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時空戦艦VS海賊船

 第四層へやって来た。来たのだが……嵐の海だー!

 せっかく海上に出られたのに爽快感なんてないな。時空戦艦も一緒に海上まで出てきてくれてるけど、これはまた海の中に潜った方が良いかもなあ。


「アイ、俺は一旦時空戦艦に戻る。転送よろしく。それと、ワープポイントの設置もお願いね」

「承知いたしました。ヨータ様は休憩なさってください」


 周囲の景色が歪み、戦艦のドックへ。アーマーを脱ぎ、ひとまず艦橋へ向かう。


「おーおー、凄く激しい嵐だねえ」


 さっきまで外に居たし、分かってるけどさ。改めて船の中から外を見ると凄まじい嵐だ。横殴りの雨なんて久々に見た。雷も鳴ってるし、おっかないなあ。


「この嵐だと、海中を進んだ方が安心かな?」

「海上を進んでも問題ありません。時空戦艦はヤワな作りの船ではありませんから」

「そうなの?」

「それに、せっかく海上に出られたのですから、今は海上の冒険を楽しみましょう」

「なるほどねえ。ふむ……そういうことなら、この層は時空戦艦で進んでいこうか。俺は艦橋から外を見てるのが良いや」

「では、そのように」


 バンノウマルに乗って嵐の海上を進んでいくことも、できはするのだろう。でも、それはやめとこうと思う。やっぱり嵐は怖いしな。


 嵐の海を時空戦艦が進んでいく。視界は悪く、あまり遠くまでは見えない。それでもこの船は問題なく進行しているというから、流石だ。


「……ヨータ様、敵の気配をキャッチしました。前方と、下方から迫ってきています」


 気配には、俺も気付いている。だが、まだ距離があり、この視界の悪さのため、敵の姿はよく見えない。なんて、思っているとアイが双眼鏡を構えていた。その双眼鏡どこから出したの? 良いデザインだね。


「……船のようですね。リッチ先生が乗っていたものに似ています。あれほど、ボロボロではありませんが」

「先生の船に? なら……ちょっと先生を呼んでもらえる?」

「承知いたしました。少し、この場を離れます」


 アイがその場から転移し、ほどなくして戻ってきた。リッチ先生も一緒だ。先生、今日は警備員スタイルなんだな。じゃ、今のタイミングで、いくつか確認をとりたい。


「先生、この嵐の中、こっちに船が向かってきてるそうなんだが。どうも、その船は先生が乗っていたものと似ているらしい」

「……そのようですな。いよいよ、他の海賊船が出てきましたか」

「一応、確認をとってもらおうと思ってね。アイ、双眼鏡を貸してもらっても良いかい」

「もちろんです」


 アイは先生に双眼鏡を貸す。先生は双眼鏡を覗き、少ししてそれを目元から離した。相手が元仲間だったとして、彼には思うところがあるだろうか。あるだろうな。


「……海賊船ですね。危ないので、やっちゃってください」


 そ、そんな軽いノリでやっちゃって良いのかい?

 君の元仲間なんじゃないのかい? いや、元々戦うつもりだったし、やっていいって言うなら迷わず戦うぞ?


「我、あなたたちに情報を提供した時点で、向こうからしたら裏切り者です。戻っても処分されるだけですよ。それに、あっちに友達とか居ませんしね。我っ!」


 先生、海賊船団の友達とか居ないんだ。とか、口に出さずにいると。船が揺れた。どうやら砲撃を受けているらしい。時空戦艦のバリアを貫通するほどのものではないが、衝撃は伝わってくる。


「おお、結構揺れるな」

「ヨータ様、敵船の数は前方に四、下方に一だと思われます。どちらから、対応しますか?」

「アイ、前方はともかく、下方は攻撃できるのかい?」

「こんなこともあろうかと、時空戦艦の改造時に爆雷装備を追加しています。それを使えば、下方の敵にも対応可能です」

「分かった。ならば先に下方の敵を爆雷で対処。その後前方の四隻を魚雷で討つ」

「承知いたしました。ヨータ様のオーダーに応えてみせましょう」


 さて、艦隊戦というやつかな。こっちは一席だから、ちょっと違うか? このシチュエーション。ワクワクするぞ!


「爆雷、投下します」


 アイの言葉に会わせ爆雷が投下……されたと思われる。ここから爆雷が落ちていく様子は見えないからな。少し残念。


 数十秒後、下の方から爆発音が響いてくる。少しの衝撃も感じられた。実際は、結構な衝撃が海中で起こっているのだろう。艦橋まで届くほどの衝撃に戦いのスケールを感じる。


「下方の敵は撃沈しました。これより、前方の敵へ魚雷を発射します」

「ああ、任せる」


 すでに敵船は目視できる程の距離まで近づいている。その数は四。アイの予想通りだ。


「魚雷、発射」


 アイの言葉に会わせ、魚雷が発射されたのだろう。この嵐の中で、魚雷はよく見えないが、数秒して敵船全てに着弾したと分かる。轟音が鳴り、四隻の船が沈んでいく。


「全ての敵船を排除しました。ひとまず、これで驚異は去りましたね」

「アイ、お疲れ様」


 アイの言う通り、ひとまず驚異は去った。ここから先の冒険では、かなりの激戦が予想されるな。けど、俺たちの時空戦艦なら、きっとこの先の戦いも乗りきってくれるだろう。俺は信じてる。


「一旦、時空の狭間に隠れよう。休憩中にまた襲撃なんてのも嫌だしな」

「そうですね。時空の狭間へワープします」


 今日の冒険はここまで。明日からまた頑張るぞ!

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