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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第416話 トルニア王国の王子

「アイル様、これ以上は関わらない方がよろしいかと」



「そうだね、ここはエルフの領域だし任せるよ」



「はい、お任せ下さい」



 どうしようかと思っていたらウリエルが声を掛けてくれた、どうやら丸投げして大丈夫らしい、良かった。

 その間に侍従らしきお爺さんが身体を起こすと、ウリエルを見て畏(かしこ)まった。



「貴方(あなた)様はウリエル大司教様とお見受け致します、我々は五国大陸のトルニア王国から参りました。こちらは我が主である第三王子ウィルフレド様でございます、私は侍従のロランド・デ・ムニョス、そして護衛騎士のライネリオ・デ・トレドと申します」



 ウリエルって有名なんだろうか、それにしても見事に厄介の匂いしかしない。

 空気になるんだ私、そう思っていたら私の隣居たおじいちゃんが前に出た。



「ロランド殿? 以前トルニア国王の従者をしていた?」



「貴殿は…ブラウリオ殿!? 何故貴殿がここに…!?」



 まさかの伏兵だ、五国大陸って聞いた事無いけど、どうしておじいちゃんがそんな国の人と知り合いなの!?



「私はもう爵位を息子に譲り、縁あってこうして旅をしているのだが…。ロランド殿こそどうしてエルフの里へ?」



 おじいちゃんはロランドの前で片膝をついて問いかける。



「それが…、我が国の為に宮廷魔導師としてお迎えすべくエルフの人材を求めてやって来たのです」



「それを…第三王子自ら…?」



「はい、ウィルフレド様の立場を固める為に陛下が秘密裏にご命令を下されたのです。ウリエル大司教様、どうか宮廷魔導師として相応しい方をご紹介頂きたく…!!」



 おじいちゃんと話していたロランドはウリエルに向き直って地面に額をつけて嘆願した。

 しかし、そんなロランドとは違いウィルフレド王子は私に視線を向けている。



「もし叶うならばここで会ったのも何かの縁、賢者様が我が国に来て下さるのが最良です。ロランドを救った見事な治癒魔法といい、是非とも我が国にお迎え致したく存じます」



 ウィルフレド王子はそう言いながら私の前に歩いて来た、鑑定すると15歳で今年成人して身長は180㎝程、第三王子だが唯一正妃が産んだ王子である…と、ちなみに従者の2人は2m近い。

 そんな大きなウィルフレド王子が近付くと、当然見上げる事になるのだが私は見下ろしている。



 なぜならウィルフレド王子が跪(ひざまず)いて私の手を取り口付けしようとしたからだ。

 ちなみに私は直前で手を引き抜いて拒否した、受け入れたら勧誘も受け入れたと思われそうで怖かったし。

 そんな拒否の仕方をされたのは初めてだったのだろう、ウィルフレド王子は数回瞬きを繰り返した。



「お断りします」



 キッパリハッキリお断りすると、驚いた様に目を見開いた。

 おじいちゃんの知り合いだとしても簡単に頷く訳にはいかないもんね。

 こちらに言わせれば「何故驚く?」というものだ、コレはアレか、自分がイケメンだから歳の近い私ならコロリといって頷くとでも思ったのだろうか。



 しかし周りをよく見ろ、私の仲間は勿論、エルフの3人の麗しい姿を。

 確かにウィルフレド王子はイケメンだが所謂(いわゆる)一般人の中では、というやつだ。

 芸能人レベルのイケメンや美人を普段から見慣れている私からしたら全く響かない。



「あの、申し訳ありませんがあなた方を里へ連れて行く訳にはいきませんので近くの村かキャンプ場で待機して頂けますか? 一応話は通しますが、3日経っても誰も来なければ希望者は居なかったという事で諦めて下さい。レミエル…は怪しいのでガブリエル、この方達を森の外までお送りして差し上げなさい、滞在先は確認する様に」



「わかった。お三方(さんかた)、ご案内しますのでこちらへどうぞ」



 おお、久々のガブリエルの丁寧な言葉遣いだ。

 ガブリエルが返事を待たずに歩き出したのでウィルフレド王子一行は慌てて立ち上がる。



「力になれず申し訳ない」



「いえ、見知らぬ土地で知った顔に会えて心強いです。またお会いしましょう」



 おじいちゃんとロランドは短く言葉を交わして別れた、ウィルフレド王子は何度もこちらを振り返っていたが、ロランドに促されてガブリエルの後をついて行った。



「おじいちゃん、さっきのお爺さん…ロランドとはどこで知り合ったの?」



 ガブリエル達が去った方向を心配そうに見ていたおじいちゃんに質問する。



「うむ、私が以前騎士団に居た事は話したと思うが、先代の王の護衛として国際会議に同行した時にロランド殿と知り合ったのだ」



「へぇ、国際会議なんてあるんだ」



「20年に1度だから代替わりした王のお披露目を兼ねている…というか、それが1番の目的と聞いた。その時にタリファスの騎士に絡まれて仲裁してくれたのがロランド殿だ、彼は頭の回転が早くてな、それは見事に相手を言い包(くる)めていたぞ。それから会議が終わるまでの数日で意気投合したのだが…、当時はやっと一人前と言える程度だったから通信魔導具なんて個人で持っていなくてそれきり…な」



「エルフの里で宮廷魔導師になっても良いって人が見つかると良いね」



「そうだな」



 おじいちゃん的にはちょっと恩があるから力になりたいってところかな、だけどロランドが頭の切れる人ならレミエルじゃなくガブリエルを案内にしたのは英断だと思う。

 ガブリエルは自分の目的の為には意志を曲げないけど、レミエルだと言い包められて宮廷魔導師にされちゃいそうだもんね。

 魔力操作が未熟な宮廷魔導師なんてトラブルの予感しかしない。



「さて、我々は里へ急ぎましょうか」



 空を見上げるウリエルに釣られて空を見ると、あと1時間もすれば太陽が山の陰に隠れてしまいそうな位置にあった。

 ただでさえ立派な木が多くて薄暗い森なのに太陽が隠れたらかなり暗くなるだろう、その後私達は黙々と足を動かした。

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