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わたしのしあわせ  作者: mikataka
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わたしのしあわせ 55

月曜日の仕事が終わってお隣で晩御飯の準備をしてると、こうちゃんが帰ってきたの。

私「お帰り」

こうちゃん「ただいま、部活行ったらみんな知ってたよ」

私「そうなの?佐藤さんたちが言っちゃったの?」

こうちゃん「そうじゃなかったよ。佐藤達は約束守ってくれたんだけど、男の先輩に見られてたみたい、たいへんだったよ」

私「そうだったんだ」

こうちゃん「だから付き合ってるのばれた」

私「まっ良いじゃない、その内ばれただろうし、こうちゃんもそれでもいいって言ってたでしょ?」

こうちゃん「うん、先輩の中には落ち込んでる人もいたけどね」

私「そうなんだ、でも剣道部の女の子もかわいい子いるじゃない、大丈夫だよ」

こうちゃん「そうだよね、美佳ちゃんにちょっかい出されるより良いよね」

そんなふうに見てくれる男の子もいるんだね、意外。

私「年上のお姉さん効果かなぁ、私モテた事無いから意外だよ」

こうちゃん「そうかな、美佳ちゃんって普通にかわいいと思うけど」

私「こうちゃん、よくめ入ってない?」

こうちゃん「そんなこと無いよ、女子も含めてみんなかわいいって言ってるよ」

私「そうなの?かなりびっくりだよ、かわいいなんて言われた事無かったし」

こうちゃん「もっと自覚して、警戒してよね」

私「わかった、ありがとう」

今時の子にはかわいく見えるのかな?びっくりだよ。


次の日会社で後輩の女の子に話したら

「美佳さんって普通にかわいいと思いますよ、彼氏出来たって噂聞いてがっかりしてた人もいましたよ」

「そうなの?知らなかったよ、モテた事無いから意外」

「美佳さんって仕事モードだと厳しいからじゃないですか?後輩には優しいし、気が利いて仕事も出来るから上の人にも好かれてるし、普通にモテてますよ」

「私、恋愛に興味無かったからね、ニブイのかなぁ」

「脚もキレイだから、脚フェチにはたまらんです」

「ハハハっ」

知らなかったよ、それでもこうちゃんしか見えてないけどね。

こうちゃんの自慢の彼女になれてるみたい、何よりもそれが嬉しい。


土曜日、お父さんの運転で部活に行ったの。行くと佐藤さんのお母さんも来ていてご挨拶。

先生が来て「今日は見学に来て頂いてありがとうございます。毎週土曜日は平日の内容に加えて特別メニューも有ります。お子さんがどんな稽古をしているか、よくご覧になって下さい。どれだけ真剣に取り組んでいるかを見てあげて下さい。激しくて心配になるかもしれませんが、どうぞ最後まで見てあげて下さい。森田君も佐藤さんも初心者ですから、剣道の稽古をご覧になるのは初めてだと思います。2人とも毎日真剣に取り組んでいます、よろしくお願いします」

私は前回見てるから心の準備が出来てるけど、みんな心配になるかも。


いよいよ始まった。

最初の準備体操、素振りが終わって整列、今日の特別メニューは「あらい」って言うのをやるって。

「あらい」って凄かった。受ける人が4人ジグザグに間隔を開けて並んでる、ほかのみんなは道場の後ろに並んでる、今日の先生は父兄について解説。マネージャーの笛で開始。前回見たかかり稽古なんだけど、最後の4人目まで連続、時間は今回も10秒。体当たりで弾き返されたり、抜ける時に後ろから叩かれたり、それを40秒連続。終わった子が膝に手をつくと先生から「体を起こせ!」って怒鳴られる。休めない分、先週の円陣よりもキツイ。みんな終わると、受ける役だった子達が交代して同じ事をするの。激しい!終わると水分補給と防具直し、休憩無しにみんなびっくりしてる、私も先週びっくりしたもん。


全て終わると先生とお話。

先生「今日はいかがでしたか?」

お父さん「ここまで激しいとは思いませんでした、ほかの学校もこんなに激しいんですか?」

先生「それは学校によりますね、私が出た高校ではこれよりも激しい稽古でしたし、ゆるいところはもっとゆるい稽古です。平日は今日の内容から特別メニューを引いた内容です」

佐藤さんのお母さん「うちの子は今までスポーツって経験無いんですけど、ついて行けるのか心配になります」

先生「佐藤さんは根性も有るし上達も早いです。初めて防具を付けて参加した頃は最後まで立ってるのがやっとという感じでしたが、今ではしっかりついて来ています。森田君もそうなんですが、初心者2人の上達の早さは、これからに期待したくなるほどです。ご心配は要らないと思います」

やっぱりこの先生は良い先生だ、情熱が伝わって来る。

先生「これはご理解頂きたい事なんですが、剣道はスポーツでは無く武道です、武道の本質は殺し合いです、だからこそ安全には細心の注意をしますし、礼儀にも厳しい。彼らは毎日一生懸命頑張ってます、これからの彼らの成長を見守って下さい、お願いします」

お父さん「よくわかりました、ここは先生を信じて息子を託します、よろしくお願いします」

佐藤さんのお母さん「私もおまかせします」

先生「ありがとうございます」

やっぱり本人達のヤル気が伝わったのかな。


先生「井上さん、早速動いて頂いて本当にありがとうございます。ほかの子達は経験者ですから、親御さんの理解も得やすいと思います。初心者2人の親御さんに理解して頂いたのはありがたい事です、ありがとうございます」

私「私は声をかけただけです、納得させたのは先生の熱意とあの子達のヤル気ですよ、これからも時々見学に来ますね」

この先生だからこそ、みんな一生懸命なんだろうね。ホント良い先生に恵まれて、こうちゃん達は幸せだよ。


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