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5 あずさ


長門島魔法学校高等部1年B組に編入になった。

朝、制服を着て、あらかじめ聞いていた時間割通りに教科書をカバンに詰める。

「普通の学校なんて、久々だな。」

そう思いつつ、部屋を出た。


第3寮正面入り口を出ると、黒塗りの車が何台も待機していた。どれも運転手が待っている。

そのうちの1台に、お嬢様風の女子生徒が颯爽と乗り込んで行った。運転手もすぐにドアを閉め、乗り込んで走り出す。

「漫画でしか見たことの無い光景だな」

思わず感想が口からこぼれた。


近くの駅まで歩き、電車に乗り込む。

お、80系だ!

そう思いながら乗り込む。だが、次の駅で生徒がどっと乗り込み、電車を楽しんでいる余裕はなくなった。


国鉄時代のように10両編成に満員通勤(通学)客を乗せた80系は、ターミナル駅へ到着した。

行き止まり式のターミナル駅では、72系電車、80系電車などの“旧型電車”、103系、113系などの“国鉄新性能電車”、153系、165系、455系、475系などの“国鉄急行型電車”が勢ぞろいしていた。

国鉄派の鉄道ファンが見たら、涙を流す光景だ。


大量に並んだ改札を出て、人の流れに乗って学校を目指す。

さすが10万名も生徒のいる学校だ。まぁ、小学校から大学まであるそうなのだが、高校だけでもかなりの人数がいそうだ。


高等部、つまりは高校の建物は大きく、自分の下駄箱探しから迷うことになった。

「おはよう。何をしているんだ?」

後ろを振り返ると、あずさがいた。

「あずさか。おはよう。自分の下駄箱を探しているんだ。恐らく1年B組はここらへんだと思うんだが・・・」

「ちょっと待ってよ・・・。多分転入生だから出席番号が一番後ろになっているから・・・」

あずさはしゃがみこんで足元近くの一番下の段の下駄箱を開けた。

「ここだね。まだネームプレート入ってないけど。」

「どうも。」

靴を脱いで持って来た中履きに履き替える。

履き替え終わって、俺が大注目されていることに気づいた。


「あれが昨日大爆発させた転入生か・・・」

「あれ!昨日風紀委員長を福岡まで吹っ飛ばしたっていう超人転入生じゃない?」

「えっ?私は対馬まで飛んでいったって聞いたけど。」

「とにかく相当すごいやつなのは間違いないよ。」


「どいて!どいて!」

その人ごみを分けて俺に突入してくる男女がいた。

「はいはいはいはいどいてーーー!

長門校内新聞、日報ながとの春日井です!こっちはカメラ担当のサメ!」

「鮫島です!」

女子の方は春日井と名乗り、若干ぽっちゃりした男は鮫島と名乗った。

「では、早速写真を一枚。」

「断る。写真を撮るな。そう言うのは好きじゃない。」

鮫島は残念そうな顔でカメラを下げた。

「では、取材だけでも・・・」

「有名人にはなりたくないんでな。失礼。」

「いや、すでに有名人でしょ!」

春日井から突っ込みを入れられた。


「あなた方、無茶な報道は取り締まりますよ!」

後ろからあずさが出て来て、2人に言った。

「あら、風紀委員の君吉さん。もちろん本人に断られたからには今回は下がりますよ。それではまた後ほど~」

春日井さんはそう言いながら猛スピードで去っていった。

「あ、ちょっと待って~」

そう言いながらも猛スピードで鮫島も去っていった。


「行こう。」

あずさに言われて、俺は歩き始めた。


「さっきの奴らは校内新聞の一つ、日報ながとの問題記者二人。春日井さんと鮫島君。」

「校内新聞の一つって、他にもあるのか?」

「あるよ。毎朝ながと、橋下新聞、高等部新聞。ゴシップ紙まであげればきりがないくらいに。」

「すごいな。そりゃ。」

「それの過度な報道の取り締まりも風紀委員の役目なんだけどね。」

「根絶は難しいってか。」

「そういうこと。お恥ずかしながらってやつだね。」


1年B組の教室に到着した。

「広いな~」

「まぁ、一クラス100名以上いるからね。」

「そういえば職員室には顔を出さなくてよかったのか?」

「うん、問題ないよ。この学校じゃ転入転校はよくあることだし、一クラス100名以上もいるもんだから担任の教師は生徒の顔なんて覚えていない。だから、転入生が来ても何も紹介しないんだ。」

「無責任な教師に聞こえるな。」

「仕方ないよ。魔法について詳しくわかっていないし、さらにそれを教育できる人となれば限られるからね。」

「なるほど。」

「まぁ、そのかわりに風紀委員が案内するんだけど。席は自由席だよ。私物を入れておけるのは廊下にあるロッカーくらいかな。」

「了解。」

俺は前の方でもなく、後ろの方でもない窓際の席に座った。なるべく目立ちたくないからだ。

席は階段状に配置されていて、後ろの方にはモニターも設置されている。恐らく、黒板が見えにくいから、前の方を中継するのだろう。


座って落ち着いてから気づいた。注目されている。

だが、内容が少し違っていた。


「見て、君吉さんが転入生を案内してる!」

「君吉さん、あまりしゃべらないイメージだったけどなぁ。」

「転入生に伝えるべきことが伝わっていると良いけど・・・」




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