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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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回想終了

「あの時の蟹鍋は美味しかったなぁ……、ちょっと体が痺れたけど……」

 結局、あの後は紫陽花と向日葵の一歩的な虐殺が始まった。

 本来、彼女達の果実【チャヌピ】には、HP全回復の効果しかない。

 彼女達は、敢えて蟹達に「毒が回復した」と嘘を吐いた。

 実際、毒状態は続いていたが、HPを回復し続ければ死にはしない。

 彼女達は、蟹の毒を無限の完全回復薬を使って凌いだのだ。

 結果として、蟹は毒が無駄なのだと勝手に悟り、毒を使うのを止めた。

 彼女達の作戦勝ちであると言えよう。

 まぁ、あの大蟹には少々骨が折れたようだけど、それでも生まれた瞬間から意思の疎通が取れていた2人で協力して倒したのだから見事なものだ。

 そして、大量の蟹の遺体は、皆で美味しくいただいた。

 解毒作用のある薬草を使用して料理と姉妹の解毒をしたのだけど、何故か木草樹だけは食べなかったなー。

 なんか「その薬草を食べるだなんてとんでもない……、というか、自分自身の体の一部を食べられるか!!」って怒鳴ってた。

 あー、ちなみに薬草って、木草樹の葉を乾燥させて煎じた物だから、そういう意味で食べられなかったのかも……。

 それから、蟹を食べながら黄色い瞳の少女に【向日葵】と名前を付けた。

 その時に2人に色々と質問を投げかけたが、どうやら本当に同一個体から生まれた存在のようだった。

 紫陽花も向日葵も別々の自我を持っているが、分かれる前の記憶や性格などは引き継いでいた。

 また興味深かったのが、アイコンタクトで姉妹同士の意思の疎通が図れるという特技を持っていたことだ。

 世の中、双子や兄弟でさえ、なんとなく考えが読めたり、同じ行動を取ってしまう事があると言う。

 それは、見えない糸のようなもので繋がっているというような説もあるが、未だに解析されていない不思議な現象だ。

 この姉妹は、それの上位版を完全に使いこなせていた。

 誕生して見つめ合っただけで、お互いの全てを理解したと言っていたので、目は口ほどに物を言うという言葉も案外侮れないかもしれない。

 そして、彼女達の中で姉妹となることで概ね方向を決めたらしい……。

 まぁ、そんなわけで私に娘が2人出来たお話でしたとさ。


「めでたしめでたし……」

「?」

「何がめでたかったのですか、母様?」

「ん?ああ、二人と出会った時のことを思い出していただけだよ~」

 私が両手を広げると、彼女達がちょこちょこと走ってきて私の腕の中に納まった。

「ああ、もうこんなに可愛い子供を持てて、お母さん幸せよー!!」

 私は、全力で姉妹の頭を撫でた。

 その感触が心地よかったのか、二人は目を細めて私に頬ずりしてきた。

 純粋にこの2人を愛おしく思う。

 私がいつか結婚して、愛する人と子をしたら、こんな気持ちになれるのかな?

「……馬鹿か私は」

 そんな事を考えてすぐに気分が落ち込んだ。

 毎日転生を繰り返して、決まった肉体を持たない私が結婚とか子供とか出来るはずがない……。

 でも、私だって女性だ。

 そういうものに憧れるくらい……、夢見るくらいは許されても良いと思う。

「はぁ……」

 どんどん暗い考えに落ちていく。

 そもそも、魂の私に性別なんてあるのかしら……?

 悪い考えは、どんどん思考をネガティブ方向へ進ませる。

「どうしたのです、母様」

「お顔が悪いようです、母様」

 そんな私の考えを引き留めてくれたのは、私を心配そうに見つめる紫と黄色の瞳だった。

「ううん、なんでも無いよー!心配させちゃったかな?大丈夫、大丈夫!!」

 私はそう言うと、先ほど以上に姉妹の頭を撫でまわした。

 もっとこんな時間が続けばいいのにと思った。

 ……しかし、もうそんなに時間が残されてはいなかった。


 アダモゼウスが回収に来るまで、残り25年。


 <今回の転生で得た物>

 ・紫陽花と向日葵との思い出

 ・義理の愛娘たち

 そろそろ、あの女神も出番が欲しいそうです。

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