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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第91話 天丼は基本2回まで

※天丼…同じギャグやボケを繰り返して笑いを取る技術、やり過ぎると飽きられるので注意。


 号泣謝罪事件の翌日、私達は王立研究所の一室に通されていた。



「それで連携する様な動きはあったのかね」



「連携というより…狼や野犬の群れと同じ様に襲ってくるタイミングが同じという程度だった」



「では回避行動は? 攻撃を気にせず突っ込んで来たり、逆に動きが強化されていたりは?」



「いや、普通に訓練されて命令を受けた犬と同じなんだと思う。瞬発力も個体差によって違ったしな」



 凄い、リカルドってば良く見てたんだなぁ、そんな次々に細かい事聞かれても私ならスラスラ答えられないよ。

 質疑応答の間、私は置物と化していた、だって障壁でガードしてましたなんて言えないし。



「ふむ…、質問は以上だ。ご苦労だったな」



 結局1時間程で話は終わって、私は来なくても良かったんじゃないかと思う。

 でもパーティメンバー全員でっていう条件で呼び出されたらしいんだよね。

 話が終わって立ち上がろうとしたら質問していた副所長だという偉そうなおじさんが手を上げて引き留めてきた。



 本来話を聞くべきであろうここの所長は陰で長老と呼ばれる女性らしく、高齢でもう殆ど出てこないらしい、実際夜会にも出てなかったみたいだし。

 夜会で聞こえて来た話によるとガブリエルを嵌めて所長の座を奪った人であり、アプローチしたのに相手にされなかった腹いせじゃないかと言われているとか。



「アイル…といったかな、君はガブリエルと共に王都でこのまま暮らす気はないか? あの変わり者が女性をエスコートして来たのは初めてでな、そろそろ王都に戻って研究をしてもらいたいんだが…君と一緒の方が良いだろう。ガブリエルと結婚したら貴族にもなれるしな、君にとっても良い話だろう?」



「へぁ?」



 思わず間抜けな声が出てしまった。

 今朝来た時あからさまにパーティーの時と同一人物か疑ってたよね?

 確かに特殊メイクレベルで大人っぽくしてもらってたから気持ちはわからなくも無いけど、ガッカリされたのは私とガブリエルを結婚させて王都に縛り付ける腹積もりだったのに思ったより若かったからなのか。



「貴族で無い事を気にしているなら私が養女にしてやってもいいぞ」



 ダメだこの人、凄くイラッとする。



「申し訳ありませんが、私とガブリエルはあくまで友人で恋人でも婚約者でもありません。それに冒険者を辞めるつもりも無いのでご期待には沿えません」



「何故だ!? ガブリエルと結婚したら貴族になれるんだぞ!? 身分も金も手に入るというのに!」



「王子様方から求婚された時にも言いましたが、私は自由を愛する冒険者ですので」 



「は!? 王子様方だと…!?」



「そう言う事なのでウチの大事なパーティメンバーを引き抜こうとするのは控えていただこう、では失礼する」



 副所長が混乱している間にリカルドが話を終わらせてサッサと部屋から脱出した。

 身分や権力という意味では王太子殿下と結婚して息子を産むというのが最強だからね、しかも王太子殿下だけじゃないとなったら信じられなくて混乱もするだろう。



 私達はガブリエルの家の馬車で先に送ってもらい、馬車は再び王立研究所に引き返して行った。

 帰る時に声を掛けたガブリエルが縋る様な目で見てきたけど諦めの悪そうなあの副所長に引き留められる前に帰って来たのだ。



 屋敷に戻るとサロンでラファエルとタイチがお茶をしていた、本当に仲良くなったらしい。

 そしてその隣には初めて見る女性が座っていた、もしかしてタイチが心配掛けたであろう連れだろうか。



 挨拶をする為にサロンに顔を出したら、その女性が私を見て凄く驚いていた。

 やはり髪と目の色のせいらしく、タイチと私を見比べている。



「タイチ、いつの間に隠し子なんて…!?」



「だから違ったんだって! 流石に10歳で子供はつくれないだろう?」



「は? え? 10歳って…15歳!?」



 もう飽きたよこのやり取り…、今度からシークレットブーツでも作って貰って履こうかな…。

 げんなりした私の顔を見て女性は慌てて謝った。



「ご、ごめんなさい…、気を悪くさせちゃったわよね…」



「ははは、俺も最初見た時10年前に出来た子供かと思って間違えたけど許してくれたから大丈夫だよ、な? アイル」



 お前が言うなと言いたいところだけど、こんなにションボリした女性を更に怒るなんてする気は無い、なので素直に頷いておいた。



「タイチ、そちらの女性は?」



 エリアスが話が途切れた瞬間にさりげなく聞いた、エリアスってこういうの得意だよね。



「ああ、昨日言ってた連れで俺の婚約者のアデラだ。商売人だからこっち(パルテナ)あっち(コルバド)を行ったり来たりしてるんだ、見掛けたらよろしく頼むな」



 は!? てことは婚約者がいるのに子供が居たと喜んでたわけ!?

 ダメだこの人! アデラさんこんな適当な人と結婚して良いわけ!?



「こんなしっかりしてそうな人、タイチには勿体無いんじゃ…。結婚してから後悔しないのかな…」



「おいおい、それは酷いんじゃないの? アデラだって国を跨いで商売したいが為に俺と結婚するようなものなんだからな? 半分政略結婚みたいなもんだし」



 つるっと思った事が口から出てしまい、苦笑いしつつタイチが答えた。

 話を聞くと職人であり商人だったサブローの子孫は他国でも商品生産してるくらい手広く商売をしており、母国の小さな商店の娘であるアデラはいつか大きな商売をしたいと野心を抱いていた。

 逆に店を任される立場のタイチはやる気が無く、友人だったお互いの両親が利害の一致で結婚話をまとめたそうだ。



「あ、政略結婚って言ってもタイチの顔は好みだし、私もタイチも合意の元で婚約してるから安心してね!」



 女傑、アデラを見てそんな言葉が脳裏に浮かんだ。

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