わたしのしあわせ 39
3月に入ってすぐの頃、実家のお母さんを誘って遊びに来てもらったの。
梅の花のキレイな時期。
迎えに行こうか?って言ったんだけど、電車で来るって。だから駅まで迎えに行ったの。
お母さん「結構都会ね、高いビルも有るし」
私「駅の周りはそうだよ、柏だってそうでしょ」
お母さん「そうだね」
なんだろ、妙に照れ臭い。
とりあえず私のアパートに行って荷物下ろして、疲れたでしょって言ってお茶飲みながら近況報告。
私「お昼ごはん、お隣に呼ばれてるからそろそろ行こ」
お母さん「そうなの?それじゃお土産持って行かなきゃ」
昨日仕事の帰りに買ってきたって、老舗の葛餅。
私「あっ舟橋屋だ、これ私も好き」
お母さん「葛餅はここのが一番だからね」
東京なんて行かないから、すごく久しぶり。
お隣にお邪魔してお隣のお母さんに紹介したの。
私「私の母です」
実母「美佳の母の井上と申します、いつも美佳がとても良くして頂いてありがとうございます。こちら、子供騙しでお恥ずかしいのですがお召し上がり下さい」
お土産を差し出したの。
さすがバリキャリ、非の打ち所の無いご挨拶。
お母さん「ご丁寧にありがとうございます。お疲れになったでしょう?どうぞ御上がり下さい」
私なんてまだまだだね。
私「さっきのは江戸時代から続く老舗の葛餅なんです、このお店の葛餅を食べたら他所のは食べられないってほど美味しいんですよ、私も子供の頃から大好きなんです」
お母さん「まあそれは楽しみ、後でみんなで頂きましょう」
実母「美佳が帰って来る度に、お隣に家族同然に良くして頂いてると聞いてまして、心の支えになってると言ってるんですよ」
お母さん「美佳ちゃんがとても良い子だからですよ。うちは娘がいませんから、娘のようにかわいいんです。食事の準備や片付けまで手伝ってくれて、なんだか娘が出来たみたいで楽しませて頂いてるんですよ」
こんな感じでお母さん同士仲良くおしゃべり。
お昼の準備をして「美佳ちゃん、こう自分の部屋にいるから呼んで来てもらっていい?」
私「じゃ、呼んで来ますね」
私「こうちゃんお昼だよ、それと私のお母さんも来てるよ」
こうちゃん「うん、今行くよ」
私「今日はチュッてしてくれないの?」
こうちゃん「美佳ちゃんのお母さん来てるって聞いて、緊張してるんだよ」
私「まだ早いよ」
一緒に降りて行って「お母さん覚えてる?こうちゃんだよ」
こうちゃん「こんにちは、ごぶさたしてます」
実母「え~っ!あの時のこうちゃんなの?こんなに大きくなったの?それにずいぶんかっこ良くなって、おばさんの事覚えてる?」
こうちゃん「はい、まだ小さかったけど覚えてます」
実母「志望校合格したんでしょ?凄い所」
私「うちの方で言うと東葛位だよ、凄いでしょ」
実母「なにあんたが自慢してんの」
私「確かに」
実母「あんなに小さくてかわいかったこうちゃんが、こんなに大きくなってイケメンになって、おまけに頭もいいなんてねぇ」
こうちゃん「そんなにほめられると照れます」
実母「ほんとよ、お世辞なんて言わないわよ。お母さんも鼻が高いと思うよ」
こうちゃんと目が合ったの、つい2人でニコッて。お母さんがそれに気づいて『ん?』って顔したの。どうしたんだろ。
その後もいろんなお話しながらお茶したの、こうちゃんは自分の部屋に。この空気、こうちゃんにはまだきついよね。
お母さん私の事ほめるほめる、なんだか恥ずかしくて、私も逃げたくなってきた。
お母さん「そろそろさっきの葛餅頂きましょうか、美佳ちゃんも好きなんでしょ?一緒に頂きましょ。悪いけどこう呼んで来てもらえる?」
私「こうちゃん、私のお母さんが持ってきた葛餅食べよって、下に降りよ」
こうちゃん「美佳ちゃんってさあ、お母さん似だよね」
私「どうしたの?急に」
こうちゃん「良く似てると思ってさ」
私「やっぱりそうなのかな?さっ、下に行こ」
リビングに行くと葛餅を取り分けてる所だったの。ちゃんとお父さんの分も取り分けてラップしてた。
実母「先に黒蜜をかけて、この上にきな粉をかけて」ってお母さんが教えてた。
私「こうちゃん、これすごく美味しくて、私も子供の頃から好きなんだよ」
こうちゃん「そうなんだ」
一口食べたお母さん「ん~!美味しい!」
こうちゃん「すごく美味い」
私「でしょ?私も子供の頃から大好きなんですよ」
こんな感じでにこやかに食べたの。お母さんが買い物に行きたいって言うから、モールに行く事にしたの。お隣のお母さんが気を利かせて、お母さんと2人で。
実母「この前来たとき、結婚は7年後なんて言ってたわよね」
私「かもしれないって言ったんだよ」
お母さん、指折り数えて「なるほどね」
私「どうしたの?」
実母「それってこうちゃんの事?」
私「うっ、こうちゃんは、これから高校生だよ、そんなわけ・・」
実母「図星ね、あんた本気なの?」
私「・・・」
実母「どうなの?」
私「・・・」
実母「まあ良いわ、まだあせる歳でもないしね」
私「うん」




