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「シスターマリー!」
夕刻、パメラが血相を変えて戻って来る。俺は昼寝を辞めてパメラを見た。
「どうしたのです?」
「あの…水色の髪飾りをしている子が居なくて。戻って来てたりは…?」
「マリュですか?戻って来てませんね。」
「暫く一緒に居たのですが、見当たらなくて。」
「シスターマリー。」
「探しましょう。」
俺も体を起こしてウーゴを見る。
「パメラは待機を。ウーゴと俺、エリシアで。」
「私も探しに行く!」
パメラはウーゴの指示に反論する。
「私はマリュと面識があるし。」
「でも…。」
「パメラ、行くぞ。ウーゴ、日が暮れる前に。」
俺は思案するウーゴの背を押してパメラと出る。
「マリュ!」
「エリシア!戻って来る可能性もある。クラウスとポロと他の子供等と一緒に待機で。」
「了解。ウーゴ、今マリュのお友達に聞いて、マリュは時々1人で森に入る事もあったって。」
「了解。」
俺等はエリシアの指差す方角へ走る。
「マリュ!」
「マリュ、何処に居るの?」
森へ響く声、ゴブリンを誘導する可能性もあるものの背に腹は変えられぬ。俺等は森に入り、マリュを探す。
「マリュ!」
「…けて…助けて!」
「…聞こえる?」
「聞こえる、マリュ!」
暫く歩くと聞こえる声、ウーゴが周りを見る。少し離れて歩くパメラは急に矢を構えた。
「…パメラ。」
美しい射型、俺はパメラの視線の先を追って、初めてゴブリンと、ゴブリンに襲われて木の上に避難しているマリュを視認した。パメラの矢は迷い無く一直線に放たれる。そしてマリュを狙って木を登ろうとするゴブリンに命中した。
「俺が惹く。」
俺は驚いて固まっているウーゴに声を掛ける。ゴブリンは3体。内1体はパメラの矢で倒れている。俺はゴブリンに目立つように叢の間を出た。残りの2体のゴブリンは俺を見て特攻して来る。俺は1体目をパリィするとその流れで首を狩り、2体目も連続でパリィした。そのままトドメを刺す事は出来なかったが再度正対してパリィ、今度は1体目同様にバランスを崩してゴブリンを斬る事が出来た。
「ウーゴ、パメラ。」
「大丈夫、マリュは無事だぞ。」
俺はウーゴとパメラの元へ歩く。
「マリュ!危険な事してはダメでしょ!」
パメラはマリュの目線まで座って、強い口調でマリュを叱る。但し、その声は震えていた。マリュは涙目でパメラを見る。
「何でこんな事したの?」
「…エリシアとパメラに見せたくて。」
マリュは頭陀袋に手を入れて、キノコを取り出す。淡く青色に発光する不思議なキノコである。
「ヒカリダケ…珍しい。」
俺とウーゴはマリュの取り出したヒカリダケを見る。
「…これを見せてくれようとしたの?」
マリュは頷く。パメラはマリュの頭を撫でた。
「それは凄く嬉しいけど、それでマリュが危ない目に遭ったり、怪我したり命を亡くしたりするのは嬉しく無いよ。」
「パメラ、戻るぞ。」
ウーゴが声を掛けるパメラはマリュの手を握って俺とウーゴの背後へ続く。俺はパメラを見た。
「ナイスショット。」
パメラは笑顔で頷く。俺等は日の暮れる森を村まで慎重に歩くのであった。




