64.グロサリーヌはお披露目する
はい、まだまだ更新します。
(朝川 縁視点)
バトルロイヤルが開始してから、おおよそ10分。
私が割り当てられたAブロックはというと……
「……権座右衛門さん、私達って充分よくやりマッシたよね?」
「そうでごわすな……ほんと、非常識にも程があるでごわすよ……」
ーギュイン……ドッカァァァァァァァァァァァン!
「「「「「おんぎゃぁぁぁぁぁ!?」」」」」
……まあ、凄惨の一言で言い表せる状況でした。
これが他ブロックであれば、何か変わったのでしょうか?
「やあ、エンムスビさんに権座右衛門さん……僕としては、大人しくしてくれてれば楽に退場させてあげるつもりなんだけど……」
「アーサードさん……生憎デッスが、お断りさせていただきマッス!」
「楽に死んだら漢が廃るでごわす!」
「そうか、残念だよ……」
私の目の前で多くのプレイヤーをキルした犯人であるアーサードさんは、この期に及んでまだ私達へ楽にキルするという配慮が出来る程の余裕を持っていました。
……ええ、勝ち目はないでしょう。
ですが、それは諦める理由にはなりません!
「……権座右衛門さん、行きマッスよ!」
「そう来なくてはでごわす!」
多くの剣から光線を撃ち出す戦法で大量のプレイヤーをキルしたアーサードさんですが、本人を狙えばまだ勝ち目はあります。
「ふぅ……諦めてはくれないんだね?」
「誰が諦めてやりマッスか!……あ、権座右衛門さん、そこデッス!」
「む!?……チェストォォォォォォォォ!」
ーブンッ!
「うんうん遅いね」
ーフラッ……スカッ……ドゴォォォォォン!
権座右衛門さんがアーサードさんへ向けて刀型の金砕棒を振り下ろしましたが、アーサードさんは難なくその攻撃を避けてしまい……
「んなっ!?」
「はい終了だね」
ーブンッ!ザシュッ!
「かはっ!?」
ードサッ……
「……エンムスビさん、次は貴女だ」
アーサードさんは[聖剣カリバール]を使う事すらせず、固定砲台扱いしていた剣の内の1本を手に取って権座右衛門さんをたった一撃で斬り捨ててしまいました。
……こんなの、私じゃ勝てない。
それを真正面から分からされました。
「ふっ……ここは逃げるが勝ちデッ」
「逃がすと思った?」
ーダンッ!
「え、速っ」
私は、1度逃げて体勢を整えようとしました。
……ですが、それすらさせまいとアーサードさんは一瞬で間合いを詰めて来て……
「……僕の勝ちだ」
ーブンッ!ザシュッ!
「ぐえっ!」
ードサッ……
背後から、たったの一撃……
だというのに、急所を斬られクリティカルでも出たのか、私のHPは底を尽きました。
「……さてと、それじゃあ次に僕の手で倒されたい相手は誰かな?」
「「「「「「………」」」」」」
「あ~、ここには居ないみたいだね?……参ったなぁ、多分これ観客からしたら塩試合だよ……」
私が最後に聞いたアーサードさんの声は、そう淡々としたもの……
……そんな声を聞いた直後、私はデスポーンしてコロシアムへと戻されたのでした……
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(玉屋視点)
……自分が割り当てられたBブロック、そこはまあ何というか……一言で言い表すと地獄だった。
「ハ~ッハッハッハ☆!……爆弾投下、投下、投下、投下、投下、【クラスターボムズ】☆!」
ーポイポイポイポイポイポイッ……
「「「「「「「あっ……」」」」」」」
ードカドカドッカァァァァァァァァァァァァン!
グロサリーヌが道化竜……恐悦の背に乗り、遥か上空から爆弾を投下しまくってはクラスター爆撃をし続けていたのだ。
雑魚は一撃。
四大クラン所属の中堅層ですらも数発食らえばお陀仏だ。
……あんなのを自陣へ引き入れた【討竜雑技団】は気でも狂ってんのか?
とはいえ、そんな事はどうでも良い。
「チッ……詰んでんな、ば~ろちくしょう……」
自分では、グロサリーヌに勝てない。
【観測花火】は時間が足らず、【爆笑花火】は仮に撃っても途中で投下された爆弾に当たって相殺されるのがオチだ。
……ったく、本当に強いな……
そうして自分が完全に勝ちを諦め、上空を呆然と眺めていた、その時だった。
「ハ~ッハッハッハ☆!……うむ、ここまで生き残った幸運な君達には、特別にボク様の新衣装を披露してあげようかな☆!」
「……何言ってるんでい、べらぼうめぇ……」
新衣装だぁ?
……ふざけるのも大概にしろよ。
「ではお披露目☆!」
ーボカン!……ファサァ……
「………み、見えんでい……」
というか、グロサリーヌが上空過ぎて見えない。
……うん、どうやって見ろと?
なんて思ってたら……
『あ~、うん……特別に空中放映モニター貸し出してあげるヨ』
ーパッ!パッ!パッ!
「ハ~ッハッハッハ☆!これはありがたい☆!」
……運営が、空中に浮遊して放映出来るタイプのモニターを貸し出してくれたのだ。
いやはや、手厚いねぇ……
んで、そこに映されたグロサリーヌの姿はと言えば……
「あれじゃあ魔術師というか奇術師みたいでい……」
……それを一言で言えば、奇術師だった。
虹色の飾り羽で彩られた、白を基調としたレオタードタイプの燕尾服。
脚を覆う黒の網タイツ。
頭には、これまた虹色の飾り羽で彩られた小さな白いシルクハット。
そして左目を隠す黒いレース。
……これまでの中二病臭い魔女衣装と打って変わって、何処か神妙な雰囲気すらある衣装だった。
「ハ~ッハッハッハ☆!……恐悦の素材をふんだんに使った新衣装で、君達を蹂躙してみせようか☆!」
っと、ここで自分は現実に引き戻された。
そうだ、未だ勝負は決まっていない。
……が、ここに居るプレイヤーでグロサリーヌに対抗出来る者は居なかった。
遠距離攻撃は避けられ、空を飛べるプレイヤーもクラスター爆撃で撃墜される。
何よりグロサリーヌ、恐悦の背に専用の馬具ならぬ竜具でも乗せてるのか、割とアクロバティックな動きを可能にしてるんだよなぁ……
「ハ~ッハッハッハ☆!……強化バフが乗ってないから以前の様には行かないが、まあ何とかなるだろう☆!……ハ~ッハッハッハ☆!」
「……相変わらずムカつくでい」
「んじゃ、再開しようか☆?……爆弾投下、投下、投下、投下、投下、投下、投下、【クラスターボムズ】☆!」
ーポイポイポイポイポイポイポイポイポイッ!
「……ほんと、どんどん先に行きやがって、ば~ろちくしょう……」
ードカドカドッカァァァァァァァァァァァァン!
そんなこんなで、自分達は再開されたグロサリーヌのクラスター爆撃に巻き込まれてデスポーンした。
……けどよ、グロサリーヌ。
次のクラン対抗戦じゃ、こうは行かないからな?
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(ラビリー視点)
ふむふむ、なるほどヨ。
「お~っと、早くもAブロックとBブロックで勝ち残り候補が分かって来たヨ!……というか、アーサード選手はともかくグロサリーヌ選手がここまで厄介になるとか予想出来なかったヨ!」
……現状、AブロックとBブロックでそれぞれ優勢に立っているのはアーサード選手と破滅ヶ原☆グロサリーヌ選手。
どちらも広範囲への殲滅能力と高い機動力を有してるからか、勝負が決着するのも早いんだヨ。
『ピポパポ……他のブロックは1対1が専門のプレイヤー多めだからか、未だに膠着状態が続いてるピポ……』
「けど、何だかんだヴァルメリド選手とヘビイチゴ選手はキル数を稼いでるし、特別ゲストの火臓も勝ち残りそうヨ?」
『そうパポね……やはりバトルロイヤルは乱戦なのもあってか見応えのある試合にはならないピポ』
「み、身も蓋もない事を言うなヨ……」
う~ん、確かに見応えのある試合は起きてないヨ。
……しかし、こうしている今もプレイヤー達は争っている。
『……あ、どうもCブロックでZENO選手が面白いプレイヤーと遭遇したみたいパポ』
「それ、本当かヨ!?……よし、さっさと映像を繋ぐんだヨ!」
早くも撮れ高のチャンスが舞い込んだアテシは、早急にCブロックの某所へ中継を繋ぐんだったヨ……
ご読了ありがとうございます。
他の作品も更新したいのに、最近はこの作品のアイデアしか湧きません……
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




