50.グロサリーヌは見つけ出す
なお、土骨はユニーククエストを受注出来たところで難敵に変わりありません。
(滅本 黒佐視点)
さて、何とかエンムスビ君を巻き込んで散歩を始めた訳だけど……
「う~ん、意気揚々と気紛れで散歩を始めたまでは良かったものの……何処へ行こうかな☆?」
「考えてなかったんデッスか!?」
ふむ、ナイスツッコミをありがとう。
とはいえ、エンムスビ君の言葉には異論もある。
「たまには……いや、いつだって目的地もなくぶらぶらしたって良いだろう☆?……それとも、駄目な理由でもあるのかい☆?」
「な、ないデッスが……」
行き先もなくブラブラする……
これだって楽しいものだと思えないのかな?
……ほんと、最近の若い子はこれだから……
まあ、ボク様も全然若いんだけどね?
「ああ、そうだそうだ☆……どうせなら、土骨のユニーククエストでも探してみようかな☆?」
「へぇ~、心当たりでもあるんデッスか?」
「ない☆!……ただ、以前ボク様がメテオ三連星のユニーククエストを受けたNPCに賭けるのだって悪くないと思っただけさ☆」
「流石に無理があると思いマッスが……ま、好きにすると良いデッスよ」
あ、エンムスビ君の目……
まるで何にでも興味を持って向かって行く子供を見る親みたいな、とても優しげな目をしてるね☆……
否、これは諦めの目かな☆?
……この際どっちでも良いか……
「ふむ、そうと決まれば早速GOだ☆!」
ータッタッタッ……
「あ、待って欲しいデッス!」
行き先を決めたボク様は、一目散に走り出した。
……エンムスビ君はギリギリついて来てたけど、ボク様はたいして気にも留めていなかった。
で、それから数分後……
「到着☆!」
「ハァ……ハァ……本当に全速力デッシたね……」
ボク様とエンムスビ君は、メテオ三連星のユニーククエストで依頼人だったNPCが住むオンボロ屋敷へとやって来ていた。
えっと、あのNPCの名前は何だったか……
忘れてしまったな☆。
「まあ良い☆。……お~い、誰か居るか~い☆!」
ードンッ!ドンッ!
「ふぁっ!?……グロサリーヌさん、そんなドンドン叩かず軽いノックにしておくべきデッスよ!」
エンムスビ君が何か言ってたが、別にどうしようとボク様の勝手だろう。
……以前は家の前に立っていたんだが、今日は不在か家の中に居るみたいだしな……
とか思っていたら……
ーガチャッ……
「はいはい居るぞ、どちら様で……って、貴女は以前、メテオ三連星を倒された御方!?」
「ふむふむ、そうだとも☆!……ところで、君の名前は何だったか☆……」
「私か?……私の名はペリヘロールだ」
家の中から出て来たのは、かつてボク様へメテオ三連星のユニーククエストを依頼したNPC、ペリヘロールだった。
そんな彼は見るからに貧乏だと分かるみすぼらしい中年男性だったが、ボク様へ渡した[魔導書]があったらもう少しマトモな生活が送れたんじゃないか?
いやまあ、今更返せはしないけど……
って、そんな事はどうでも良い☆!
「そうかそうか、ペリヘロール君☆!……ところで君、最近アルケニカ王国全土を騒がしている土骨というがしゃどくろに心当たりはないかい☆?」
「おっと、いきなりぶっ込みマッシたね!?」
当然だ。
ボク様はこのNPCと長話をするつもりがないのでね。
さてさて、結果はどうなる事やら……
「土骨……私にとっては懐かしい名だ……」
「まさかのビンゴなのかい☆!?」
「えぇっ!?……す、凄い確率デッスね……」
ボク様としても、本当に当たるとは思っていなかった。
……てっきり、知らないで終わるとばかり……
「それより、土骨を調べてどうするつもりだ?……もし倒すつもりならば、私が知る情報の全てを教えてやっても良いのだが……」
ーピロリン♪
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[ユニーククエストを発見]
クエスト名:戦士達よ、永遠に眠れ
攻略推奨レベル:不明
報酬:不明
[クエストを受注しますか?]
▷はい いいえ
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「な、何1つ分からないじゃないか☆!」
「まさかの報酬すら不明って……クエストの体を成していマッセん!」
通知として表示されたクエスト情報には、必要な情報が何も書かれていなかった。
……でも、ボク様に受ける以外の選択肢はない。
「……分かった、受けようじゃないか☆!」
「おお、ありがたい!」
「それで土骨が何者なのか、本当に教えてくれるんだろうね☆?」
「勿論だとも!……長くなるが、聞いてくれるか?」
「ハァ……仕方ないね☆」
こうして、ボク様とエンムスビ君はペリヘロールの長話を聞くのが確定した。
なお、クエストの受注はボク様がやった事になるらしいから、後で皆に共同受注させないと……
「では、語るぞ?……そもそも、土骨の正体は古のアルケニカ王国で起きた数々の戦乱によって戦死した無数の戦士達の怨念が、西の厄災の死霊術で集結・具現化したモンスターだ。……よって、土骨は怨念が抱く怒りのままに行動し、戦っている相手が自分達の仇でないと気付いた途端に逃走する……ここまでは大丈夫か?」
「YES☆!」
「な、何とか理解出来てマッス……」
なるほど……
土骨が最後に逃走するのは、戦っている相手が自分達の仇でないと気付くからなのか……
いやはや、だからって逃げられても困るんだけど……
「とはいっても、ここ数十年は土骨が不用意に出現する事もなく、私もおとぎ話でしかその存在を聞いた事がなかったものだ。……恐らく、厄災同士のピリついた関係が私達へプラスに働いていたんだろう……しかし先日、"異界の使徒"様達の手で北の厄災が討たれ、にらみ合っていた厄災同士の関係が変化してしまった……」
「あ、そこで窮奇の死が関係すると☆?」
「……え、マジで言ってマス?」
まさかの原因はボク様達にもあるパターンだって!?
……何だか話を聞いてるだけってつまらないなぁ。
「もし倒されたのが全くと言って良い程に動きのなかった東と南の厄災だったならまだしも、長年に渡り西の厄災とにらみ合っていた北の厄災が死んだのは大きかった……土骨が再び動き出すのも然もありなん、といった絶好の機会だ」
「そ、そうなのか☆……」
「とまあ、これが土骨の軽いバックボーンだ。……能力については、どれだけ知っている?」
「えっと☆……口から放つ光線とスケルトンの生成、後は地中を掘り進めるって事ぐらいかな☆……」
長いバックボーンを聞かされたかと思いきや、次は能力についてか……
けれど、前回遭遇した時は光線とスケルトンの生成、それから地面を掘るところぐらいしか見れなかったものさ……
「うむ、その認識は間違っていない。……が、それに加えてもう1つ、動物やモンスターを食らう事でHPと損傷箇所を回復させるというものがある」
「っ!……あ、だからあの時はサンダーディアを捕食していたのか☆……」
動物やモンスターを食らう事でHPを回復……
……ん?
これスケルトン生成と組み合わせれば最悪のコンボが誕生しないかい?
いいや、流石にそこまで無法じゃ……
「サンダーディア、か……実際は自身で生成したスケルトンを捕食する方が多いらしいと私は聞いているが?」
「は、ハ~ッハッハッハ☆!」
もう終わりだよ☆!
まさか、そこまでの無法が許されるとは……
「……ま、私が知っているのはこの程度だ。……少しでも役立ててくれると嬉しい限りだ」
「そ、そうかい☆……それはどうも☆……」
「あ、そうそう……ついでと言っては何だが、このクエストも受けてくれるとありがたいな」
ーピロリン♪
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[ユニーククエストを発見]
クエスト名:危険なアリとキリギリス!
攻略推奨レベル:300
報酬:奏操螽斯の後脚×2
奏操螽斯の前翅×2
【魔蟲奏操】の指南書×1
[クエストを受注しますか?]
▷はい いいえ
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「……うん、一応受けておこう☆!」
まさかの追加でユニーククエストをゲット☆!
……ボク様は本当に運が良いなぁ!
「うわぁ……どうしてグロサリーヌさんはそうポンポンとユニーククエストを引き当てるんデッスか?」
「ハ~ッハッハッハ☆!……ボク様に聞かれても知らんものは知らん☆!」
エンムスビ君にドン引かれたが、気にする程でもない。
……それはそうと、こっちのユニーククエストはムラザメ君と2人っきりのデートついでに狩るとしようかな☆!
ご読了ありがとうございます。
このアリとキリギリスについては第7章に回します。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




