わたしのしあわせ 41
その日は普通に仕事してた、ごく普通の日。
お昼休みに知らない番号から携帯に電話。
携帯じゃないし、地元の番号。
お母さんに関係有るかもと思って出た、地元の警察からだったの。
お母さん事故?とか一瞬思ったけど違った。
警察からの電話の内容。
高校生の女子生徒が犯罪の被害者になった。
押収品から、私の名前と電話番号が出てきた。
被疑者の顔を確認して欲しい。
証拠品の確認もして欲しい。
当時の事を聞かせて欲しい。
警察「こちらに来る事は可能ですか?」
私「今は離れた土地にいて、仕事も有るので難しいです」
警察「そちらに伺ったら、お話出来ますか?」
私「休みに合えば」
こんな話だった。
次の休みが平日だったから、その日にこちらの警察署でって事になったの。
あいつだ。
その夜お隣で晩御飯の後、お母さんに
私「2人だけでお話出来ませんか?」
お母さん「何か有ったの」
私「はい」
お母さん「いいよ」
私「こうちゃんには聞かれたくないので、出来れば私のアパートで」
お母さん「わかった、早速行こう」
私のアパートに行って、お話したの。
私「多分あの男だと思います。あの後も続けてて、それで逮捕されたんだと思います」
お母さん「それで今日様子がおかしかったんだ。1人で行ける?一緒に行こうか?」
私「大丈夫って言いたいけど、すごく不安で」
お母さん「大丈夫、一緒に行こう。何か有ったら甘えなさいって言ったでしょ」
怖い。
その日、近くに有る警察署に行ったの。お母さんがついてきてくれた。
受付で名前と用件を伝えると、奥から私服の女性が出てきた。所属と名前を聞いて、その山崎さんという警官の後について奥に。連れていかれたのは、いわゆる取り調べ室。私が怯えているという事で、お母さんの同席をお願いして一緒にいてもらえたの。
まず、未成年に対する性的な犯罪で有ることを説明されて、被害にあったかの確認。
写真を4枚見せられて
山崎さん「その男はこの中にいますか?」
すぐにわかった、あいつだ。少し老けたように見えるけど間違いない。
1枚を指さして
私「これです」
山崎さん「ありがとうございます。あと数枚見て頂きたい写真が有るのですが、あなたのプライバシーに関わる物なので、そちらの方には見せない方が良いかと」
お母さん「私少し離れるよ、そばにいるからね」
お母さん、少し離れて向こうを向いてくれた。
山崎さん「こちらですが、これはあなたで間違いないですか?」
血の気が引いた。
それは私が見たDVDの中から切り取った写真だった。
DVDは全部壊したはずなのに。
初めての時の。
モールで露出した時の。
着替え。
他のも。
全部で10枚位有った。
体がガタガタ震えた。
止まらなかった。
お母さんがすぐに抱き締めてくれたの。
それでも止まらなかった。
やっと声を出して「私です」
山崎さんはすぐにしまって「ありがとうございます、つらい思いをさせてしまい申し訳ありません」
私「DVDは私が全部壊したはずです、この写真はどうやって」
山崎さん「映像は全てパソコンに保存されていました、複数枚のコピーも押収しました。」
寒気がした。
コピーが複数枚って。
私「コピーって・・」
山崎さん「規模は捜査中ですが、販売していたようです。」
販売?販売って?
私「売ってたんですか?」
山崎さん「そのようです」
気を失いそうだった。
私「どうして捕まったんですか?」
山崎さん「被害者の保護者からの通報です、あなたが最初の1人目でした。最後の被害者のご家族が女児の異変に気付き、問い詰めた所ご家族に打ち明けて、そのまま警察に通報しました。捜査中なので現在お話出来るのはここまでです」
気を失いそうだった、お母さんがいなければ倒れてたと思う。山崎さんが続けた。
山崎さん「あなたが受けた被害について詳しくお聞きしたいのですが、このまま続ける事は出来ますか?ご無理なようであれば日を改めますが」
お母さん「それはその男を罰するのに必要な事なんですか?」
山崎さん「最後の被害者の件だけでも立件は出来ますが、被害者全員に対する犯罪が明らかになれば、その方がより重い罰を科せます。なんとかご協力をお願いしたいのですが」
私「全員って、いったい何人・・・」
山崎さん「本当はお答えできないのですが・・・、あなたを入れて5人です」
正直迷った。これ以上って私に耐えられる?
でもあいつにされた事、許せない。
私「わかりました、お話します」
山崎さん「ありがとうございます。すぐに始めても構いませんか?必要ならば休憩をお取りになりますか?」
お母さん「少し休んだ方がいいんじゃない?」
思い出す為にもその方がよさそう。
私「10分位休ませて下さい、全部お話します。この方には全部お話した事が有るので、同席しても良いですか?」
山崎さん「大丈夫ですよ、それでは10分後に始めましょう、そちらの方の同席も構いません。今飲み物をお持ちします」
山崎さんは女性だからか、出来るだけ優しくしようとしてくれてるみたい。思い出すのはつらいけど、あいつに復讐出来るなら、最後までやってやる。




