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わたしのしあわせ  作者: mikataka
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わたしのしあわせ 43

その日はお隣には行かずに、こうちゃんとお父さんに、お母さんからお話してもらう事にしたの。

こうちゃんは詳しく知りたがったけど『美佳ちゃんが大切なら、詳しく聞くな』って言って止めてくれたの。

たぶん、こうちゃんは気持ちがぐちゃぐちゃだと思う。

私の為にそんな事になってすごくつらい。

こうちゃんに会いたい。


その夜、泊まってくれたお母さんと一緒に寝たの。

自分の中では整理がついてると思ってた。こうちゃんに上書きされて、思い出しても大丈夫だと思ってたけど、あの時の写真を見て、まるで昨日の事のように動揺してる。

これからどうなるんだろう。

お母さんにしがみつきながら寝たの。

怖い。


翌日、午前中にこうちゃんが来たの、すごく真面目な顔で。

お母さんが出てくれて、部屋に通してくれた。

床に座る私のそばに座って、私の手を握ってくれたの。

こうちゃん「お母さんから聞いたよ、詳しくは教えてくれなかったけど。あの時泣いてたのはこれでしょ?どんな事が有っても俺が美佳ちゃんを守る。今は何も出来ないけど、盾にはなれる。詳しく知りたいけど、美佳ちゃんの為なら我慢する。でもね、全部知ったとしても、俺の気持ちは変わらない。話しても良いと思ってからでいいから、話して欲しい、ずっと待ってるから」

涙が出て止まらない。

こうちゃんの首に抱きついて泣いたの、こうちゃんが抱き締めてくれたの、あの時みたいに私を助けようとしてくれてる、みんな私を助けようとしてくれてる。

絶対負けないって思えたの。

絶対負けない。


お昼、お隣でごはん。食べながらお父さんが言ったの。

お父さん「日常はなるべく変えない方がいい。仕事に行く、学校に行く、食事、買い物、そういう日常はなるべく変えない方がいい。でも美佳ちゃん、1人になるのは不安だと思う。この前泊まった時の部屋使っていいから、しばらくこの家に住まない?こうもお母さんもいる、私もいる、美佳ちゃんさえ良ければそうして欲しい。どうかな?」

母を見るとうなずいてる。

私「お願いします」

涙が出てそれしか言えなかった。午後には早速必要な物を運んで、いそうろうが始まったの。

アパートだと1人の時間が多くて嫌な事も思い出すし、不安になると不安なまま。今は同じ家にお母さん、お父さんがいて、壁1枚向こうにはこうちゃんがいる。それだけで、少し安心出来る。


あの時の感情は「怖い」じゃなかったと思う。

あの時と同じような感情も有るけど、今はそれ以上に怖いの。

何が怖いの?

怖いのはこうちゃんに知られる事。

あの時の事こうちゃんが知ったら、こうちゃんは私の事どう思うのかな?

やっぱり嫌われるかな?

それとも全部受け止めてくれるかな?

全部話した方がいいのかな?

でも、知られるのが怖い。

私の醜い部分を知られたくない。

でもそれって、こうちゃんを信じてないってこと?

お母さんに相談してみよう。


次の日、晩御飯の後に、お母さんに相談してみたの。

私「こうちゃんに知られるのが怖いなら、知られてしまえば怖くなくなるのかなって」

お母さん「それはそうかもしれないけど、美佳ちゃんは知られてもいいの?」

私「こうちゃんが全部知った上で、それでも私を好きでいてくれる、そう信じるしかないって思うんです。それで嫌われたとしても、それは私の汚い部分まで知った結果だから仕方ないです。でも、こうちゃんには残酷な事かも知れないとも思うんです。自分の醜い部分を大事な人に知られたくない、隠しておきたいとも思うんです。こうちゃんには知る権利も有ると思うし。知らせないままじゃ、こうちゃんを騙してるみたいだし。もう、どうしたらいいのか」

お母さん「私がこうに心の準備をさせてみようか」

私「どんな風に?」

お母さん「大人には人に知られたくない醜い部分が有って、それは誰でもそうだということ、美佳ちゃんが昔犯罪の被害にあって、心に深い傷が残ってること、それをこうには知られたくないと思うけど、でも美佳ちゃんは、こうには全てを知る権利が有ると思っている事。こうにとってもつらい話になるけど、それでも聞く勇気が有るのか。そんなふうに話してみるのは?」

知られるのは怖い。でも、お母さんに打ち明けた時に覚悟したはず。

私「それでお願いします」

お母さん「わかった、今日はもう遅いから明日話してみるね。その後すぐにって事になると思うけど、美佳ちゃんは大丈夫?」

私「大丈夫です、全部話します」

お母さん「それじゃ今日はもう寝なさい、明日仕事でしょ?」

私「はい」

お母さん「じゃあ今日は寝なさい、後は明日」

私「はい、おやすみなさい」

お母さん「うん、おやすみ」


なかなか眠れなかった。

覚悟したはずなのに、それでもこうちゃんに知られるのは怖い。でも、私の全てを知った上で、これからの事を考えて欲しいとも思う。

これで離れてしまったとしても、こうちゃんに愛された記憶だけで生きていける。

そう覚悟したはずなのに、やっぱり怖い。

頭がぐちゃぐちゃ。


仕事から帰って晩御飯。その後お母さんがこうちゃんに、2人だけで話が有ると言ってこうちゃんの部屋に行ったの。私は借りた部屋で待機。

時間がたつのが遅い。待つのが苦しい。



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