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40.アーサードはぶっ放す

今のアーサードは、"三強"でも別格の強さです。

(前話の直後、鋼村 浅斗視点)


「…………ん?」


あれ、あっちは影奇の戦場……


って、何か影みたいなのが地面を泳いで?来てるんだけど!?


「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!」


「っ!?……何か、声の感じが変わった!?」


「どうしましたの!?」


「おいおい、俺様でも何か変な事が起こってんのが分かるぞ?」


その影を見た瞬間、窮奇が今までと全く毛色の違う声を上げた。


で、次の瞬間……


ーベタァ……


「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR !?」


ーピロリン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[隻影の分霊竜 影奇が回帰しました]

[悪逆の暴君竜 窮奇の名称が変化します]

[ワールドエンド・ユニークモンスターと遭遇]

個体名:孤独の覇王竜 窮奇

種族名:エンシェントドラゴン変異個体

個体数:1匹

レベル:■■■

備考:暴君に堕ちる前の窮奇。

   絶対的な"支配"に揺らぎが生じる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なっ……"孤独の覇王竜 窮奇"?」


……あの影が窮奇にへばり付いた瞬間、窮奇の名が変わってしまった。


それにしても、孤独の覇王と来たか……


「孤独の覇王……暴君に堕ちる前……窮奇が影と共に切り分けたものは本来切り分けてはいけないものだった様ですわね……」


「ハァ~……んで、これは強化か弱体化か……俺様はどう判断すりゃ良いんだ?」


そう、そこだ。


この変化は、果たして強化か弱体化か……


それが分からない以上、下手に動くのは……


……いいや、言い訳はよそう。


「……ネカマレード、ヴァルメリドさん、いい加減戦いを始めようか?」


「え、正気ですの?」


「ハァ……ま、現時点で俺様達が事前に打てる最善策は全部打ったっぽいしな……いっちょやるか!」


うん、出し惜しみもそろそろ無しだ。


……全力で行こう。


「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR !」


「うん、()ろうか?……全力解放、【複製勇者・念力操作(サイコキネシス)×天変無法(てんぺんむほう)】!」


僕の【複製勇者】は、1度に複数のスキルや魔法を組み合わせる事も可能だ。


なお、【念力操作(サイコキネシス)】は聞いての通りの効果のユニークスキルで、【天変無法】は白い翼で大空を自由に飛びつつ強力な羽を撃ち出せるユニークスキルである。


つまり、その2つを組み合わせれば……


ーバサッ……バビュン!


「ですわっ!?」


「うおっと!?」


……僕は背中に大きな翼を生やし、【念力操作(サイコキネシス)】の力も合わせて超光速で飛び立った。


それはそうと……


「ぎゃびゃびゃ♥️……ずごい゛ね゛♥️……」


「ねぇ、リリメア?……普通、僕に掴まってまで一緒に来るかな?」


……僕の腰辺りには、精一杯抱きついてしがみ付いているリリメアが居た。


放置されるのは嫌だと感じたらしい。


とか何とか考えてたら、いつの間にか窮奇の目の前まで来ちゃってた。


「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!」


「おっと、目の前を失礼するよ。……後、君は僕達を見てる場合じゃないよね?」


「ハ~ッハッハッハ☆!……ブレスが止んだので爆弾投下再開と行こうじゃないか☆!」


ーポイポイポイッ……


「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!?」


「あ、僕もちょっと離れよう……」


窮奇が少しの間ブレス吐きを止めたからか、グロサリーヌさんが爆弾の投下を再開してしまった。


……まあ、僕には関係ないね。


「きゃひゃひゃ♥️……ここで下りよっと♥️」


ーピョンッ……


「あっ……まあ良いか」


リリメアもリリメアで、窮奇の頭部付近で急に下りちゃって……


いくら元が凶悪な殺し屋だったとはいえ、見捨てるのは気が引けるんだけど……召喚獣枠だし、多分大丈夫だよね?


ーピピッ!


『団長、1人で先行しないでくださいませ!』


『うぉぉぉぉぉ!……俺様でも習得したてホヤホヤ初使用な【黒洞天斧ブラックホールアックス】を食らいやがれや!』


ーキュルキュルキュル……ドゴォォォォォン!


「GRYU!?」


あ、希人から通信でお小言が入っちゃったよ……


後、ヴァルメリドさんが新ユニークスキルを使っただけで、窮奇は驚いた反応をして……


…………………え?


「さっきまでは少しも効いてなかったのに?……まさかとは思うけど、切り分けていた影と同化した事が弱体化に繋がってるとかかな?」


2つに分けていた魂が1つになった事で、攻撃が通る様になったのかな?


……う~ん、まだ何とも言えないね……


『さあ、団長も早く仕事をしてくださいませ!』


「う、うん……じゃあ僕も……【複製勇者・羅貫螺旋×千本剣舞(せんぼんけんぶ)】を食らえ!」


ーじゃらじゃらじゃら……ギュルギュルギュルルル!


「GRU?」


ードゴドゴドゴドゴォォォォォォォン!


【羅貫螺旋】は言わずもがな、【千本剣舞】は千本の剣を作り出して自身の周囲を舞わせるユニークスキルだ。


その2つを掛け合わせれば、千本の剣先から螺旋状の光線を撃ち放つ破格の攻撃になる訳で……


「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!?」


「……やはり、効いてるね……」


残りHPがどれだけかは分からないけど、これは行ける気がする。


と、そんなところで……


『団長、どうも影のある場所にはダメージが通るみたいですわ!』


そう、希人から報告が入った。


「だろうね。……だとしても、凄い進歩だ」


これまで全くダメージが入らなかったのに比べたら、物凄い進歩だと言えるだろう。


……っと、ここでヴァルメリドさんの声も通信に入って来て……


『うぉ~……俺様達の団長が持ってるユニークスキルを模倣して固定砲台扱いとか、うちの団長が知ったら泡吹きそうだなぁ~♪』


そう。


【千本剣舞】とは本来、[()()()()]()()()Z()E()N()O()()()が所有しているユニークスキルだったりする。


というか、僕は【千本剣舞】を【羅貫螺旋】用の固定砲台にしているんだけど……本来の所有者であるZENOさんは千本の剣それぞれを独自に動かして戦えるから、僕からすれば頭脳がどうなっているのか意味不明だとしか言い様がない。


……もっとも、そんな千本の剣による数の暴力すらヴァルメリドさんは難なく蹂躙しちゃうみたいだけども。


あ、駄目だ駄目だ。


「思考が脱線してた。……次は【複製勇者・爆裂弾幕(パンクランチャー)×獅子奮迅(ししふんじん)×クラスターボムズ】で行こうかな!」


ーボンボンボンッ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!


「GRRRRRRRRRRRRRAAAAAAAAAAAAA!?」


ードカドカドカドッカァァァァァァァァァァァン!


爆裂弾幕(パンクランチャー)】は[()()()()]()()()()()()()()()()()()()が持つユニークスキルで、無数の爆破式ミサイルを発射する強力なスキルだ。


対する【獅子奮迅】は[()()()()()()()()()()()]の応援先である"()()()()()"()()が持つユニークスキルで、強力な爪による飛ぶ斬撃なんかが発射出来るスキルだ。


その2つに、グロサリーヌさんの【クラスターボムズ】を掛け合わせれば……まさに最強の攻撃が完成するって訳さ。


「ぎゃひゃ~!熱い熱い熱い~!」


「……気のせいかな?……リリメアの悲鳴が聞こえた様な聞こえなかった様な……」


「お兄ちゃん、聞こえてるよね!?」


…………うん、僕は何も聞いていない。


聞いてないったら聞いてない!


「ハァ……これは独り言だけど、リリメアはもっと罪に向き合うべきなんだよ」


「お兄ちゃんの人でなしぃぃぃぃぃぃぃ~!」


どうも、リリメアはずっと窮奇の頭部付近においてへばり付いた影をナイフでザクザクしていたらしい。


……それで味方の攻撃に巻き込まれていたら世話ないんだけど。


「GRRRRRRRYAAAAAAAAAAAAAAAA!」


あ~、まだ窮奇はやる気満々だよ……


……まだまだ時間はかかりそうだね……


なんて思っていると……


「ははははは!……影奇、せめて報酬を寄越しやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


「待って欲しいでござる~!」


「「「「「うおぉぉぉぉぉ!」」」」」


「……僕達に増援とはありがたいけど、これがどう転ぶかだね~……」


影奇の戦場に居た戦力も、こっちに来ちゃったよ……


……うんうん、もう深く考えるのを辞めよう。


取り敢えず、このまま攻撃を続けてさっさと窮奇を仕留めちゃうか……

ご読了ありがとうございます。


【複製勇者】は色んなスキルを模倣出来るものの、所詮は付け焼き刃に過ぎないので本来の所有者の扱い方には何歩も劣ります。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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