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「大量!大量!」
ポロが上機嫌に先頭を歩く。
ティーロックに到着し、妖狐狩りを始めた俺等は予定通り順調に妖狐を狩る事が出来ている。更に数匹狩ってもボアより軽く、運搬するのも容易であり、全員の満足度は鰻登りである。
「マジかよ。何匹の妖狐を…。」
「成果報告と換金をして来る。ポロ、手伝え。」
「俺?」
「昨日はクラウスとアルが手伝ってくれたぞ。」
難敵であるはずの妖狐を容易く討伐して来るウーゴチームは、ティーロックでも有名になりつつある。ウーゴは驚く冒険者、市民を横目に、ポロを連れて冒険者組合支部へ行く。
「アル、この後暇か?」
「あぁ。」
「矢師の店に行くが、アルも行くか?国内でも有名な矢師の店で見るだけで楽しめるぞ。」
「是非。」
俺はディアナに頷く。
「エリシア、借りるぞ。妬くなよ?」
「ディアナ!変な事言わなくて良いの。」
ディアナはエリシアを茶化して俺と矢師の店へ歩く。
「本当に綺麗な都市だよ。」
左右にティーロックの名産である硝子のランタンを備えた街灯、更にその街灯を支える凝った装飾の施してある街灯柱の連なる石造りの道を歩く中、ディアナは光輝都市の景色を見て呟く。ティーロックは都市全体が巨大な彫刻のようで、何処を見ても目を奪われる。更に秋は観光の季節であり、観光客も多く露店も賑わっている。
俺はディアナの案内で大通りを逸れて裏路地に入り、矢師の店へ。古民家風の家の暖簾を潜り、俺は目を見開く。店の中には天井近くの棚まで、所狭しと矢が並べてある。既存の矢以外にも鏃、篦、羽が別々に売っており特注も出来るようである。
「…壮観だな。」
「な?」
ディアナも目を輝かせて笑顔を見せる。ディアナはそのまま財布を握り締めて真剣に矢を探し始め、俺はウロウロ店を見て回った。
「戦士…か?」
暫く見て回っていると、白髪の店主が俺を見て怪訝そうに尋ねる。
「色々あって今は戦士です。元々は射士で。」
「…元射士の戦士?」
「えぇ。」
「戦士に見せる矢は無いぞ。」
「今でも心の中には射士の俺が居ます。」
俺は試射場へ続く扉を見る。
「1射、宜しくて?」
店主は怪訝そうな表情のまま、目配せで試射を許可してくれる。俺は並べてある装備の中で、俺に合っているものを選択して構える。
パメラに頼まれて、パメラの練習の合間に射る事はあったが、構えるのは久し振りである。
珍しく丁寧に矢を番え、構える。
俺の筋肉、下半身のバランスを意識して、ターゲットを凝視、そして射る。
パンッと強く響く音、矢は真っ直ぐターゲットへ吸込まれて命中した。俺は装備を外す。
「流石!」
背後には、数人の見物客が出来ており、その中でディアナが拍手をしている。
「…失礼。」
「気にしていませんよ。」
「店主、お久し振りです。彼は…。」
「囮のアルブレヒト君、ですよね?アースドラゴン狩りとルシオのドラゴン殺しの異名の奪取に貢献した。」
ディアナが反省する店主との間に入ろうとすると見物客の1人が声を掛けて来る。俺はその冒険者、射士の装備を見て目を見開く。その人は腕に金等級の腕章、そして背後の矢筒に綺麗な藍紫の矢羽の矢を装備していた。




