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前世でハマった育成系エロゲのモブキャラに転生した ~主人公ハーレムを眺めたいので、自分を育てつつ主人公をサポートします~  作者: 秋之瀬まこと


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第10話 友人と遊びに行く

 GW初日。

 陽介は今日、午後から四季信司と遊びに行く約束をしている。

 日課のジョギングや勉強は午前中に終わらせたので、なんの憂いもなく遊べる。


(ゲーセン……っていうかアミューズメントセンター行くなんて、前世の大学時代以来だなぁ)


 そんなことを考えながら、待ち合わせ場所の駅前オブジェの前で待つこと二~三分。

 信司が改札を抜けて、陽介の方へ向かってきた。


「ごめん、待たせちゃったかな?」


 小走りで寄ってくる信司。

 その仕草はどこか子犬っぽい。


「いや、俺も今さっき来たところだ……って、このやり取りを野郎同士でしたくはないな……ぷぷっ」

「あははっ、確かに」


 顔を見合わせたあと、二人揃って吹き出す。


「そんじゃ、さっさと行こうぜ。時間は有限だっ」


 アミューズメントセンターに向かって歩き始める二人。


「星崎くんの服装、おしゃれだね?」

「ん? そうか?」


 今日は身体を動かすこともあるだろうと、陽介は比較的ゆったりとした動きやすい服装を選んできた。

 ジャージ素材の紺のジャケットにVネックのボーダーシャツ。八分丈のベージュ色のパンツにデッキシューズ。


「うん、なんか大人っぽい感じがするよ」


 正直な話、服は前世の記憶が戻る前から陽介が持っていたものだ。

 元の陽介の記憶をサルベージすると、どうやら母が買ってきた服のようだ。


(母さんのセンスがいいって凄く楽だなぁ……っていうか、俺もそのうち『魅力』のステータス上げもしていこうかな)


 さすがに本当のことは言えないので、


「う~ん、四季のいう大人っぽいっていうのはよくわからんけど……今、センスを磨いてる最中なんだ。ほら、せっかく高校生になったんだし、おしゃれにも気を使いたいじゃん?」


 当たり障りのないように答える陽介。

 おしゃれに気を使いたい、というのは本心だからセーフだろう。


「ほえ~なるほどねぇ」


 そして信司は陽介の言い分に納得してくれたようだった。


「四季もファッション雑誌、買って読んでみたらどうだ? それか幼馴染たちに丸投げするとか」

「ファッション雑誌読んでセンス磨けるの?」


 信司は歩きながら首を傾げる。


(四季が秋海綾子のルートを開放するためには『魅力』のステータスがそれなりに必要だし……それとなく四季の服装のセンスを高めるように誘導してみるか?)


 そう思って、前世での服の買い方を教えてみることにする。


「多分? 個人的にはマネキン買いが失敗が少ないと思うぞ」

「マネキン買い?」

「服屋で一体のマネキンが着てる上下の服を一式買っちゃう買い方のこと。マネキンのコーディネートって店員がやってるからそこそこ流行に乗ってるし、そもそもマネキンが着てるのを見れるから自分が着てるのもイメージしやすいだろ?」

「あ~確かに。その買い方、今度してみようかな」

「いいと思うぞ~。なにより、楽だしなぁ」


 信司のファッションセンスは別に悪くはないと思う。

 なので、きっかけさえあればセンスも伸びていくだろう。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 アミューズメントセンターに到着し、早速二人はゲームコーナーにやって来た。


「さて、なにからやる?」

「う~ん、まずは格ゲーとかどう?」

「おう、いいぞ~。ちなみに俺は格ゲーめっちゃ弱いからな」

「え、意外だね。なんか星崎くんってなんでもスマートにこなせるイメージあるんだけど?」

「なに言ってんだよ……俺は全然スマートな人間じゃないぞ?」


 むしろ陽介本人の認識では、要領の悪い方だと思っている。

 だが、信司は陽介の言葉に首を傾げていた。


「ま、とにかく格ゲーやるぞ!」


 信司を連れて、格ゲーの筐体きょうたいが集まっているエリアを進む。

 そして、長年続くシリーズものの格ゲーの台に座った。


 硬貨を入れて、信司との対戦を始める。


(う~ん、やっぱアーケードのコントローラーって慣れてないから難しいんだよなぁ……いや、仮に慣れてても格ゲーは苦手なんだけどな)


 チラチラとコマンド表を見ながら、陽介はコマンド入力を試してみる。

 だが上手く技が出ず、信司にボコボコにされた。


 さすがにパーフェクトKOはされなかったが、一度も有名な技は成功しなかった。


 待っている客がいなかったので連続で対戦し、陽介は全敗した。


「な? ド下手くそだろ? 正直、そもそも技が出せないんだよなぁ……」

「あぁ……アケコンも普通は家にないしねぇ……」

「一応、実家からゲーム機は持ってきてるんだけど、アケコンは持ってないな。だいたい、自分が格ゲー苦手なのわかってるから格ゲーのソフトも買わないしなぁ……」

「ちなみに星崎くんはどういうゲームするの?」

「引っ越してからは一回もやってないけど……昔はモンスターを一狩りしにいくやつとか、FPS系とか……レースゲームとか? あとはRPGで永遠とレベリングしてみたりとか」


(ホントは前世ではエロゲにドハマリしてました)


 さすがにそれは言えないので、前世で中高時代にやっていたものを上げた。


「なるほどねぇ……じゃあ今度、オンラインで一狩り行こうよ」

「お、それならいいぞ。多分、足を引っ張ることはないと思う。……でもちょっと不安だから、先に一人でコソ練しておくわ」

「あははっ、別にコソ練なんてしなくていいのに。星崎くんは真面目だねぇ」


 そんなことを話しながら、次にプレイするゲームを探す。

 そして、自分が足を引っ張らないで済みそうな協力ゲームを見つけた。


「四季、あれとかどうだ?」

「お~ガンシューティング、いいね」


 銃型のコントローラーを画面に向けて、迫ってくるゾンビを打ち倒すゲームだ。

 陽介と信司は並んで銃型コントローラーを手に取って、硬貨を入れる。


「おっしゃ、ヘッショっ!」

「ナイス~。あ、僕もヘッショだ!」

「ナイスっ! このままノーコンでクリアするぜっ」


 格ゲーではボロボロだった陽介だったが、シューティングではかなりの腕前を見せ、信司のサポートまでこなす。

 そして、ノーコンティニューでラスボスまでたどり着く。


「くぅぅっ……ボスはさすがに堅いなっ……! 四季っ、とりあえずは極力、頭を狙ってくれ!」

「わかったっ……!」


 ボスが腕を振り上げて攻撃モーションに入った。

 そのタイミングで陽介は、振り上げられたボスの腕を狙い撃ちして、攻撃をキャンセルする。


「星崎くん、ナイスぅ~!」

「四季もナイス削りっ。このまま押し切るぞっ!」

「了解っ……!!」


 それから数分後。

 陽介と信司はボスのライフゲージを削りきったのだった。


「よっしっ! ノーコンクリア達成だっ!」

「やったね、星崎くんっ! 凄いエイム力だったよっ!」

「サンキュっ。四季もナイスプレイっ!」


 二人はハイタッチして、互いの健闘を称え合った。


(やっぱり対戦ゲームよりも、基本的には協力ゲームの方が好きかもなぁ……)


 その後、信司についていってロボットを操縦するバトルゲームや、レーシングゲームをプレイし、ゲームを楽しんだ陽介と信司。


「そろそろ一旦休憩にするか?」

「そうだね~。喉、乾いたかも」


 休憩コーナーの自販機で飲み物を買って、陽介と信司は側に設置されているベンチで一休みする。


「いや~久しぶりにくると楽しいな」

「だね。それにしても星崎くんって、本当に格ゲーが苦手だったんだねぇ。他のゲームは凄く上手いのに不思議だよ……」

「それは俺も前々から不思議だとは思ってる。なんか上手くできないんだよな。ただまぁ……練習が足りないんだと思うんだけど、格ゲーって練習してまで上手くなりたいっていう熱量がないんだよなぁ……」

「まぁ、ゲームの好きなジャンルって人それぞれだもんね」

「それな! 休憩終わったら、次はどうする?」

「ん~……星崎くんは? 結構、僕のやりたいゲームを優先してもらったからさ。次は星崎くんのやりたいのをやろうよ」

「四季ぃ……いい奴や……。う~ん、それじゃあ、バッティングは?」

「うん、いいよ」


 こうして休憩後、併設されているバッティング施設に行くことになった。


(これは四季の『運動』のステータスがどの程度上げっているかのチェックもできるな……なんとなく、身体を動かしたいから提案したんだけど、結果オーライだな)


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 バッティング施設にやって来た陽介と信司。

 二人で交互にバッティングすることになった。


 最初は信司がバッターボックスに入る。


「くっ、ぅっ……当たるんだけど、なかなか飛ばせないなぁ……」


 まだまだ信司は初期値に近い状態のようで可もなく不可もなく、といった感じだ。

 それでも球はしっかりと見えているみたいで、空振ることはなかった。


(う~ん……夏川奈々のルートを開放するためにも、運動も鍛てもらわないとなぁ……。ヒロイン四人のルートを全部開放すれば、ハーレムルートに入れるわけだし)


 そんなことを考えながら、陽介は信司と入れ替わってバッターボックスに入る。

 そして、飛んでくるボールを見据えてバットを振った。


「くぉぉッ……!!」


 カキーンッと小気味いい音が鳴り、ボールがホームランの場所まで打ち返された。


「おおっ! 星崎くん、凄いねっ!! ホームランだっ!」

「いやいや、今のはまぐれだろ……」


 さすがにそれ以降はジャストミートすることはなく、ヒットに留まった。

 それでも全ての球を打ち返した陽介であった。


 その後、二回ずつ交互にバッティングを楽しんだ陽介と信司は、小腹を満たしにハンバーガーショップに寄る。

 ハンバーガーを食べつつ、ポテトをつまみながら駄弁る二人。


 また今度身体を動かす遊びをすることと、夏服を一緒に買いに行く約束をしてこの日は解散したのだった。

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