズケーキをスマホで撮って、咲月に送ってみた。


 すぐにメッセージが返って来る。


常陸院咲月:『わぁっ、チーズケーキ作っているのですね!』

星崎陽介:『ああ、初チャレンジだからどうなるか、わかんないけど……』

常陸院咲月:『きっと上手くいきますよっ』

常陸院咲月:『たとえ失敗しても、練習すれば大丈夫ですっ』

星崎陽介:『そうだな。俺も上手くいくまで練習するつもりだ』


 しばらくの間、咲月とメッセージのやり取りをしたのだった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


(おぉ~ちゃんとチーズケーキの匂いがするぞっ!)


 焼き上がったケーキの粗熱をとってから、冷蔵庫に入れて冷やす。


(今のうちに残ってる家事を片付けるか。そのあとで小説読もっかな)


 風呂掃除をしたあと、洗濯物を取り込み畳んでクローゼットに仕舞う。

 そしてレシピ本と一緒に図書館で借りた海外の恋愛小説を読み始めた。


 夕食に豚肉多めの冷しゃぶを作り、食べ終わってから、冷蔵庫でしっかりと冷やしたチーズケーキを取り出す。


(さぁ……出来はどうだろうな?)


 型の側面と底面を外して、皿に載せた。


「おぉ……これはちゃんとチーズケーキの見た目だわ」


 スマホを取り出して写真を撮って、また咲月に送る。

 返信を待っている間に食べやすいサイズにカットし、それも写真に撮った。


星崎陽介:『写真添付』

常陸院咲月:『わぁっ♪ チーズケーキですねっ』

星崎陽介:『写真添付』

星崎陽介:『今からデザート代わりに試食する』

常陸院咲月:『いいですねっ! 私も食べてみたいですっ』

星崎陽介:『上手くできたらな~』


(それじゃあ、いざ実食っ……!)


 切り分けたベイクドチーズケーキにフォークを入れ、一口大にする。

 そして口に運んだ。


「んっ……おおっ、ちゃんとできてるっ!」


 チーズ部分はしっとりと濃厚で、チーズの味がしっかりとしている。

 土台部分は砕いたビスケットがサクサクとしていて、チーズ部分との食感の違いがいいアクセントになっていた。


 間違いなく成功と言っていい出来だ。


星崎陽介:『いい感じにできたから、今度作って持って行くな』

常陸院咲月:『成功してよかったですっ!』

常陸院咲月:『ありがとうございますっ。楽しみにしていますねっ♪』

星崎陽介:『うぃ、そん時も頑張って作るわ』


 一つ食べ終わり、ついついもう一つ食べてしまう。

 そして残りは冷蔵庫にしまった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 ベイクドチーズケーキが上手く作れた次の日。

 午後に宅配便が届いた。


(ここまで運ぶの大変だっただろうなぁ……)


 心の中で配達員に感謝しつつ、梱包をいていく。


「おおっ~……これで筋トレも更に捗るな」


 陽介はバイト代でダンベルとアブローラーを通販で購入したのだ。


(ちょっとだけ使ってみようかな)


 早速、ダンベルで軽く筋トレをしてみた。

 陽介が買ったものは可変式なので、まずは6Kgから始める。


(これはいいなっ。腕立ても好きだけど、ダンベルも別のよさがある。あ、そうだ)


 陽介はダンベルとアブローラーを一箇所にまとめて写真を撮り、信司と五十嵐に写真を送った。


四季信司:『わぁ、本当に買ったんだね!』

星崎陽介:『おう。これからもしっかり鍛えるぜっ』

四季信司:『頑張ってっ! 怪我には気をつけてね~』

星崎陽介:『そうだな、気をつけるよ』


五十嵐康太:『おお、カラー式か。いい買い物だと思うぞ』

星崎陽介:『だよな。将来的にプレートを買い足すことも考えてるからさ』

五十嵐康太:『それが利点だよな~』

五十嵐康太:『それにアブローラーも家で腹筋鍛えるなら手軽で最高だと思う』

星崎陽介:『五十嵐にそう言われると、使うのが楽しみになってきたぜっ』


 友達に筋トレ器具を見せびらかせて満足した陽介だった。

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