↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/92

おじさん、燃える船の上で

 火は勢いを増し、海賊船団に燃え広がっていく。魔物たちとの戦闘も続くが、こちらは順調だろう。心配なのはアイと時空戦艦の方だ。こちらの予想が正しければ、海賊たちがやられるほど魔王の力も弱まっていく。だから、急がなければ。


 船から船へと渡りながら、戦いは続く。ここで何隻目か。船団の中でも一際大きな船にやってきた。船の帆に描かれた竜のようなマークがかっこいい。なんて、感心してる場合ではないな。この船の船員たちがこちらへ向かってくる。


 敵は、ドラゴニュートか? 二足歩行の竜人。その一体一体からかなりの気迫を感じる。相手にとって不足なし。海賊船団との戦いもクライマックスに入ってきているのかもしれない。


「皆、敵さん結構強そうだけど意気込みは?」

「私、行けます! 任せてください」

「あたしの刀が血を求めてるぜ!」


 ルリカさんもメグ師匠もやる気満々だね。師匠の方はちょっと敵っぽい発言してて気になるけど、今はハイになっているのだろう。ということで納得。


 リッチ先生もいけるかい? なんか面白いくらい震えてるけど、行けるってことで良いですね? それじゃあ、やったろうか!


「行くぞ! 竜人ども!」


 走る! そして衝突! 俺と竜人の得物がぶつかり合う。こいつ! 俺と武器を打ち合ってくるか。やはり他の魔物たちとは違う! 面白い! が、こっちは急いでるんでね。早めに倒させてもらうぞ。


 刀とサーベルのぶつかり合い。だが、それはいつまでも続かない。数度の打ち合いの後、俺の刀が敵の喉を突いた。首を貫かれて平気なやつはそうそう居ない。まずは一体! 討ち取ったり! どんどんかかってこい!


 次々に襲いかかってくる竜人たちの胴を切り、首をはねる。この船の敵は俺の動きに反応できてたり、そうでもなかったり。最初に俺と当たった竜人がこの中でもやる方だったみたいだ。楽に戦えるなら、それはそれで良い。


 ただ、弱い方の個体でもSランク下位くらいの強さはあるかもしれない。たぶん、並の探索者じゃ相手にもならないんじゃないかな。それくらい竜人たちのレベルは高い。まだまだ世界には手こずる魔物がたくさん居るのかもな。そう思うと、やっぱり面白い。


 皆のことが心配になり、余裕のあるタイミングで周囲に目をやる。リッチ先生はなんだかんだ戦えているな。メグ師匠は竜人たち相手でもガンガン攻めてて流石って感じ。ルリカさんは、魔法の腕を使った刀と盾のコンビネーションで上手く戦えてる。


 心配は、要らないのかもな。皆が上手く戦っている姿に安心感を覚えた。そんな中、「もういい!」と誰かが叫ぶ。声のした方を見ると、一際大きな体の竜人が居た。衣装が派手で、見るものを威圧する感じだ。ひょっとして、あいつがこの船の船長か?


 船長の叫びに合わせて、周囲の竜人たちが一歩引く。そして、船長が一歩前に出た。俺の方に向かってきてるな。良いぜ。やってやる! こいつが一番強そうだ。


「他のやつらはともかく、その男は俺様でなければ相手にならん! お前らは、女どもと裏切り者の骨野郎を相手にしろ!」


 この派手な船長。まさに海賊の親分といった感じで堂々としている。嫌いじゃない。が、俺たちと敵対するなら容赦はしないぞ。


「……貴様。あの空飛ぶ船の頭か?」


 竜人の船長は俺をしっかりと睨みながら聞いてくる。頭……か。頭というよりは……船の所有者? そんなところではないだろうか。


「皆のボスって柄じゃない。俺はここまで、皆と気楽に冒険してきた。その冒険の邪魔をするなら、ぶっ倒す!」

「そうか。なら、戦うだけだな。俺様は魔王サン・リバイア様の右腕! この海賊船団のボス! ニュート・リバイア! 行くぞ!」


 リバイアの名前を持ち、ただならぬ雰囲気を持つこの竜人。もしかしたら魔王種の一体なのかもしれない。恐らくこいつが、サン・リバイアを除けば最も偉いやつ! 倒せば、船上の戦いは決着するだろう。そんな予感がある。


「雌雄を決する! 俺様が倒されるか! 貴様が倒されるかだ!」

「良いね。シンプルで良い」


 熱く、それでいてクールな敵だ。こちらもクールに行かねば。なんて思っていると。


「それはそれとして貴様! 海賊船団のあちこちに火をつけやがって! 絶対に許さんぞ!」


 あ、割とガチに怒ってますね。でも俺は謝らないぞ。火でもつけなきゃ、海賊船団全ての相手なんてやってられない。流石にそれは面倒すぎる。それに。


「こっちは、命を張ってくれてる味方が居るんでね。気楽な冒険だが、それはそれとして本気で頑張るってもんさ」

「それはこっちも同じこと! ここまでに散っていった味方のため! そしていずれダンジョンの外を征服するため、俺はおまえを絶対に倒す!」


 そうして、船長との戦闘に突入した。こちらから素早く踏み込み、刀で首を狙ってみたのだが、流石は海賊たちのボス。こちらの攻撃に素早く対応してくる。


 刀とサーベルがぶつかり、火花が散る。更に俺からの攻撃! それも、船長には届かない。この敵、ひょっとしたらメグ師匠以上の剣技を持っているのかもしれない。


「貴様の剣、攻略できぬほどのものではない!」

「その言葉、そっくりそのまま返しますよ」


 やってやる。俺はここで、更に成長してみせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。