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おじさんVS海賊リッチ

 ホコリを被った通路を進みながら、スケルトンたちを倒していく。船内の様子を観察しながら、適当に足を進める。船の地図でもあれば助かるんだがな。まあ、出会う敵を倒し続けていれば、そのうち何か見つかるだろ。


 いつも使うカニバサミだが、予想通りスケルトンには有効のようだ。できれば刀も使いたいところだけど、斬撃よりは打撃を選ぶタイミングだろう。


 メグさんとの修行の成果も、出ていると思う。彼女の教えは足運びを重視しているようであり、これまでよりも、敵と、適切な距離で戦えている……気がした。


 階段を見つけ、まずは下に向かってみたのだが、面白そうなものは見つからなかった。なので今度は上を目指す。その間もスケルトンたちを倒し続け、ある部屋にたどり着いた。


 そこは他の部屋よりも広く、それに少し豪華な感じがした。金のドクロの飾りや、それっぽい宝箱なんかがある。ホコリを被っていそうなのは気になるが。そして、椅子に座る立派な衣装のスケルトン。他の者より明らかに強そう。よし。いっちょ戦ってみるか!


「あんたがここの船長?」

「いかにも」


 お、喋れるタイプ? これは意外。まあ、見た目は完全に骨なので、倒すことにそれほど拒否感はない。喋る魔物ってだけなら、ウー・ザ・スラで経験してるし。


 さて、敵の様子を観察する。椅子から立ち上がった姿は二メートル近くあり、かなりの長身に見えた。それでもあまり威圧感を受けないのは相手が骨だからだろうか? どちらかというと不気味な感じがする。


 相手は映画で見る海賊の帽子みたいな、黒く大きなものを被っている。ならばカットラスや銃を持っているのかと思えば、そんなことはない。ドクロの飾りが特徴的な長い杖を手に持っている。ふむ、魔法を使う相手か? ワクワクするな。


「ヨータ様、敵はリッチです。魔法攻撃に注意してください」

「海賊リッチってところか。相手にとって不足は無いな」


 カニバサミを構え、相手の出方を見る。こちらから攻めても良いが、せっかく魔法を使う相手と戦うのだ。魔法……見たいじゃん。


「……来ぬのか? こちらから行くぞ」

「どうぞ、ご自由に」


 俺の挑発に対し、リッチは杖を構える。そして、杖の先に水球が発生する。へえ、詠唱は要らないタイプか。で、ここからどうなる?


「その先を見せてくれよ。水球を飛ばすのか?」

「ふんっ」


 リッチが杖を振ると、水球が飛んでくる。え、それだけ? まっすぐ向かってきたそれを、俺は軽く回避。したつもりだったのだが。


「ふんっ」


 回避した水球が起動を変えて、俺に迫る。ほほう、ホーミング弾か。面白くなってきた。避けるのがダメなら、消すのはどうだろう?


「アイ、魔物を転移させるように、水球は消せるかい?」

「問題ありません。周囲の海に転移させてしまいましょう」


 バリアで受けるのもありなんだがな。せっかく近くのものを転移させる能力があるのだ。テストしてみようじゃないか。


 俺は迫る水球に得物を向ける。次の瞬間、水球がパッと消えた。


「なっ!? 我の魔法をどこにやった?」

「どこって……その辺の海?」

「ふ、ふふ……な、ならば、これはどうだっ!」


 リッチが杖を振ると、同時に大量の水球が出現する。なるほど、これほどの水球を出すか。けど問題はなさそうだ。


「これだけの水球。貴様でも処理しきれまい」

「ふむ、処理できるかな? アイ」


 アイが「問題ありません」と答えるのとほぼ同時、大量の水球が俺に襲いかかる! が、その全ては俺に当たることもなく、消えてしまう。


「この程度の速さの攻撃であれば、問題なく消すことができます」

「ある程度の速度を越えた攻撃は、消せないってことだね」

「残念ながら」

「問題ないさ。むしろ対処できない攻撃もあると分かって良かった」


 めちゃくちゃ速くてバリアを貫通するような攻撃は防ぎきれないか。なんでもかんでも全自動で防御できる訳じゃないんだねぇ。まあ、良いさ。その時は俺が対処法を考えれば良い。


「ところで」

「あわ……あわわ……」

「あんたの魔法はこれで終わりかい? 終わりなら、そろそろこっちから行くぞ?」

「……く、くそがあぁ!」


 口が悪いですぞ? リッチは部屋を埋め尽くさんばかりの巨大な水球を発生させる。そろそろ、そいつは見飽きたぜ。


 俺は勢いよくカニバサミを振り、水球を破壊した。おお、やってみるもんだな。この方法でも水球を消せるじゃん。


「な!? は!? あ!」

「遅い」


 メグ師匠直伝の瞬歩で一気に敵との距離を詰め、カニバサミによる連撃を叩き込む。魔法を使うのは特殊だが、それ以外は普通のスケルトンと変わらないのだろうか。敵をあっという間に粉砕する。


「ふぅ……ん?」


 なんだ? 何か違和感があるが……まあ敵は倒せたので良しとしよう。戦利品として魔法の杖はいただいていく。これがあれば俺も魔法を使えるのかな?


「お疲れ様です。ヨータ様」

「ああ、戦利品もゲット! それと、気になっていたものがある」


 海賊船といえば宝箱! 見つけたのは、この部屋の一つだけ。何か、良いものが入っていると良いなぁ。

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― 新着の感想 ―
怪談を見つけ、まずは下に向かってみたのだが、 流石に怪談では階移動は無理ではないかなw
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