【コメディ回:五郎、会議を開かれる】
第一回・五郎サミット 議事録
【出席者】
石川数正: 議長。五郎プロジェクトの創始者。※本来は幽霊だが、作者特権により実体化して参加。
本多忠勝: 警護担当。五郎の「素」を知る数少ない武力行使要員。※数正と同じく、作者特権により実体化。
本多正信: 脚本・演出担当。五郎の「アリバイ」工作に命を懸ける男。
阿茶局: 実務・帳簿担当。徳川の家系図を偽造し続ける最強の裏方。
天海(石田三成): 計算・共謀担当。五理(物理)を超えた五郎に呆れる僧。
数正: 「えー、本日はお集まりいただき感謝する。三方ヶ原で私が五郎殿を拾ってから四十余年。本来なら私と平八郎(忠勝)はとうの昔に仏になっているはずだが、今回は『作者特権』という得体の知れぬ術により実体化させてもらった。……でなければ、あの男の愚痴を言わずに成仏などできんからな」
忠勝: 「左様! 殿のあまりの無茶苦茶ぶりに、草葉の陰から見ていて思わず三途の川を逆泳ぎして戻ってきてしまいましたぞ!」
正信:「無茶苦茶といえば、まずはあの『お静事件』ですよ! 阿茶殿、あの時の私の絶望がわかりますか? この私が完璧に積み上げた家康公の『禁欲な求道者(洗濯場には絶対行かない)』という設定が、まさか己の首を絞め『偽造不能』という皮肉な結果に終わるとは……思い出すだけで指先の紐が絡まりますぞ!」
阿茶: 「正信殿、泣きたいのは私です。秀忠様の不始末をすべて殿の『絶倫伝説』に書き換える私の筆が、どれほど悲鳴を上げているか。最近では筆が勝手に『殿、またですか』と動く始末……」
数正: 「……お前たち、苦労しているようだな。私が松本に奔ったのは、彼に『自分を捨てろ』と教えるためだったのだが……」
正信: 「苦労どころの話ではございません! お静事件などまだ可愛いものです。極めつけはあの大坂夏の陣ですよ! 私がどれほど精密で安全な台本を書いたと思っている! それを『私が……』と表に出て素手で真田の槍を掴むなど、どの筋書きにも書いておりませぬぞ! あの時、私がどれほど腰を抜かしたか……指に鷹の緒が食い込んで血が出たのですぞ!」
天海: 「正信殿の言う通りです! おかげで私も動揺し、徳川の重臣たちがひしめく天幕の中で、あろうことか『五郎殿! 死んではならぬ!』とうっかり本名を叫んでしまったではないですか! あやうく天下の真ん中で身バレするところでしたよ! あの時、冷や汗で私の算盤も寿命も弾け飛びました!」
全員: (一斉に深いため息)
阿茶: 「……ところで、肝心の五郎様はどこへ? 今日のサミット、ご本人も出席すると言っていたはずですが」
正信: 「おや、そういえば。先ほど『サミットに行ってくる』と、妙にやる気満々で部屋を出ていかれましたが……」
忠勝: 「サミット? この会議のことではなかったのか?」
そのころ、五郎は…
五郎: 「ふふ〜ん♪ サミッ〇、サミッ〇〜。今日はポイント三倍の日だとお愛が言ってた気がするぞ(※幻聴)」
五郎: 「お、この大根は安いな! さすがサミッ〇だ。三成殿が『算盤が合わぬ』と怒りそうだが、主夫の勘ではこれは買いだ! 帰りにお饅頭も買って……あ、正信のあやとり紐の替えも買っておいてやるか」
店員: 「お客様、お会計460円になります」
五郎: 「よし。……あ、領収書の宛名は『徳川家康』で頼む。……いや、やっぱり『五郎』でいいか。今日はオフだしな!」
家臣たちが必死に「天下の主」としての威厳を議論している間、当の主君は近所のスーパーの安売りで一喜一憂していた。
数正: 「……もういい。解散だ。幽霊になってまでアイツには勝てん」
天海: 「……ええ。私の算盤を壊したのは、家康ではなく、あの買い物袋を下げた男です」
阿茶: 「皆様、お疲れ様でした。……あ、五郎殿から伝言です。『今夜は豚汁だから、みんなで食べていけ』だそうです」
忠勝: 「……(文句を言いつつ、一番大きな椀を持って待機)」
全員: 「……(結局、食べる)」




