最強の万能剣士のおじさん、弟子にギルドの経験をさせるために登録に行く。
さて、聖剣メテオの強化も終わった頃だな。マリナと鍛冶屋に行って武器の受け取りに行くか。
それにしても、結局、魔王城の情報は庶民の人達に聞いても全く知らないとのこと。それもそうか、彼等は冒険者ではないし、知る余地もないか。こうなれば、地道に探すとするか。マリナと一緒に。
鍛冶屋に着いたな。
扉を開けると、
「ああ…いらっしゃい。この前のお客様だね。しっかり、剣は手入れしておきましたよ」
「ありがとう…」
「いえいえ、聖剣なんて、研いだのは初めてですから。凄く貴重な経験をさせていただきました」
「そうでしたか」
しっかり、手入れされている。見ただけで、鏡のような輝き、剣から光が照らし出しているのが良く分かる。
ここの鍛冶屋、かなり良いな。また、寄ることがあれば、ここに頼むのも良いな。
「師匠、みて、みて」
マリナの顔つきが子供らしく、可愛らしい表情だ。まっ、本当に12才の子供だけどな。
「おっ。マリナの剣も、綺麗で研がれているな」
「ありがとう、師匠」
「うん」
「また、立ち寄ることがあったら、いつでもきて下さいね」
「もちろんです」
こうして、鍛冶屋を後にする俺達。あっ、そうだ。マリナに冒険者ギルドの経験をさせてあげるか。最初、出会った時、彼女は一人だったし、それにお互い一緒なら安心だろうと思う。
「なぁ、マリナ。冒険者ギルドに行ってみないか?」
「えっ、どうして? 師匠?」
「お前にいい経験をさせたいし、何処まで力があがったのかみてみたい」
「でも、私、モンスターが出てきたら、まともに闘えるかな?」
「大丈夫だ、後ろで俺が保護する」
「本当、師匠。でも、ちょっと師匠に悪いし、私、成長したいから、なるべく自分で闘えるようにしたい」
「そうか、分かった。でも、ピンチになったら、絶対に助けるからな」
「し、師匠、ありがとう」
暫く歩いていると、冒険者ギルドの大きな看板が見えてきた。
おっ、ここだな。
「失礼します…?」
何だか、周りに人集りが出来ている。なんだ、何かおきたのか?
ザワザワザワとざわついている。この感じだと、誰かがモンスターにやられたのか?
何となくだが、そのように感じられる。分からないが。
奥のようだ。どうやら、様子をみてみると、女性が何者かにやられているようにみえた。
傷口が深い。あまりにも酷いな…どうやらモンスターにやられ、重傷を負ったっというところか。それにしても、この女性は一人でギルドの登録をしたのか? それとも、仲間がいたのか? では仲間がいるのなら、その仲間は何処に…。
考え事をしていると、感じのいいオッサンが俺に話かけてきたようだ。
「何でも、SSSランクのパーティの奴らがモンスターとの戦闘中、この女の子を置いて逃げ出して帰ってきたらしいぜ」
「?」
SSSランクパーティ…。そんな強いパーティがこの国にいるのか? あまり考えられんな。それに逃げ出すとは? どういうことだ?
「何でもよ、そのパーティ、前はSSランクのだったみたいだ。だが、クエストクリア時、虚偽の報告をし、SSSランクになっている。けったいな奴らだ」
この話を聞いた時、俺は、勇者トムのことを思い出した。アイツらなら、そんなこと、やりかねなさそうだ。何故なら、俺と一緒に組んでいた時、トムは俺とモンスターとの戦闘時、何処かに逃げて隠れ、俺一人で闘わせていた。その手柄を自分のものにしていたくらいだからな。
そうなると、この女性が組んでいたパーティはトム達の勇者パーティの可能性が高い。彼奴等もこの俺が所属している時からSSランクだったからな。そのパーティをSSランクにしたのも全部、俺がモンスターを討伐したからだ。だから、あの勇者パーティはあそこのランクまでくることが出来た。
ただ、彼奴等は絶対にこの俺に感謝なんて絶対にしなかったけどな。
ふと自然と目があった。ギルドの受付の女性、キャリナさんだ。彼女はモンスターにやられているであろう女性の手当てにどうやらあたっているみたいだ。
「エ、エヴァンさん!?」
「あっ、どうも」
俺は受付の女性に礼をする。キャリナさんだ。
「エヴァンさん、これはどういうことですか!?」
「えっ、どういうことって…?」
「あの人達、どうして、一緒のパーティのリオさんを置いて逃げ出したのですか!? 説明して下さい!! あなたなら、勇者であるトム・ショートさんのパーティにいたから分かるでしょう!?」
「ああ…。実は、トム・ショートの勇者パーティに入っていた時から、ほぼ、全て俺がモンスターを討伐していた…」
「嘘!? なんですか!? それ!? そんなこと、一言も聞いてませんよ!? だって、今までの討伐は全て、勇者トムさんがしていたのではないんですか!?」
「アイツは、単に良いところを持っていっただけだ。先ほども言ったように、モンスターの討伐は俺が全てしていた。それが真実だ」
「じゃあ、あの人達の実力は偽者だったということですね」
「そうです…」
「私は、あの勇者パーティに騙されていたのですね」
「はい」
「ハハッ」
受付の女性はがっくりしたように膝から崩れ落ちた。
「私は、ギルドの受付をする資格はありません。あの人達の実力さえ見抜けず、本当に責任を感じます」
どうやら、酷く落ち込んでいる。何だか、真実を話して悪いような気がするな。
「そんなことはない。あなたは、ちゃんと受付のギルドの仕事をしている。あまり、落ち込んでほしくはない。あなたには…」
「師匠、この女の人、顔、身体が傷だらけで可哀想…」
マリナ…本当にこの子は人間思いの優しい女の子だ。そう思い、俺は彼女に言った。
「そうだな、治してあげないと」
【必殺】自然回復
―パァァァーッー
すると、傷だらけだった女性の肌が少しずつ回復していき、綺麗になっていく。瀕死になっていた女性の状態も良くなっているようにみえる。
な、なんだ!? このオッサン、スゲェーッ!!
ギルドにいるみんなが、この俺の能力をみて驚いている。まっ、そりゃそうだな。
「い、いったい、何をしているのですか!? エヴァンさん!?」
「治癒能力を使っています。俺の自然回復です」
「あ、あなたって、いったい…」
困惑するのも無理はない。何故なら、彼女は俺の能力を初めてみたのだろうから。
「師匠ってね、凄いんだよ。だって色々出来ちゃう万能剣士だから」
「いやいや、俺なんて、そんなに対したことない。褒めすぎだ、マリナ」
彼女はなんだか、関心したような目でこの光景をみているようだ。
「あっ、そうだ。キャリナさん。俺達、ギルドの登録にきました。申し訳ございませんが、Eランクから始めさせていただけますか?」
「えっ?」
「いや、この子にギルドを経験させたくて」
「お、お姉さん。よろしくお願い致します」
「は、はぁ。この子が、ギルド登録…?」
「ええっ。キャリナさん、この子を甘く見てはいけません。何故なら、俺が鍛えている弟子なので」
「お姉さん、よろしくお願い致します」
マリナがキャリナさんに頭を下げて礼をしている。
「礼儀正しい…女の子なんですね」
「うん。マリナは俺が認めている女の子だから」
「エヴァン…さん。…私、決めました!!」
「?」
「ギルドの受付の私に虚偽の報告をしたを上に、こんなか弱い女性を置いて逃げるなんて、卑怯もいいところです。こうなったらあの人達を、明日からSSSランクから最低ランクのEにまで降格させます!!」
「い、いきなり…どうしたのですか?」
「私、あの勇者パーティ達に怒っています!! エヴァンさんがEランクの登録なのに、どうしてあの卑怯な勇者パーティがSSSランクなのですか!? そんなのおかしいでしょう!?」
「いや、まぁ確かに今のあいつらにはSSSランクの実力はないでしょう。ただ、Eランクの薬草取りなんて誰にも出来ますからね」
「エヴァンさん、今のEランクを舐めてはいけません。何故なら、ただの薬草取りではありませんからね」
「どういうことですか?」
「今のEランクはレベルがあがっています。何故なら、薬草取りにゴブリンが大量発生するようになっています」
「ゴブリン? ほう、なるほど」
「そのゴブリン達も昔に比べて力があがり、今はちょっとの力がある冒険者でもクリア出来ないほどになっています。あの人達にクリア出来るか、どうか。恐らく、SSSランクのモンスター同様、クリア出来ずに逃げ出すと思いますけどね」
まぁ確かに…。あの勇者トムならに逃げ出すとは思うけどな。それにトムのこと、勇者なんて呼びたくないが。
「まっ、良いんじゃないですか。俺には、もうトムがどうなろうと知ったことではない。Eランクに降格させるならさせても良い。それがトムにとって良い経験になるのなら、それも良いと思う」
ぐう〜っ。
「?」
「師匠…ごめんなさい。お腹減りました」
「マリナ…そうか。なら、薬草取りは明日するか?」
「ごめんなさい、師匠」
「構わない。腹が減っているのに、強いゴブリンが出るEランクに行ったらマリナが苦労するだけだ。経験は万全な状態でしないと」
「はい、師匠。ありがとう」
こうして、俺とマリナは次の朝、Eランクの薬草取りをすることになった。
久しぶりに投稿致しました。また、物語を書きたくなったので、応援よろしくお願い致します。文章力がとても滅茶苦茶ですが、よろしくお願い致しますm(__)m。




