表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/59

43.ムラザメは情報共有する

ちなみに、運営本来の想定ではもう少し窮奇との戦闘に時間がかかると思っていましたし、影奇のアレがなきゃそうなっていました。

(源徳 村雨視点)


窮奇討伐から5時間後の正午……


「ふぁ~……んで、各々レイドイベントの結果はどうだったんだ?」


さっきまで寝てた俺達は〘厄災のアルケニカ〙へとログインし、賽子丁子さんが常駐していた場所へと集合していた。


「ハ~ッハッハッハ☆!……ボク様は[【道化竜】の召喚書]と大量の素材一式が手に入ったよ☆!」


「私の方は[【砕岩打槌】の指南書]と大量の素材一式が手に入りマッシた!」


「オレは[【マジックリベンジャー】の指南書]と大量の素材一式だなァ!」


「ウチはひたすらここで【丁半勝負】しとったから何も無しやな!」


……どうも、賽子丁子さん以外は全員何かしらの報酬を得れたらしい。


特にグロサリーヌの報酬がえげつねぇ。


……それはそうと、最後は俺か。


「……ああ、俺の方も大量の分霊竜に関する素材一式に加えて……[【暗殺竜(・・・)()()()()]が手に入ったな」


「「「っ!?」」」


「ほう☆……」


そう、俺も[召喚書]を手に入れたのだ。


それも[【暗殺竜】の召喚書]を、だ。


……まあ、手に入ったのは窮奇が倒されたタイミングっぽかったが。


「ん?……【分霊竜】やのうて【暗殺竜】名義の[召喚書]なん?」


「そうみてぇだ。……多分、影奇自身がそれを望んだんだろうよ」


「さいか……」


本来なら【分霊竜】名義の[召喚書]が出るのが普通なんだろうけど、結果として出たのは【暗殺竜】名義の[召喚書]……


ま、影奇自身いつまでも窮奇の影で居る事に嫌気が差したとかそんなところだろ。


「んじゃ、早速召喚してみるか……粛清せよ、【召喚(サモン)・暗殺竜】!」


ードロッ……


「「「「「っ!?」」」」」


基本的に、[召喚書]を使う際には独自の口上が必要になるらしい。


[【暗殺竜】の召喚書]の場合は"粛清せよ"がそれに当たる。


……だってのに、それで召喚したら何故か黒い泥みてぇなのが[召喚書]から垂れて来たんだが?


何か間違えたか?


とか何とか内心で焦っていると、黒い泥が1箇所に集まり人の形をとり始めて……


「ん……主様、(それがし)をお呼びでございますか?」


「「「「「…………え?」」」」」


……最終的に、黒いボロマントと黒いターバンで全身を覆った小学生ぐらいの女の子みてぇな姿になりやがった……


「ん……主様とそのお仲間様、某の人型形態が何かおかしかったでございましょうか?」


「……お前、もしかしなくても影奇だよな?」


「ん……はい、某は主様が熱い言葉をかけて釣り上げた影奇でございますが?」


「……………あ~、うん、そう来たか……」


そういや、仲間にしたドラゴンがすぐに人型……それも可愛い女の子になるのは前世でもお決まりなテンプレだったっけなぁ……


……それでも当事者になると困惑が勝つが……


「仲間になったドラゴンがすぐに人化するの、オレは嫌いなんだよなァ……」


「乱打羽はん……ウチやってその気持ちは痛い程に分かるんやけど、それはそれとしてひとまずその拳は下ろしてぇな……」


あ、乱打羽さんが"仲間になったドラゴンすぐ人化しがち問題"に怒って拳を握りしめてたっぽい。


……賽子丁子さんが止めなきゃ、影奇が殴られてたんだろうか……


なんて、割とどうでも良い事を考えていると……


「あ、ムラザメさん達……戻って来たんだね?」


「アーサードさんか……一応、手に入れた報酬なんかの情報を共有しとこうと思ってだな……」


……俺達と同じく、そこそこの睡眠をとり終えたらしいアーサードさんがやって来たのだ。


「だろうね。……ところで、そこの子供は?」


「ん……某の名は影奇、此度より主様の相棒となった暗殺竜でございます」


「………………[召喚書]、手に入れたんだね」


「そういう事だ」


いやはや、話が早くて助かるな。


……でも、今後もアーサードさんが味方って確証がねぇ以上、この話は深掘りしねぇ方が良さそうだ。


「あ、その顔は深掘りNGって感じだね?……分かったよ、僕もこの話は深掘りしないでおくから……」


「アーサードさん、本当に察しが良くて助かるぞ」


「あはは……このタイミングでそれを感謝されるのも複雑な気分だね……」


俺の意思を察したアーサードさんは、これ以上の深掘りを遠慮してくれた。


ほんと、察しが良くて助かるな……


……んじゃ、俺は俺で気になってた事を聞くか。


「そういや、アーサードさんは今回のイベントで何か報酬は貰えたのか?……例えば[指南書]とか……」


「……[【王竜頭砲(キングドラゴンブレス)】の指南書]ってアイテムが手に入ったよ。……効果や威力はまだ未確認だけど……」


うおっ……


結構エグそうなユニークスキルを手に入れたみてぇじゃねぇか。


名前からしてヤバそうだ。


……この話題、あんまり深掘りしたくねぇな……


「そ、それは何よりだな……で、話は変わるがアーサードさんはこれからどうすんだ?……何せ[王正騎士団]がそれなりの期間は相手にしてた窮奇をようやく倒せた訳だし、また何か大きな目標でも立てるのか?」


俺は急いで話を変え、アーサードさんの今後について聞く事にした。


「今後、か……そうだね……今の時点では何とも言えないかな?……僕も、少し考える時間が欲しくてね」


「……じゃあ、決まったら教えてくれ」


「うん、良いとも」


そりゃ、すぐには決められねぇよな……


クラン全体で取り組んでいた目標を達成した直後となれば尚更だ。


「ハァ……アーサードさん、もう俺達に聞いときてぇ事や話しときてぇ事はねぇか?」


「ん?……あ、そういえば[召喚書]についてプレイヤー全体に公表しようと思ってるんだけど、グロサリーヌさんとムラザメさんのも軽くで良いから公表して良いかな?」


「へ?……あ~……俺は良いぞ?」


「ボク様も同じくだよ☆!」


「あ、あっさり過ぎない!?……まあ本当に軽くで済ませるから、そこは信じてくれるとありがたいかな?」


アーサードさんはあっさり過ぎだと驚いてるが、俺としちゃ別に知られたところでって話だしな……


……そりゃ手札はバレるかもしれねぇが、こういうのは下手に秘匿しておく方が怖いからな……


「はいはい、信じてるからとっとと公表しろ」


「……これがエンジョイ勢のノリなのか……僕達とは違い過ぎるよ……」


「エンジョイ勢で悪かったな!」


……あれ?


俺達って、本当にエンジョイ勢なのか?


不安になって来たな……


……とか考えていた、その時だった。


ーピ~ンポ~ンパ~ンポ~ン♪


『やあやあ、プレイヤー諸君!……まさか吾輩が丹精込めてデザインした窮奇をイベント2日目の朝に倒してしまうとは……お陰で運営チームは残りのイベント期間をどう処理するかの会議や何やらでてんやわんやなのだよ!』


突如として、ゲーム内に源徳 霞らしき女性の声が響き渡ったのだ。


「好き勝手言ってんな……」


『あ~もう悔しいったらありゃしないのだよ!……かといって、吾輩はプレイヤー相手に直接アレコレする程器が小さい訳でもないのだよ!』


「なら何の用だよ!」


源徳 霞らしき女性の言ってる事が意味不明だ。


そもそも、何を言いに来たんだよまったく……


『ああ、本題を伝えなきゃなのだよ……こほん、今回のレイドイベントはこれで終了なのだけど、せめて次のイベント告知はしとけって部下の奴等が煩くて煩くて……あ、暴力反対なのだよ!?』


ーボコボコボコッ!


「……アーサードさん、このゲームの行く末って本当に大丈夫なんだろうか?」


「さあ、僕も不安になってるところだよ……」


恐らく部下からボコボコにされているであろう源徳 霞の声を聞きながら、俺達はこのゲームの行く末に不安を感じていた。


『ハァ……ハァ……いきなり吾輩の頭を叩いて来るとか本当に野蛮人なのだよ……それより次の大規模イベントなのだが、()()()()()()()()()()()()開催で、イベントタイトルは〘対厄災防衛戦~勃発、クラン対抗大戦争!~〙という……クラン同士での対抗戦になる予定なのだよ!』


「「「「「「……………ハァ!?」」」」」」


次の大規模イベント、まさかのクラン対抗戦だと!?


……って、別に俺には関係ねぇし気にしなくても良いか。


『なお、これはラビリーが運営チーム脱退前に仕上げた企画書であり、大小問わず様々なクラン同士での同盟や裏切りなんかもアリなイベントになってて、更に臨時の即席クランでの参加も可能であるとか……あ~、詳細は後日発表するのだよ!』


ープツン……


「なあ、アーサードさん……今の、俺達は出なくても良いよな?」


「そこはまあ、ムラザメさん達の自由かな……」


ってか、クラン対抗戦でどう厄災と戦うんだ?


……俺達が出る出ないは別として、そこだけは気になるな……


「ムラザメさん、出マッスよね!?」


「ハ~ッハッハッハ☆!……クラン対抗戦でもボク様は爆発を起こすよ☆!」


「クラン対抗戦、結構面白そうだなァ!」


「……ムラザメはん、諦めよし」


……クラン対抗戦、どうやら俺も出なきゃ駄目らしい。


え、そうなるとこれからクラン作らなきゃいけねぇの?


……勘弁してくれよ……

ご読了ありがとうございます。


なお、影奇の変身・変形はドラゴンとしての能力ではなく魂を得た影としての能力ですし、女児に変身してるのはそれが1番警戒されずに済むからだったりします。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ