わたしのしあわせ 44
お母さんとこうちゃんが私のいる部屋に来たの。
こうちゃん「お母さんからはどんな話かは聞いて無いよ、でも覚悟は出来てる。何を聞いても気持ちは変わらない自信は有る。聞かせてくれる?」
お母さんが私の隣に座って、私の手を握ってくれたの。
お母さん「終わるまでこうしてるから、頑張って」
私、話し始めたの。
ふられた時に言われた事から初めたの。
最後に電話であいつに言われた事、こうちゃんに助けられた事、あいつが逮捕された事、法で裁いてもらう為に警察に協力する事、これをこうちゃんに知らせないままじゃ、こうちゃんを騙してる事になると思った事。
途中涙が出始めて、お母さんに支えられながら、なんとか最後まで話せたの。
私「これが、こうちゃんが知らなかった私。軽蔑されても嫌われても、私は受け入れる。私は汚された女だから、こうちゃんのそばにいちゃいけないとも思ったし、消えるべきとも思ったの。覚悟は出来てる、気持ちが変わったなら正直に言って欲しい。あなたの為なら、私は消える。あなたの為なら、今の幸せを捨てる。あなたの為なら・・・」
続けられなかった。
こうちゃん怒ってる、拳を握りしめて、下を向いて、ブルブル震えてる。
こうちゃん「許さない、その男、絶対に許さない、殺す」
お母さん「こう、気持ちはわかるけどそれはダメ!美佳ちゃんがこうに話せなかった理由のひとつがそれなのよ、あんたが犯罪者になったら美佳ちゃんもお父さんもお母さんも、みんなが不幸になる。あんた、傷ついて泣いてる美佳ちゃんをもっと傷付けるの?」
こうちゃん「わかったよ、美佳ちゃんごめん」
私「うん」
こうちゃん「美佳ちゃん、俺の気持ちは変わらない、今まで以上に守りたいって気持ちが強くなった。だって美佳ちゃんは悪くないじゃん、悪いのはその男だろ?俺は美佳ちゃんを守る、あの時に俺が助けたんなら今度も助ける、だから消えるとか絶対に言わないでよ、言ったじゃん、俺は美佳ちゃんだけがいいんだよ、美佳ちゃんじゃなきゃ嫌なんだよ、俺はずっとそばにいる、美佳ちゃんは俺が助ける」
首に抱きついて泣いたの。何度も『ありがとう』って言いながら。
こんなにも愛されてる。
私は幸せ。
もう怖くない。怖くはない。でも、つらい記憶なのは変わらない。
警察には何度か呼ばれたの、何回も同じ事を聞かれたの。
警察は内容が変わらないかとか、思い出して、もっと詳しく話が聞けるとかで、最低3回は同じ事を聞く物らしい。
そうなんだろうけど、それはやっぱりつらかった。
でもね、頑張ったよ、泣きながら頑張ったよ、いつもお母さんが一緒に来てくれたしね。5回だったかな?呼ばれたの、それからは呼ばれなくなったの。
裁判が始まったら証言できるか聞かれて、証言しますって答えたの。プライバシーは保護するって言われたし、あいつの顔は見えないようにしてくれるって。
多分またつらい事になると思うけど、やってやるって思った。
その後少しの間、お隣にいそうろうさせてもらって「このまま住んじゃえば?」って言われたけど、アパートに戻る事にしたの。そのまま住み続けたい気持ちも有ったけどね。それはやっぱり甘え過ぎだし。
その間にこうちゃんは、入学前に言ってたように剣道部に入って剣道を初めたの。道着袴のこうちゃんはやっぱりカッコいい。初心者だから大変だったみたいだけど、手のひらとか足の裏にマメ作りながら一生懸命頑張ってたよ。『美佳ちゃんを守れるようになる為に頑張る』って。
やっぱり嬉しい。




