24.玉屋は決める
作中で最初の方に言われてた事をここに書きます。
……〘厄災のアルケニカ〙は、プレイヤーのユニークスキルやユニーク魔法もゲーム崩壊レベルでぶっ壊れてると。
(とある一般プレイヤー視点)
自爆魔と議論に議論を重ねて更に数時間が経過した。
もう周囲の時間帯は夕方に移行したらしく、真上は既に真っ暗になりかけていた。
「……よし、これで問題はねぇだろってんだ!」
「お~☆!……ようやくかい☆!」
自分は、やっとユニークスキルを撃てる段階に入れた。
「ふぅ……ほんと、おいらのユニークスキルはぶっ壊れてる代わりに制約も多いんだよ、べらぼうめぇ!」
「情報を揃えた相手を確実に即殺出来る代わりに、相手が強ければ強い程に多くの情報を取り揃える必要があって発動までに時間もかかると☆……不便極まりないよね☆!」
「全くでぇ。……お陰で実戦投入はこれが初めてだってんだ!」
……自分のユニークスキル、【観測花火】は使い勝手が悪かった。
発動までに必要な手間と時間なんかを考えると、滅多に使えなかったからな。
……ったく、せっかく錬金術師ってジョブを選んだんだから、もっとマシなユニークスキルかユニーク魔法が欲しかったよ。
その上、錬金術師だから直接戦闘も不得手だったし。
「……ともかく、そこまでの不便を強いるんだから道化竜も一撃必殺で倒せるんだろう☆?」
「あたぼうよ!……これでもし倒せなかったら、このゲーム辞めてやるってんだ!」
「ハ~ッハッハッハ☆!」
笑い事じゃないが?
……まあ、この自爆魔もよくやってくれた。
議論の最中に、怪しまれない様にと何度も自爆してプレイヤーと道化竜を爆発に巻き込んでたしな……
「……んじゃ、ちょっくら暴れてやるとするかってんだ、べらぼうめぇ……」
「もう口調が滅茶苦茶じゃないか☆……これだから変なキャラ付けをしたら苦労するんだ☆」
「煩いでぇ!……こちとら江戸っ子口調なんて古の言葉遣い、馴染みなんて欠片もないんだから仕方ないでぇよ、てやんでぇ!」
江戸っ子口調……
かつて今の首都に存在したとされる江戸ヶ原で使われてた口調だが、これがまた何というか印象に残る割に使いづらい。
だから、しょっちゅう言葉遣いが崩れるんだよな~。
「ハ~ッハッハッハ☆!……本当に君はなかなか面白いプレイヤーだね~☆!……ムラザメ君の前に会ってたら、君に惹かれてたかもね☆?」
「てやんでぇ、死んでもごめんだ!……寧ろ、さっさとそのムラザメとかいう奴相手に添い遂げてくれた日にゃ、盛大に祝いの花火を上げてやるってんだ!」
「そこまで嫌がるかい☆……ボク様はただ、急に利敵行為を始めてその流れのままに自爆祭りを開催しただけじゃないか☆!」
「べらぼうめぇ、それだけで充分過ぎるでぇ!」
本当にこいつは……
そのムラザメって奴が先に出会っててくれて助かったよ!
と、そんなタイミングだった。
ーピロリン♪
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[レイドボスの体力減少を確認しました]
個体名:爆笑の道化竜 恐悦
総HP:600億
残りHP:300億
残りHP割合:50%
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「うむ☆……もう半分に突入か☆!」
「ま、1番人気の報酬が美味いモンスターはそんなもんでぇ。……けど、こっからが大変でぇ」
「うん☆……だって、ボク様達の予測が本当なら☆……」
そう、ここまで早く……それも5体に増えたってのに、もう半分に到達させた訳だ。
結局、バトルらしいバトルもなく、5体に増えた道化竜をチクチク攻撃し続けるってだけで半分まで到達させるとか……
ま、現実のレイドバトルなんてそんなもんとはいえだ。
浪漫もへったくれもないなぁ……
っと、思考が逸れた。
……さてと、ここからどうなるか、だが……
「「「「「ピチャ~♪」」」」」
ーニヤリ……
「おい、また道化竜が笑いやがったでぇ!」
奴は、また気味の悪い笑みを浮かべた。
そんで……
「「「「「ピ~ッチャチャチャチャ!」」」」」
ーぼよん♪ぼよん♪ぼよん♪
「……また大玉が膨らんでやがるってんだ」
「今度は何匹になるかな~☆?」
……なるほどな、体力が25%減る度に増殖する能力か……
予想通りだ!
「てやんでぇ、もう増やさせないってんだ!……後、先に言っとくとこの花火は辺り一帯を巻き込むから、おいら達も死ぬぞ?」
「……どうせ報酬のドロップ品は直接手に入るし、後悔はないかな☆?」
「そうかい……じゃあな、グロサリーヌ!」
「そっちこそね、玉屋君☆?」
おっと、ようやくお互いプレイヤーネームで呼んだな事になるのか?
ま、何でも良いか。
「ふぅ……それじゃ、お前の最期に大きな花火を咲かせてやんよ……【観測花火】、発射ぁぁぁ!」
ーボンッ!
「ふむ、た~まや~☆!」
……自分は木製バズーカみたいな専用器具を用いて、スキルで生成した花火玉を発射した。
そして、その花火は一直線に道化竜の1体へと向かって行って……
「……ピチャ?」
ードォォォォォン!パチパチドンドンドォォン!
そこに咲いたのは、大きな花火。
爆発で火が飛び、その火もまた爆発する。
「ピチャ~!」
「ピ~ピ~!」
「チャッチャチャチャ!」
「ピチャッ♪……」
「ピ……チ……www……」
そんな花火の輝きの中から、鳴り響く道化竜の鳴き声。
「おうおう、もがき苦しんでるってんだ!」
「………いいや、あれは華々しい最期を喜んでるって声だね☆」
「ん?……そうな熱っ!」
「ハ~ッハッハッハ☆!……時間切れだね☆!」
……自分達が確認出来たのはここまでだった。
次の瞬間、自分はもうイベントエリアから目と鼻の先に設定しておいたリスポーン地点へと飛ばされていたのだから。
で、そのすぐ後には……
ーピロリン♪
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[爆笑の道化竜 恐悦を討伐しました]
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「……やっぱり倒せたってんだ……おっと、報酬も入ってんな?」
想定通り、花火に巻き込まれた道化竜は死んだ。
……つう訳で、ここからは報酬確認タイムだ。
「えっと、[道化竜の鱗]が999個に、[道化竜の爪]が999個で、[道化竜の飾り羽]が999個……あの竜、ばら蒔き分も含めてどんだけ溜め込んでたんだ!?」
絶対、これゲームのメタ要素とかじゃないよな!?
しかもこれ、カンストしちまってこれとか……
……あの道化師の事だから、地道にとっておいたんだろうな……
……っと、最後に1つ、まだあるぞ?
「何々……[【爆笑花火】の指南書]?……てやんでぇ、どうにも面倒臭いの貰っちまったなぁ……」
ま、効果は後で確認するか……
今はただ……ログアウトして休みたいな……
と、こうして自分こと玉屋の道化竜退治は幕を終えた。
……さて、グロサリーヌも良い報酬を得れてると良いんだがな……
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(破滅ヶ原☆グロサリーヌ視点)
ーピロリン♪
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[爆笑の道化竜 恐悦が討伐されました]
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「あ、グロサリーヌはん戻って来たんやな?……ウチはもう、何回も丁半勝負しとって……」
「うんうん、大変だろうね☆……さて、報酬はどうなってるかな☆……」
賽子丁子さんの事はひとまずスルーして、今は報酬の確認かな☆?
「[道化竜の鱗]が556個、[道化竜の爪]が492個、[道化竜の飾り羽]が768個か☆……それと指南書か魔導書らしきアイテムが1つ☆……むむっ☆!?」
「ん?……どないしたん?」
……これは驚いた。
手に入っても指南書か魔導書かと思っていたんだけど、まさかこれが手に入るとは……
「……[【道化竜】の召喚書]が手に入ったのさ☆」
「へ?……いや何でそうなったん!?」
「本当にね☆……少し道化竜を焚き付けて、一緒になって群がるプレイヤーを爆殺しまくったくらいで手に入るだなんて☆……」
「……絶対それが原因やん!」
だからって、召喚書をくれるとは……
世の中、分からないものだね……
「……まあ、今からボク様は少し休んで来るよ☆……余裕自体はあるんだが、窮奇戦のために温存しておきたくてね☆」
「わ、分かったわ……」
そうして、ボク様は一旦ログアウトした。
……それにしても、賽子丁子さんが他の皆について言及してなかったのを見るに、まだ他は決着がついてないらしい……
まあボク様は皆を信じてるから、その期待が失望に変わらない事を祈るしかないね……
ご読了ありがとうございます。
これでも、恐悦は敢えて攻撃を受けてくれるタイプだったから1日も経たなかっただけで、プロレス抜きなら討伐に何日もかかっています。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




