51.ムラザメは承諾する
土骨、一応言っておくと4重臣レベルでHPあります。
(源徳 村雨視点)
「……という訳で土骨のユニーククエストは見つけられたんだが、この件で何かボク様に質問がある者は挙手して貰おうか☆!」
『『『『『「……………」』』』』』
うん、状況を整理しよう。
あれからあ~でもないこ~でもないとリモート会議を続けていたら、突然グロサリーヌがやって来て土骨のユニーククエストを受注したとかほざきやがった。
何を言ってるか分からないが、グロサリーヌの言葉と行動は気にするだけ無駄だ。
……とはいえ、完全に無視出来る情報でもねぇ。
「ハ~ッハッハッハ☆!……誰も挙手しないとは、まさか聞きたい事がないのか☆?」
「んな訳ねぇだろ?……全員、いきなりの事で状況が呑み込めてねぇんだよ……」
『いや、儂はギリギリ呑み込めておるぞい?……ま、そこから違う方向へ思考がシフトしたのは否めんがのう……』
「そ、そうか……」
現状、太陽ジジイさん以外はグロサリーヌの言葉を処理し切れてねぇ。
加えて太陽ジジイさんも思考が違う方向へシフトしたとか言ってるし……本当にグロサリーヌはいい加減にしろよマジで……
『ま、まずは僕から質問良いかな?』
「構わないよ☆」
『ありがとう……えっと、土骨の次の出現場所って分かったりする?』
「分からないかな☆!……ボク様が知った情報は、さっき言った事だけさ☆!」
……うん、何も進展してねぇ。
これ、どうするべきだ?
『ま、ユニーククエストを受注出来た以上は一応ダメージだって通せるとは思うニャけど……結局、出現場所が分からないってのと逃走される可能性はどうにもならないニャか……』
『みたいだな。……しかし、土骨は小生達が初めて遭遇した際にヴァルメリドの馬鹿から大技を撃たれても死ななかった化物だ……出来れば同盟全員で迎え撃ちたいし、逃走も許すべきではない』
『え、今の話初耳だよ!?……ねぇ、ヴァルメリドさんの大技って、まさか才智を倒すのに貢献したあの技だったりする?』
『ああ、まさしくその通りだ。……故に、ヴァルメリドは明日になるまで例の技は放てない……』
……おいおい、[黒塗旅団]は絶好調じゃねぇのかよ。
しかも、同盟全員で迎え撃ちたいってのに居場所は不明で出現時間も分からねぇ。
……全員が集合出来る時間と場所ってのも揃えるの難しいだろうし、ユニーククエストを見つけられたところでまだ手詰まり感は否めねぇな。
と、そんな時だった。
『む?……おお、たった今アルケニカ学会のメンバーからメールが届いたんじゃが、ようやく儂が学会メンバー達に作成を頼んどった物が出来たらしいんじゃよ!』
『は?……べらぼうめぇ、その物ってのはいったい何だってんだ?』
太陽ジジイさんが何かしらの物を学会メンバーに作成させていて、それがたった今出来たらしい。
当然、玉屋さんはその物が何かを聞いたが……
『なぁに、そんなたいした物じゃないわい。……滅茶苦茶噛み砕いて言えば、この仮想世界で使える発信器みたいなもんじゃ』
『はぇ~、発信器……ん?……僕の耳がおかしくなったのかな?』
『正常じゃよ。……こいつはぶつけた相手にしっかりぎっちり貼り付いて、その居場所を送信し続ける優れものじゃ!』
『無知な小生に教えてくれ……いったいいつから[アルケニカ学会]は発明家集団になったんだ?』
[アルケニカ学会]が作り出した、このゲーム内世界で使える発信器らしき何か……
……あれ、これ次に土骨と出会った奴が付ければ居場所問題は解決か?
『ニャニャ……そんなの作れるニャら、考察クランじゃなくて発明家クランを名乗れニャ……』
『ふぉっふぉっふぉっ♪……こういうのは副業じゃから伸び伸び作れるんじゃよ♪』
『……その気持ちは分かるニャけど、それならもう少し本業の考察に本腰入れろニャ……』
『入れとるんじゃがのう……ま、儂はだいたいノータッチで若人に任せておるがのう』
太陽ジジイさん……
考察クランを率いてる割に、本人がそれ程考察したがってる様に見えねぇんだよな……
『ハァ……もうどうでも良いニャから、その発信器さっさと寄越せニャ』
『それがの~……この発信器、まだ1個しか作れとらんのじゃ』
『ニャんですと!?』
『ハァ……ならば、それは誰に渡すつもりだ?……ちなみに小生は誰の手に渡っても文句を言うつもりはない』
『ふむ……儂としては、ユニーククエストを見つけた[討竜雑技団]へ渡そうと思っておるが……異論はあるかのう?』
ん?
え、俺達に発信器を渡そうとしてるのか?
……理由はもっともだが、あんまり期待されても困るんだよな……
『僕は賛成だね』
『あたちもニャ』
『小生もだ』
『おいらもでい』
『……という訳でムラザメ坊、メール機能を使って譲渡するから、後の事は頼んだぞい!』
「えぇ……間違っても期待だけはすんなよ?」
マジか……
まさかの全会一致で、俺達が発信器を持っておく事になっちまった。
ーピロリン♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[他プレイヤーからプレゼントを受け取りました]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ほれ、到着した筈じゃ』
「ああ……たった今、俺の所に[土骨用発信器]ってアイテムが送られて来たぞ……」
こうして、俺達が土骨へ発信器を付けるという大役を担う事になった。
……俺としちゃ、かなり嫌な役回りだ。
『じゃあ、そういう訳で今回のリモート会議は終了しようかな?……後ムラザメさん、僕個人としては君に同情してるよ……』
『バイニャらほい♪』
『ハァ……本番までに、うちのヴァルメリドが万全の状態に戻ってくれたら良いんだが……』
『ムラザメ、さっさとグロサリーヌを受け入れろってんだば~ろちくしょう!』
『ふぉっふぉっふぉっ♪』
ープツン……
「……もう嫌だ……」
結局、今回のリモート会議は俺が損な役回りを任されただけで終わった。
……ったく、どうするべきか……
そう思っていたら……
「あ、ムラザメ君☆!……明日はボク様と一緒にユニーククエストへ挑戦しないかい☆?!」
……グロサリーヌが、また変な事を言い出しやがった。
確か、土骨のユニーククエストを受注した直後についでとばかりに依頼されたユニーククエストがあるとか言ってた気がするが……
行くか断るか、どうするべきか……
「そうだな……仕方ねぇ、付き合ってやるよ……」
「そこを何と……え、今何って言った☆?」
「クエストに付き合ってやるって言った、これ以上聞いたら撤回するぞ?」
気付けば、俺はグロサリーヌの誘いを受け入れていた。
これが普段の俺なら即座に断ってただろうが、ここ数日に渡ってひたすら土骨探しをしてた俺は何でも良いから気分転換がしたかった。
だから、グロサリーヌの誘いは渡りに船だった訳だ。
「そ、そうかそうか☆……珍しい事もあるものだね☆」
「……ところでグロサリーヌ様、そろそろこの"様付け"も辞めて良いか?」
「ん☆?……別に構わないけど☆?」
「は?……や、やけにあっさりだな……」
「寧ろ、ボク様としてはそこまで律儀に守ってた事の方が驚きだよ☆……ムラザメ君、案外頭がカッチコチなんだね☆」
「……悪かったな、融通が効かなくて……」
俺のグロサリーヌ様呼びは、そうしてあっさりと終わった。
……だがまあ、こんなんじゃモヤモヤは残る。
「ハ~ッハッハッハ☆!」
「……ハァ……」
まあ良い。
明日はグロサリーヌと共にユニーククエストを片付けに行くって決めた以上、あんまり引きずるのもモヤモヤするだけだ。
……一応影奇は連れて行くつもりだが、2人っきりなんだから関係の悪化は避けてぇしな。
「それじゃあ、ボク様はムラザメ君とのデートを楽しみにして明日を待つとしよう☆!」
「デートって大袈裟な……おい、まさか本気で言ってるんじゃ……」
「さあね、ではさらばだ☆!」
ーキラン
「ろ、ログアウトしやがった……」
……もう疲れた。
俺もログアウトして仮眠でも貪ろう……
ーキラン……
そうして、俺もログアウトした。
は~、嫌だ嫌だ……
ご読了ありがとうございます。
一応、ユニーククエストを受注すれば土骨との遭遇確率は跳ね上がります。
気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。
後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




