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おじさん、ファクトリーで準備する

 夕方に食料品や調味料の買い込みを済ませて夜。時空戦艦の談話室へ転移してきた。流石に俺の自室のままでは、ということでワープポイントは変更したよ。今のところ、悪くない。


 明日の夕方からメグさんの道場で稽古が始まる。そして、明後日には海底ダンジョンへ向かう。結構スケジュールが詰まってきたな。無理をしない程度にやることがあるのは暇をしなくて良いかもしれなあ。ペースを崩さず、やっていこう。


 で、今からファクトリーに向かう。壊れていた鎧の修理と改造。さらに、あるものを作る予定だ。楽しみだねぇ。


「……ヨータ様、参りましょう」

「ああ。今からワクワクしてるぜ」


 少ししてファクトリーに到着。まずは鎧から、これまでの素材に加え、黒いワイバーンの皮や骨、肺などを贅沢に使う。さらに、大金で買ったパーツも投入だ! 完成図は少しゴテゴテとした感じになるけど、これはこれで良いと思う。


 ファクトリーの機械がゴウンゴウンと重そうな音を鳴らしながら動いていく。そうして完成したのは武者甲冑をイメージしつつ、アメコミに出てくるパワードスーツのように改造されたもの。見るからに強そうだ。


「魔物の素材の他、探索者協会を経由して老神重工から取り寄せた部品も加えられています。見た目は人の形ですが、ちょっとした小型探索船ですね」

「宇宙服みたいな感じだよな。あれって何億とするって聞いてたけど、これは数千万くらいで作れちゃったね」

「ほとんどは渋谷ダンジョンで手に入れた魔物の素材が使われてますから。そんな話は置いておきましょう。早速着てみてください。ヨータ様」


 アイに急かされて鎧を身に付ける。ここまで来たら、着るというより、乗り込むと言うべきかもしれない。まるで、ロボットを操縦するみたいで興奮するな!


 手を開いたり、閉じたりしてみた。ついでに体をひねったり、足を動かしたりもしてみる。悪くない。


「こちらの鎧、私がシステムをサポートします。音声認識ですぐに対応いたしますよ」


 これまでもアイは時空戦艦やボディなど、様々のものを同時に動かしていた。その応用で新しい鎧を動かすのもサポートしてくれるとのこと。凄いよね。

 

「これからも、よろしく頼むよ。アイ」

「ひとまず、ステータスと」

「ああうん、ステータス!」


 言ってすぐ、面の裏側から見える視界に複数の文字が表示される。酸素残量だったり、鎧の各部の耐久度だったり、色々な情報が分かる。有効に使いこなしたい。


「……悪くない。と言いたいところだけど、情報の見え方は、ちょっとずつ調整した方が言いかもしれない」

「すぐに調整いたしますか?」

「いや、少しずつ調整していこう」


 新しい鎧のチェックは完了! というわけで、次はいよいよ……こいつを作るぞ! 俺はアイに「例のやつを」と伝える。なんか、こういうやり取り良いよね。


「……水中銃、あるいはスピアガンといったとこかな? 早速、作ってくれ」

「承知いたしました。少々お待ちください」


 再びファクトリーの機械が動くのを黙って待つ。心はウズウズしているぞ。


 次のダンジョンは海底だからな。まあ、外が海だからといってダンジョンの内部まで海とは限らないのだけど、世界中のダンジョン配信を見ると、ダンジョンが近くの環境に影響を受けているという話もあるみたい。俺は割とこの説は信じている。


 ほどなくして、注文のスピアガンが完成した。ワイバーンの素材を使った特別製。これは、なかなか良い感じ! かっこいいぞ。海の冒険にピッタリだ!


「……ヨータ様、今さら言うのもどうかとは思ったのですが」

「ふむ? どうしたね、アイさんや」

「同じような攻撃をするなら、これまでのように槍を空間から射出していれば充分なのでは?」

「あ、アイさん……それは言わない約束だよ」


 こういうのは気持ちの問題なのだ。海のダンジョンへ向かうのだから、海に合った装備を作る。だってその方がテンション上がるだろう?


「……さて、装備も新しく作ったし、今度は何をしようかな?」

「でしたら、入浴などどうでしょう? あるいは食事になさいますか?」

「んー、入浴はご飯の後にしようかな。今日は、カレーが食べたい」

「カレーですね。すぐにご用意いたします」


 鎧を脱ぎ、スピアガンと一緒に収納する。そうしてファクトリーから食堂へ向かい、アイが料理を作ってくれるのを待つ。時々は、俺が料理を作るべきだろうか? ただ、アイは食事が必要ないし、手伝いも必要ないと言われてるんだよなぁ。


 ……アイが作ってくれたカレーは絶品だった。ワイバーンの肉がゴロゴロと入っていて、食べごたえが半端ない。鶏肉のようでありながら、重厚な食感だ。人によって評価の分かれるところかもしれない。俺は好き。


「ヨータ様、今日のカレーはどうですか」

「うん、美味いよ。凄く美味い。百万点!」

「ふふふっ。ありがとうございます」


 俺がカレーに対する感想を話すと、アイが嬉しそうに笑ってくれる。彼女の笑顔を見ると、なんだか心がほっこりした。

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