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「孤児院の運営は厳しいのですか?」
子供慣れしているポロとクラウスが男の子を、そしてエリシアとパメラが女の子と自然な流れで一緒に過ごす中、俺とウーゴはシスターマリーと話す。
「正直に申し上げれば…子供等も冒険者組合、町経由の孤児で支援者はおらず、食事は裏の畑で育てている野菜とこの村の農家の人と冒険者組合に分けて頂いている穀物と肉ですし、生活品も我々の内職で稼いでいる小金で年数回買ってあげられる程度です。本来であれば、安全で教育の場も整っている町で育てるのが望ましい事は我々も理解しているのですが…。」
「村であればシスターの御厚意で家もありますし、食料も分けて頂けるので…。」
中年女性、村の人で手伝いに来ているアレナがシスターマリーをフォローする。
「それでも彼等は恵まれています。」
聖ラティア王国内政は安定しているものの、モンスターの危険と隣り合わせの国内では孤児も少なくは無い。ある程度の年齢であれば下僕、水商売でも賃金を得たり、冒険者として一攫千金を狙ったりするが、幼ければ人身売買、スラムで餓死等更に運命は残酷になり得る。
「そう言って頂けると救われます。」
「アル、ウーゴも来てよ。」
俺は珍しくパメラに呼ばれる。パメラは普段より溌剌として子供等の世話をしている。俺とウーゴはシスターマリーにお辞儀をしてパメラの元へ。
「皆、ウーゴとアル。ウーゴは私等のリーダー。アルはこの間別の仕事でドラゴン討伐に貢献したんだよ。」
「凄ぇ、ドラゴン倒したの?」
「別に俺が倒した訳では…。」
「リーダーって事はこのチームで1番強いの?」
「俺は1番強くは無いよ。敵にも寄ってアルが1番の時もあるし、ポロが1番の時もある。後衛のエリシアとパメラが光る時もある。皆で支え合って依頼を熟す。それがチームだよ。」
俺等は質問攻めを受ける。
「どうすれば強くなれるの?」
少し離れた所で聞こえる声、俺とウーゴはその声の主を見る。男の子、この孤児院の中では年長に見える。男の子は真っ直ぐ俺等を見ている。ウーゴは男の子の前へ。
「俺等もテルアボアを討伐する事が出来るけれど、冒険者としては並以下だよ。一部の才ある者を除けば近道は無い。地道に歩む事、無茶をせず身の丈を弁える事。…夢の無い話ではあるけれどそれが現実だよ。それに焦って命を亡くしては、育ててくれたシスターマリーとアレナも悲しむよ。」
ウーゴは真面目に答えた後に、表情を柔らかくして男の子の肩を叩く。
「ウチのリーダー真面目なんだよね。」
エリシアが静まる空気をフォローした。
「外に出ても?」
「出来ますよ。但し、木の柵の先はモンスターが出ますので教会の前の広場でお願いします。」
「勿論です。良し皆、男の子等の所へ行くよ。」
エリシアとパメラが皆を連れ出す。俺はエリシアと目配せをして外には出ず、ベンチへ戻った。
「一緒に行かれないのですか?」
「まぁ色々あって。安全の為です。」
俺は卒無く答えた。男の子は何か感じるものがあった様子でそのままウーゴと話している。俺はゆっくりと午後の時を過ごした。




