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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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回想 【誕生】

 綺麗に上下に切断された紫陽花が地面に横たわった。

「あーぁ、一発もらっちゃったかぁ……。仕方ないな……」

「なっ!?」

「おいおい、卵!ちょっと、その言い方はカチンとくるで!!」

 私の言い方に怒った木草樹とヌメっちを無視して、私は紫陽花を指差した。

「……あれでも、自称私の子供なのよ?」

 紫陽花の閉じた目がカッと開かれる。

「あぁ!?どないなっとんねん!?」

 その紫陽花の姿にヌメっちが驚いた声を上げた。

 気配で木草樹も驚いているのが分かった。

 そんな二人に私は余裕しゃくしゃくで説明してやった。

「子供が親に似るってよく言うけど、ペットや育てている植物さえも飼い主に似るそうよ……。紫陽花は、私によく似ているわ……。私以外が習得不可能だった魔法を習得できたくらいに……」

「まさか!貴様!!」

 今度は、耐えきれず木草樹が驚きの声を上げた。

 紫陽花の切断された腰から下が凄まじい勢いで再生した。

 そうなのだ。

 彼女は、私のオリジナル魔法【自己強化再生】を習得済みなのだ。

 あの魔法が原因で意思を持ったのだから、もしかしたらと思ったが、結果は案の定だった。

 本来ならば、【自己強化再生】の魔法は私しか扱えない。

 それは、魔法が難しいというのもあるが、そもそも体の細胞や構造自体を変化させるので、色々とリスクが高いのだ。

 変化した細胞は元に戻らないし、元に戻せる保証も無い。

 綺麗に再生せずに、奇形のように再生してしまっても、元に戻る保証が無い。

 無限の再生力こそあるものの、リスクがでか過ぎる魔法でしかないのだ。

 私は一日限りの肉体を借りているので、悪く言うのならば使い捨て感覚で気軽に魔法を使用できている。

 しかし、一生ものの肉体となると気軽に使える魔法では無いのだ。

 実際、私も失敗再生の経験が無いわけでは無いので、推奨も出来ない。

 だが、決まった形を持たない植物ならば話は別だ。

 いくら枝分かれしようとも、葉が多数増えようとも、幹が異常に太くなろうとも奇形とは程遠い。

 彼女は完全な人型だが、体の構造は人間のそれとは全然違う。

 彼女の内部は完全な植物であり、幹や蔓や枝などで構成されている。

 そして、植物故の長寿が【自己強化再生】に一番必要な細胞変化をサポートする。

 恐らく、後にも先にも魔法【自己強化再生】を使用できるようになる者なんて、私以外に彼女くらいしか存在しないだろう。

 (余談:ZEROちゃんも【自己強化再生】を覚えたがったが、私が仕組みを説明して断念させた経緯がある。だから、彼女は自分で特殊能力として【自己強化再生】を開発したのだ)

「おっ、おい……。あれも、貴様の【自己強化再生】の力によるものなのか……?」

 悦に入っていたが、意外な木草樹のどもった声に我に返る。

 ふと戦場を見て、私自身も目を剥いた。

 そこでは、下半身丸出し状態の紫陽花がいた。

 ……いや、それはいいのだ。

 無事に【自己強化再生】が終わった証であるという事なのだから!

 それよりも、切り離された下半身だった方だ。

 なんと、紫陽花と瓜二つの少女が、彼女の下半身から生えてきたのだ。

 彼女と唯一違う所と言えば、黄色い瞳の色くらい……。

 本来、プラナリアは切り離された場合、その両方が別個体となって動き始める。

 私は、それを応用した魔法を開発したのだ。

 だから、こうなっても不思議ではない……。

 ないのだけど……。

「そっか……。私の場合は、魂が特殊だったんだ。神様の魂が私の魔法程度で分裂するはずがない……。だけど、彼女の場合は……」

 下半身丸裸の紫陽花と上半身丸裸の黄色い瞳の少女。

 彼女達は、お互いに向かい合って立つと、にこっと笑いあった。

 そして、お互いの髪に実を実らせ、それを収穫して食べた。

「これで、毒も体力も回復しました」

「ええ、これで元通りです」

 紫陽花が、もう一人の紫陽花に斧の片方を渡した。

「今日は、蟹鍋になりそうですね、紫陽花ねえさま

「まぁ、母様の大好物です。きっと、お喜びになりますね、いもうとさま

 そう言うと、二人はものすごい笑みで蟹の大軍を見つめたのだった。

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