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12.乱打羽は面倒臭がる

……乱打羽は無所属のプレイヤーです。

(源徳 村雨視点)


「じゃ、早速テメェ等には捜査に加わって貰おうかァ」


「……ウサちゃんさん、この人どうにかならねぇのか?」


「あはは……姉さんは僕や僕の幼馴染みですら逆らいたくない相手だからね……君達の力にはなってあげられないよ」


強制的に捜査メンバー入りさせられた俺はウサちゃんさんに助けを求めるも、彼?彼女?は首を横に振るばかりだった。


……にしても、姉さんか……


「そうかいそうかい。……ところで気になってたんだが、お前達は姉弟なのか?」


「ん?……ああ、僕は姉さんの実の弟さ」


「なるほどな……となると、2人でパーティーを組んでる感じか?」


やはりと言うべきか、ウサちゃんさんは乱打羽さんの実の弟だった。


……なので、てっきり2人でパーティーを組んでるのかと思ったのだが……


「……いんや、オレと愚弟はパーティーなんぞ組んでねぇなァ……ってか、愚弟はともかくオレは完全フリーだぞォ?」


「へぇ……意外だな?」


割り込んで来た乱打羽さんから教えられた答えは、意外にも2人がパーティーを組んでねぇという事実だった。


「ま、流石に戦闘時には即席でパーティーを組む事はあるがァ……そもそも愚弟は[王正騎士団]所属のプレイヤーなんで、下手に長期的なパーティーは組めねぇんだよォ」


「ふ~ん……って、今[王正騎士団]つったか!?」


え、この着ぐるみプレイヤーって[王正騎士団]所属のプレイヤーなのかよ!


「え、何で四大クランのプレイヤーがこんな所に居るんデッスか!?」


「むむ☆?……そういえば、確か[王正騎士団]団長のアーサードは今、消息を絶っているらしいね☆?」


「え、あ、いや、僕は……」


着ぐるみプレイヤーが[王正騎士団]所属だという事実にエンムスビは驚き、グロサリーヌは意味深な事を言い出す。


で、それに対して着ぐるみプレイヤーが返答に困っていると……


「んな訳ねぇだろォ?……愚弟は寧ろ、その団長を捜索するためにあちこちに差し向けられた追っ手の1人だァ!」


「そ、そうさ!……僕は、アーサード団長を連れ戻すために、この始まりの街にやって来たんだ!」


「ほうほう☆……本当かな☆?」


「ほ、本当だとも!……この着ぐるみだって、団長に気付かれない様にするためで……まあ、この街を拠点にしてる姉を頼ったら何故かコキ使われる事になったのは完全に想定外だったけど……」


ふ~ん、なるほどなぁ……


こいつも苦労してるんだな。


「ま、その馬鹿団長が本当にこの街に居るかは知らねぇけどなァ?……あくまでも、あちこちに差し向けられた内の1人でしかねぇよォ」


「そ、そうだとも!」


「……そっちも大変そうだな」


こいつも親族に振り回されてんだな……


まあ境遇は全然違うし、俺は振り回されてるって言うにはだいぶ俺自身に問題があるが……


「ただ、僕としては姉さんも[王正騎士団]に入ってくれたらありがたいんだけど……」


「嫌に決まってんだろォ!?……誰が好んであんな堅っ苦しいクランなんぞに入ってやるかァ!」


「い、言う程堅苦しいかな?……僕はそう思ってないんだけど……」


「愚弟が気付いてねぇだけだなァ!」


おっと、弟君は乱打羽さんにも[王正騎士団]へ入って欲しいみてぇだけど、肝心の乱打羽さんはそれを嫌がってると……


「そうかな?……皆、結構ワイワイやってるよ?」


「そこじゃねェ!……オレはこう、自由にのびのびゲームをやりてぇんであって、クラン全体でワールドエンド・ユニークモンスター討伐を掲げて一致団結してぇ訳じゃねぇんだよォ!」


……まあ、そりゃ嫌か……


「う~ん、残念だよ……僕としては、割と本気だったんだが……」


「勝手に残念がっとけやァ!……って、話がかなり逸れまくったなァ……悪ぃ悪ぃ!……つう訳でポーション密売なんかの件だがァ……」


そうして、また話はポーション密売や粗製ポーションによる詐欺行為の話へと戻った。


……うん、そんな簡単には切り換えられねぇよ!?


「あの、その件なんだが……まずプレイヤーかNPC、どっちが主導してんだ?」


「分からねぇなァ」


「えぇ……じゃあ、手がかりとか……」


「皆無だなァ……」


「嘘だろ……それなら逆に、何が分かってんだ?」


「そういう事件が起きたって噂だけだァ……」


「話にならねぇなおい!」


首謀者は不明、手がかりも皆無、挙げ句の果てに事件も噂止まり……


話にならねぇぞ!?


「まあまあ落ち着いて……僕だって、何も姉さんが噂を鵜呑みにしてるだなんて思ってないんだ」


「でも、噂止まりなんだろ?」


「そりゃ、密売は買った側も共犯だからね。……それで騙されても、下手に声は上げられない」


「確かに、違反もそうだが何より面子(メンツ)が潰れる訳か……」


そんなの下手に言えねぇし、例え匿名でも言えねぇだろうな……


「勿論、敢えて標的(ターゲット)をNPCか気弱なプレイヤーに絞ってるのはありそうだけどね?……ゲーム内だからこそ、悪事を悪事だと思わないプレイヤーも居る事を考えたら……」


「そういうプレイヤーには、寧ろ普通のポーションを密売してるかもしれねぇしな……」


さて、ここまでで何となく線は絞れて来たか?


まず、詐欺行為の方が話題になってねぇのはNPC相手か気弱なプレイヤーのみを標的(ターゲット)にしてるから?


次に、我が強いNPCやプレイヤーには本当にポーションを密売してる可能性が高い?


……いやもう、全てが噂止まりだと訳が分からねぇな……


「……あァもう、地道な捜査とか面倒臭ぇなァ……もう街全体をロードローラー作戦で探して、見つけた密売人を片っ端から尋問すりゃ行けるだろォ!」


「姉さん、訂正するとロードは余計かな?……いやしかし、ここに居る面々の中で誰か1人でも頭が回る人が居てくれるなら違う策だって……」


「俺は駄目だ」


「私も駄目デッス!」


「ボク様もパスかな☆?」


「……皆、姉さんが提案したローラー作戦で文句はないね?」


「おう!」


「OKデッス!」


「ハ~ッハッハッハ☆!……勿論さ☆!」


……乱打羽さんが面倒臭くなって提案したローラー作戦は、言わずもがな全員賛成で可決された。


……可決、されてしまったのだった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(??視点)


「ケケケッ!……本当に良い商売だなぁ!」


「いえいえ、これもバルボリック様の手腕ありきでゲス!」


いや~、本当にチョロいわ。


こうしてゲスゲス言う悪役のロールプレイ続けてるだけで、バルボリックとかいうチンピラのボスを傀儡に出来るんだからなぁ!


「で、次のポーションはまだか?」


「もう出来てるでゲス!……こっちが気弱そうな奴等に売り付ける粗製ポーションで、こっちが気の強そうな奴等に売り付けるポーションでゲス!」


「ケケケッ!……これで1本につき50Gの売り上げとは、楽な商売だなぁ!」


「ただし、ポーションの値上げなんかは考えない方が良いでゲス。……このポーションが教会と同値段だからこそ、今の顧客達は買ってくれてるんゲスからね~」


ポーションを教会抜きで売れば、1本につき50Gの利益が手に入る。


……ただし、これはこいつ等を焚き付けるための薪に過ぎない。


「ケケケッ!……そのぐらい、此方も分かってる」


「そうでゲスか……でしたら、この辺りで次の商売に移るのが良い頃合いかと」


「ほう、次の商売だと?」


……みみっちいポーション密売はこれへの布石。


ポーション密売で得た顧客と、詐偽で得た金……


この2つで、私は大金を稼ぐのだ!


「バルボリック様、こちらにあります違法ポーションを短期間で売り、儲けを出してトンズラするんでゲスよ!」


「ケケケッ!……思ったより面白そうじゃねぇか、話を聞かせろ!」


よし、食い付いた食い付いた!


やっぱ大物ぶってるけど中身は生粋の小悪党だわ!


「へい、分かったゲス!」


「ケケケッ!」


さ~て、この平和ボケした始まりの街で、私はじゃんじゃん荒稼ぎしてやろうかね……


……このチンピラ共を、成り上がりプレイの踏み台にしてな!

ご読了ありがとうございます。


着ぐるみの正体は追っ手じゃありません。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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