↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
28/44

27

「シスターマリー!」

夕刻、パメラが血相を変えて戻って来る。俺は昼寝を辞めてパメラを見た。


「どうしたのです?」

「あの…水色の髪飾りをしている子が居なくて。戻って来てたりは…?」

「マリュですか?戻って来てませんね。」

「暫く一緒に居たのですが、見当たらなくて。」

「シスターマリー。」

「探しましょう。」

俺も体を起こしてウーゴを見る。


「パメラは待機を。ウーゴと俺、エリシアで。」

「私も探しに行く!」

パメラはウーゴの指示に反論する。


「私はマリュと面識があるし。」

「でも…。」

「パメラ、行くぞ。ウーゴ、日が暮れる前に。」

俺は思案するウーゴの背を押してパメラと出る。


「マリュ!」

「エリシア!戻って来る可能性もある。クラウスとポロと他の子供等と一緒に待機で。」

「了解。ウーゴ、今マリュのお友達に聞いて、マリュは時々1人で森に入る事もあったって。」

「了解。」

俺等はエリシアの指差す方角へ走る。


「マリュ!」

「マリュ、何処に居るの?」

森へ響く声、ゴブリンを誘導する可能性もあるものの背に腹は変えられぬ。俺等は森に入り、マリュを探す。


「マリュ!」

「…けて…助けて!」

「…聞こえる?」

「聞こえる、マリュ!」

暫く歩くと聞こえる声、ウーゴが周りを見る。少し離れて歩くパメラは急に矢を構えた。


「…パメラ。」

美しい射型、俺はパメラの視線の先を追って、初めてゴブリンと、ゴブリンに襲われて木の上に避難しているマリュを視認した。パメラの矢は迷い無く一直線に放たれる。そしてマリュを狙って木を登ろうとするゴブリンに命中した。


「俺が惹く。」

俺は驚いて固まっているウーゴに声を掛ける。ゴブリンは3体。内1体はパメラの矢で倒れている。俺はゴブリンに目立つように叢の間を出た。残りの2体のゴブリンは俺を見て特攻して来る。俺は1体目をパリィするとその流れで首を狩り、2体目も連続でパリィした。そのままトドメを刺す事は出来なかったが再度正対してパリィ、今度は1体目同様にバランスを崩してゴブリンを斬る事が出来た。


「ウーゴ、パメラ。」

「大丈夫、マリュは無事だぞ。」

俺はウーゴとパメラの元へ歩く。


「マリュ!危険な事してはダメでしょ!」

パメラはマリュの目線まで座って、強い口調でマリュを叱る。但し、その声は震えていた。マリュは涙目でパメラを見る。


「何でこんな事したの?」

「…エリシアとパメラに見せたくて。」

マリュは頭陀袋に手を入れて、キノコを取り出す。淡く青色に発光する不思議なキノコである。


「ヒカリダケ…珍しい。」

俺とウーゴはマリュの取り出したヒカリダケを見る。


「…これを見せてくれようとしたの?」

マリュは頷く。パメラはマリュの頭を撫でた。


「それは凄く嬉しいけど、それでマリュが危ない目に遭ったり、怪我したり命を亡くしたりするのは嬉しく無いよ。」

「パメラ、戻るぞ。」

ウーゴが声を掛けるパメラはマリュの手を握って俺とウーゴの背後へ続く。俺はパメラを見た。


「ナイスショット。」

パメラは笑顔で頷く。俺等は日の暮れる森を村まで慎重に歩くのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。