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わたしのしあわせ  作者: mikataka
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わたしのしあわせ 46

こうちゃんの初試合の日、見に行くと大勢来てたの、それでも公式戦よりは少ないらしいけど。

この日の服は長めでフリンジ付けたデニムスカートに、上は白いポロシャツ、足首丈の白い靴下に、筑波山の時に買ったローカットのトレッキングシューズ、無難におとなしい感じ。

靴を脱いで袋に入れてこうちゃんを探してると、審査の時の佐藤さんがいたの。

佐藤さん「美佳さん来てくれたんですね」

私「うん、こうちゃんの初試合じゃ見ないわけにはいかないからね」

佐藤さん「あの後みんなに話したら、みんなこうちゃんって呼んでるんですよ。美佳さんの事も話したら、みんな会いたがってますよ」

私「そうなの?見たらがっかりするんじゃない?」

佐藤さん「そんなこと無いですよ、美佳さんかわいいから」

私「ありがと」

佐藤さん「そのスカートかわいいですね」

私「ありがと、これはうまく作れたから私も気に入ってるんだよ」

佐藤さん「これ、作ったんですか?」

私「加工したんだよ、切ってフリンジ付けたの、やってみると簡単だよ」

佐藤さん「自分でやったんですか?すごい!」

私「今度教えようか?」

佐藤さん「いいんですか?お願いしたいです!」

私「それじゃ今度私のアパート来る?」

佐藤さん「はい!それじゃLINE交換しませんか?」

私「試合が終わったら相談しようね」

佐藤さん「はい!」


みんながいる所に行くと佐藤さんが「こうちゃん、美佳さんが来てくれたよ」

私「応援に来たよ」

一緒にいた男子達が一斉に「お~」だって。みんなから見たらおばさんでしょ?やめてよ、照れるよ。

佐藤さんが他の女の子達と話してて、『かわいい』とか『いいな~』とか言ってたの。

こうちゃんの所に行って「来たよ」って言うと、周りの男子達から注目されたの。

恥ずかしいけど、ちょっと嬉しい。

こうちゃん「こちらが話題の美佳ちゃんです」

話題ってなに?

私「どういう事?」

こうちゃん「佐藤がこの前の事をみんなに話したら、みんな美佳ちゃんに会いたがっちゃったんだよ」

私「そうなの?」

こうちゃん「うん、佐藤がすごくかわいいって話しちゃって、ごめん」

まいったよ、私みんなよりすごく年上なのに。

私「みんながっかりしたんじゃない?」

こうちゃん「そうでもないみたいだよ」

他の子がこうちゃんを引っ張って、小声で「紹介しろよ」って。

一通り紹介されたの、部員が少ないからすぐに終わったけど。

私「井上です、こう見えても25歳の社会人です。これからも時々見に来ると思いますが、よろしくお願いします」

男女共に拍手されて、めっちゃ恥ずかしかったよ。


開会式が終わって試合開始。

最初は団体戦。

5人で戦うんだけど、今年の一年生を含めた新チーム、これはこうちゃんの出番無し、これは仕方ない。

地域の小さい大会だから午前中に決着、一回戦負け。

進学校だし部員少ないし、これは仕方ない。

仕方ないけど先生は仕方なくないみたい、般若の顔ってこういうのを言うんだね。


お昼の後に個人戦、これにはこうちゃん含めた一年生男子2人と女子3人が出場。男子の同期は小学生から剣道やっててけっこう強いらしい。女子も小学生からで、そこそこ強いらしい。それに初心者2人の5人。

まず佐藤さんから。

佐藤さん「美佳さん」

私「ん?」

佐藤さん「あれ、お願いします」

私「ああ、あれ?いいよ、向こう向いて」

背中をバンバンバンして「行ってらっしゃい」

佐藤さん、大きな声で「おー!」

やっぱり審査とは気合いが違うね、佐藤さんの相手も初心者みたいで、なんとなくぎこちない試合。

というか、この前の審査みたい。そして佐藤さんの勝ち!帰って来た佐藤さん、すぐに先生の前に正座して「お願いします」って。先生から試合の事をいろいろ言われてた。

戻った佐藤さん捕まえて「すごいじゃない、初試合で初勝利、すごいよ!」

佐藤さん「先生も誉めてくれました、落ち着いて動けてたって。美佳さんのおかげですよ、あのバンバンバンでスイッチ入りました」

私「役にたてて良かったよ、次の試合でもやるからね」

佐藤さん「お願いします!」

別コートで今度はこうちゃんの出番。

私「緊張してる?」

こうちゃん「うん、あれやって」

背中をバンバンバン「行ってらっしゃい!」

こうちゃん「おー!」

でもね、こうちゃんの相手の子、強かったのよ、あっという間に負けちゃったの。先生のお話聞いて戻ったこうちゃん

こうちゃん「相手が悪かったけど落ち着いて動けてたって。まあ初心者だから仕方ないけど、やっぱり瞬殺は悔しいよ」

私「こうちゃんはこれからでしょ?良いきっかけになったんじゃない?」

こうちゃん「うん、このままじゃ納得出来ない、頑張るよ、強くならなきゃ守れないからね」

負けたけど良いスイッチになったみたいね、そんな感じで話してたの。そこにもう1人の男子が来て

「井上さん、僕にもあれ、やってもらっていいですか?」

私「いいよ、向こう向いて」

その子の背中にもバンバンバン

私「行ってらっしゃい!」

「ありがとうございます!行ってきます!」


その子はパパンって快勝。

私「あの子強いね」

こうちゃん「うん、中学では関東大会までもう少しだったって。仲良くしてるし、稽古相手になってもらうよ。当面の目標はあいつ」

こうちゃんやる気の目、カッコいいぞ、こうちゃん。今度はもう1人の女の子。

「私にもあれ、お願いします!」

私「よし!向こう向いて」バンバンバン「行ってらっしゃい!」

「行ってきます!」

この子は相手が悪かったみたい。粘ってたけど負けちゃった。

私「惜しかったね」

「はい、あの子中学からよく当たってて、勝ったり負けたりです。でもバンバンのおかげで落ち着いて出来ました、ありがとうございます」

佐藤さんの2回戦。バンバンバンしたけど相手が強くて負けちゃった。残るは同期の男子。試合の度にバンバンバンしたけど、どんどん勝ち進んで優勝したの。すごいじゃない。



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